津守滋の発言 (国際問題に関する調査会)
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○参考人(津守滋君) アメリカがサダム・フセインを打倒した後、うまくイラクを統治できるかどうか自信があったかどうかというのは、これははっきり言ってだれも分からないと思います。アメリカ人自身が一〇〇%自信あったわけではないと思います。パンドラの箱を開ける可能性があるということを一部認識していた可能性もあると思います。
ただ、事前にアメリカが非常に工作をしていたのは、チャラビーというINC。ただ、これは余り人気がない、御承知のように。しかも、イラクの反体制派全部を代表しているわけじゃない。大きな固まりはやはり、それからクルドについては、これは湾岸戦争後からかなり関係を持っている、二つの政党と。
問題は、人口の六割を占めるシーア派との関係ですね。これは御承知のように、ハキムという指導者がテヘランに亡命していたわけで、イランとの関係で彼はアメリカへ行きたかったんだけれども行けない。私は、実はハキムと一回会っているんです。残念ながら彼は暗殺されましたんで、アメリカの関係を中心に話を聞いたときに、決してアメリカが嫌いという話ではない、やっぱりアメリカは必要だと彼ははっきり言っていました、その当時。結局そういうことで、アメリカは事前にやっぱり反体制派、共産党を含めて、共産党非常に強いですからあそこ、いろいろ関係を持っていた、そういう地ならしはしていたと思うんですね。だけれども、開けて見たところ、なかなかうまくいかないというのが現状だろうと思います。
それから、安全保障面でのアメリカの利益は何か。これは大変難しい。アメリカ自身が迷っているんじゃないかと思いますね。御指摘のように大変反感を今生んでいますし、アラブの住民の感情を踏まえながらどういうふうな安全保障の枠組みを構築していってアメリカがどのような役割を果たすかというのは、これからアメリカが考えて、現在考えているところだろうと思います。
その証拠に、さっき引用しましたフォーリン・アフェアーズのケネス・ポラックというのも非常に慎重ですね。だから、ダイレクトにアメリカの軍事的プレゼンスということを言っていないわけで、オフショアバランシングと言っているんです、第一番に。つまり、外にいていったん緩急あるときは出て行くと。それから、彼はこの三つの案のうち、正にセキュリティーコンドミニアム、つまり私が今まで説明したようなそういうアイデアを非常に中心に考えている。もちろん彼の意見がアメリカ政府の意見になるかどうか分かりませんが、少なくともアメリカの政府の湾岸の専門家はそういうふうに考えているということだろうと思います。