茂田宏の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(茂田宏君) 会長、どうもありがとうございます。
緒方先生が指摘された点、二点ありますけれども、共産党がイスラエルの生存権を認めるという立場を取ってこられたことは、私よく承知しております。
テロと、テロは止められないという問題についてですけれども、このテロの問題について、イスラエル国内では大ざっぱに言いますと二つの考え方がございます。一つは、和平を進めないとテロが収まらないと。和平を進めるのがテロを抑えるのにつながるんだという、和平を進める、まあハト派という、左派と言いますか、そういう考え方がございます。右派の方は、安全がない、テロがあるのに何で和平交渉なんかできるんだということで、まずその安全を確保するのが先だという考え方がございます。これがまあシャロン首相の考え方、右派の考え方でございます。
私は、今は右派の考え方が非常に強くなっておりますけれども、やはり和平を進めることがテロを抑えていくのに役立つだろうというふうに思っております。テロの問題を軍事力でテロのインフラを破壊するというふうなことだけで解決できるというのは多分幻想ではないかというふうに思っております。やはり人間の動機という、テロを行う動機というものに踏み込んだ対応をしないと解決しないということかと思います。
私、イスラエルにいたときにも、イスラエル政府の方はテロが起こるから和平交渉ができないんだと、パレスチナ側との交渉ができないんだということを盛んに言っておりましたけれども、私はそれに対しては、そういうことを言っていると和平交渉をするかしないかをテロリストに決めさせることになるんではないかということを問題として提起しておりました。私は、この和平交渉が進むかどうか、進むときに、一つテロが起こったからもう和平交渉はやめますということをすることは過激派に和平に対する拒否権を与えることにつながりますから、これをやめなければならないというふうに思います。他方で、パレスチナ側にはやはりテロをしっかりと取り締まってもらうということを求めていくべきだろうというふうに思います。
第二点の分離壁の点ですけれども、私はこれは大変悪い影響があるというふうに考えております。こういうことで中東和平に対する希望をなくさせるということは事態をより悪化させることにつながるだろうというふうに思います。人によってはこの分離壁を造ることによってテロリストが入ってこない、テロが少なくなる、それで和平の機運が出てくるんだという議論をする人がいますけれども、そういうことには、これは将来のことですから分かりませんけれども、多分ならないんだろうと思いますので、大変悪い影響があるというふうに考えております。