田英夫の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)

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○田英夫君 それは当然のことなんですけれども、よくこの包括的、包括的と言われると一般の皆さんは拉致が解決しなければ国交正常化をしないということを非常にストレートにもう信じ込んでおられますね。しかし、私はそうではないと思っているんです。国交正常化というのはもちろん拉致問題と密接に関係することは事実ですけれども、核、ミサイルの問題というのは、これは国際的な問題であって日朝二国間の問題ではない、その辺のところをきちんと分けて考えていかないとおかしなことになって、拉致問題が日朝関係を阻害すると、進めないものに、邪魔者になってしまうと、これが解決しなけりゃこっちに行かないよという、そういうことでいいのかという感じがするんですよ。
 かつてソ連が、最後の段階ですが、ゴルバチョフ時代、ゴルバチョフの右腕と言われたヤコブレフという、肩書は大統領顧問でしたけれども、実際外交問題などは彼が動かしていたと言われているその人物が日本に来たときにたまたま会う機会がありました。二人だけで会ったんですが、そのときに彼が言ったのは、日本政府の外交のやり方はおかしいと。この日ソ平和条約を結ぼうと、こういうことで会議をやろうとすると、会議の、会議室の入口に大きな石を置いて会議室の中に入れないようにしていると。これじゃ会議ができないじゃないかと。それは間違いで、石があることは事実だと、つまり北方領土ですね、その石を会議室の中に置いて、それを見ながらこの石をどうやってどけようかと、なくしちゃおうかという相談をするのが外交交渉じゃないかということを私に言っていたことがあります。
 それは全く同感で、北朝鮮外交の場合も今政府はややそういう状況に陥ってきているんじゃないか。確かに、今まで例えば第十八富士山丸とか様々な問題が出てくると、それが解決しなけりゃ国交正常化に行かないよと、こういうふうにやってきたと思うんですね。それは私は外交の本道ではないと思いますよ。
 同時に、小泉総理が二回にわたって訪朝されたことを私は率直に評価します。
 今、この日本の世論の中で拉致問題に対して厳しい世論があるのはこれはまた当然だと思いますが、そういう中で、あえて自ら二度にわたって、国際慣例上は異例なことですが、行かれたと。それで、平壌宣言というものを第一回のときに結ばれた。この宣言の中身も実に見事ですよ。それは、今日おいでの齋木さんとか更に上の薮中さん、田中均さんという外務省の人たちのおぜん立てもあったと思いますけれども、このことによって確かに金正日総書記の態度が変わってきていますよ。私の得ている情報でも、最近また特に変わってきていると。事実、日本との関係では余り進展がないようですが、韓国との関係は、つまり金大中大統領以後、今の盧武鉉大統領も北との融和政策を公然と取っていますから、開城、ケソンの経済特区、それから新義州もそうですね。ロシアとの国境もそういうものをやろうとしている。また、東側の東海線という鉄道、それから西側の京義線という鉄道を南北連結するということが韓国でも熱心に進められている、こういう状況も見ておかなければいけないと思います。
 そういう中で、同時に大事なことは、朝鮮の人たちの性格といいますか、特性をよく見抜いて外交をやると。その辺は外務省の専門の皆さんは、私は見抜いておられるからこそ粘り強く忍耐をしてあそこまで平壌宣言までいけたんだと思うんですね。平壌宣言の内容をよく読んでみると、これは日朝国交正常化交渉に向かって一歩二歩と踏み出していますよ。これは大事にすべきだと思う。
 もう一つの大事なことは、国際的な問題である核、ミサイルの問題を解決するための六者協議を進めるということ。これは中国が中心になって熱心にやってくれている。王毅さんが体調を崩していて議長がどうなるのか心配ですけれども、とにかく、そういう意味で、この北東アジアに平和をもたらすという意味で極めて大切な北朝鮮外交、その中での拉致ということ、一つの問題として冷静に考えていく必要があると思っています。
 そういう状況を官房長官はどういうふうにお考えですか。

発言情報

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発言者: 田英夫

speaker_id: 16046

日付: 2004-06-15

院: 参議院

会議名: 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会