浜四津敏子の発言 (本会議)

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○浜四津敏子君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました小泉総理の施政方針演説を中心に、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今、私たちを取り巻く状況を見ると、内外に様々な課題が山積しています。今こそ、こうした諸課題に迅速果敢に挑戦する指導力、先見性、判断力、実行力が政治に問われています。公明党は、連立政権に参画して以来四年三か月、一貫して連立の信頼を構築しつつ、責任を共有して様々な改革を推進し、数多くの政策を実現してまいりました。連立五年目の今年も、生活者の目線に立った生活与党公明党、政策実現政党公明党として、皆様の負託にこたえるべく総力で取り組んでまいります。
 初めに、イラク支援問題について伺います。
 外交政策の決定に当たって最も大事なことは、一国平和主義などという時代後れのエゴではなく、世界の多くの国々との協力及び協調を重視すること、そして、その決定が日本と世界の平和と安定及び社会の繁栄並びに人々の幸福に資するかどうかという観点であります。
 そこでまず、国際協調の点ですが、昨年五月、国連は加盟国に対し、イラクへの人道復興支援をすべきことを全会一致で採択いたしました。そして、現在、既にデンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国を始め、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、タイ、モンゴルなど三十七か国がイラクで積極的な支援活動に取り組んでおります。
 こうした中、日本も日本としてできる支援が求められています。このたびの自衛隊派遣の目的は、平和憲法に合致した人道復興支援であり、戦争や戦闘を目的とするものでないことは論をまちません。まず、この点について総理の御認識を確認させていただきます。
 次に、とはいえ、自衛隊の派遣決定については、その時期、規模、地域などについて慎重な判断が求められることは当然であります。なぜなら、イラクは現在、国が崩壊して秩序が失われており、治安の悪さと危険度は地域によって様々であり、たとえ非戦闘地域であっても危険性がゼロとは言えず、その見極めに細心の注意を払わなければならないからであります。数回にわたり、政府派遣調査団が現地の実情を調査したのもそのためです。我が党の神崎代表もイラクのサマワに行きました。日本にとって重大な判断を迫られている中、与党の責任者の一人として、現地での治安状況、人道復興支援の具体的ニーズを自分の目で確かめるためでした。短時間の現場視察で十分に分かるのかとの声もありましたが、しかし現場を見るのと見ないのとでは正に天と地の差があります。現場を見、直接関係者の声を聞き、現地の状況を皮膚で感じ取れば、少なくとも的外れの机上の空論や国際的に全く通用しないおかしな議論に走ることはありません。
 公明党が国際問題についても国内問題についても常に現場第一主義を基本としているのは、真にニーズに合った誤りなき判断をするためであります。
 ともあれ、こうした現場の調査で分かってきたことは、サマワの治安状況はバグダッド周辺とは異なって、テロ攻撃ではなく失業に対する不満からの抗議行動が散発していること、フセイン政権時代の冷遇と弾圧により住宅は破壊され、多くの住民が不自由で不衛生な生活を余儀なくされていること、川の水を飲み水代わりにしていること、学校や病院などが破壊されていること、失業率が七〇%を超えていることなどであります。
 こうした状況下で、自衛隊の活動のニーズは高いと言えます。なぜなら、自衛隊は汚染された泥水も瞬時に飲み水に変える能力を持っています。また、学校、病院、住宅などの復旧作業も、訓練された自衛隊には難しいことではありません。のみならず、雇用創出策として、瓦れきを片付けたり、建物の建設作業を現地の方々にしてもらうことを予定していると伺っています。こうして、現場視察により、自衛隊のできる人道復興支援の具体的活動や日本としての支援の在り方が少しずつ見えてきております。
 また、亡くなられた外務省の奥克彦さんも、昨年末、ある雑誌にこう書かれています。バグダッド市内で一人の女性教師が近寄ってきて、私たちは今とても苦労しているけどサダムの政権がなくなったことだけは本当にうれしいと話し掛けられたことが今でも忘れられませんと。
 そこで、総理にお伺いいたします。
 第一に、イラクへの自衛隊派遣の目的と必要性などにつき国民の皆様に十分に御説明をし、御理解いただくように最大限の努力をすることは当然のことであります。しかし同時に、イラク及びアラブ社会の方々に対しても日本の考え及び姿勢を丁寧に説明し、理解していただくことが安全確保の点からも大変に大事なことであります。
 すなわち、自衛隊は戦闘のためでなく、イラクの人道復興支援のために来たこと、治安回復後は日本の民間人主導の復興支援になること、特に自衛隊はイラク国民の働く場を作り、一日も早くイラク人自身による政府を作り、安全で安心で豊かな生活ができるための支援に来たこと、自衛隊は攻撃を受けない限り決して武器を使うことはしないことなど、自衛隊派遣の目的と役割をイラク国民やアラブ社会に対し明確に語っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 第二に、イラク国民の雇用創出に総力を挙げるべきと考えますが、具体的にどのような対応策を進められるのか、お伺いします。
 失業中の住民に現場での仕事の機会を作ること、また技術教育、職業訓練の支援をすることも大変大事なことです。と同時に、できるだけ多くのイラクの人々を日本へ招いて、国づくりに必要な様々な技術及び知識の習得や職業訓練をしていただいてはどうでしょうか。既に受入れの用意があると申し出ている民間企業もあります。政府としてその後押しをすべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 さらに、特別枠を設けて日本へのイラク人留学生の受入れを行ってはいかがでしょうか、お伺いします。将来の両国間の相互理解と友好親善のために、必ずやすばらしい結果をもたらすものと思います。
 第三に、イラク南部のメソポタミア湿原の復元事業について伺います。
 イラク南部の民主化指導者リカービ氏は、昨年末、総理に対し、イラク南部の民衆が最も望んでいる振興策はメソポタミア湿原の再生であると言われたと伺っております。
 メソポタミア湿原は、長い間、農業、漁業の盛んな大自然の恵みあふれる地域でした。それが、旧フセイン政権により、シーア派住民弾圧のための徹底した破壊政策が行われ、そのため多くの住民がこの地を追われ難民となっております。
 私は、昨年三月、イラン・イラク国境地帯の難民キャンプに行き、直接難民の方々の声を聞いてまいりました。その国境付近一帯には湿原から追われた難民が多数生活しております。一日も早く故郷に帰り農業をしたい、漁業で生計を立てたい、子供たちを故郷の学校に行かせたいと切実に望んでおられる難民の方々の願いにこたえてあげたいと思いますし、日本はそれができるはずであります。
 このまま放置すると、あと三、四年でこの大事な湿原は完全に消滅してしまうと言われています。国連環境計画も、昨年四月、湿原の復元と生物多様性の保全を求めています。
 総理、今こそ日本が強力なリーダーシップを発揮して、国連機関等の協力を受けてこの壮大なメソポタミア湿原の復元事業に取り掛かるべきではないでしょうか。日本は土地改良技術もかんがい施設建設技術も世界一流の水準にあり、実績もあります。この復元事業は地域住民に百万人単位の大きな雇用を生み出すこともできます。失業からくる不満も大幅に解消され、治安も良くなることが十分に期待できます。総理の御決意をお伺いします。
 行動する平和学者として世界的に著名なガルトゥング博士は次のように言っています。頭は徹して現実主義であれ、胸には理想主義の炎を燃やし続けよと。我が党は、これからも行動する平和の党として、胸には平和、人道、人権の時代を作る理想を燃やしつつ、すべての課題に徹して現場に立ち、現場の目線から現実の解決策に挑戦してまいる決意です。
 次に、拉致問題についてお伺いします。
 拉致問題の解決には、北朝鮮が拉致を国家犯罪と認め、家族を無条件で即時帰国させるとともに、拉致事件の全容を明らかにすることが不可欠です。ところが、一昨年十月に帰国された五人の方々は、その後、北朝鮮に残された御家族の帰国がいまだ実現しないまま二度目のお正月を迎えられました。政府は第二回目の六か国協議の開催に向けて努力されていますが、北朝鮮の対応にも変化の兆しが見受けられます。政府として、強力に、断固たる姿勢で拉致問題解決に全力で当たっていただきたいと思いますが、具体的にどのような取組をされるのか、お伺いいたします。
 次に、景気、雇用及び中小企業支援策について伺います。
 日本経済は、国民の皆様の懸命な取組と諸施策によって、一年前の最悪な事態からは何とか脱しつつあるように見えます。株価も回復基調にあり、GDPも連続六期プラスに転じてきています。しかし、業績回復の多くは大企業が中心で、中小企業、非製造業、地域産業への広がりはまだ不十分であります。
 現実に、全国各地を回る中で、日本の経済の屋台骨である中小企業経営者の皆様の、貸し渋り、貸しはがしに苦しむ悲鳴や、不本意にも倒産に追いやられたとの無念の声をいまだに数多く耳にいたします。そうした声を受け、私どもの提案により昨年二月十日にスタートした資金繰り円滑化借換保証制度は、おかげさまで大変に好評で、既に保証承諾件数は三十三万七千件にも達しております。二〇〇四年度も引き続き運用されますので、中小企業の皆様には今後も是非積極的にこの制度を活用していただきたいと思います。
 この借換保証とともに中小企業の方々からの御要望として多かった声の一つが無担保無保証融資の拡充です。
 そこで、この声におこたえするため、公明党は、さきの総選挙の際に掲げたマニフェストで中小企業への金融支援策を具体的に三点提言いたしました。それは、一つには無担保無保証の新創業支援制度を拡充することであり、二つには金融機関が中小企業に対して個人保証を求めない融資を推進すること、三つには売り掛け債権等の証券化、流動化等、金融機能の多様化を図ることであります。
 この公明党の三つの主張は、おかげさまで二〇〇四年度予算案の中で具体化し、政府系金融機関による支援の枠組みが大きく拡充することになりました。
 一点目については、国民生活金融公庫による無担保無保証の新創業融資制度の貸付限度額を現行の五百五十万円から七百五十万円に引き上げました。この制度は不動産担保に乏しい創業者を支援する施策であります。二〇〇三年二月からは、公明党の提言を踏まえ、女性や中高年者、ITを活用した新規開業者に対して金利の低い融資制度も実現させました。この制度も多くの方に喜ばれ、利用されて順調に実績を伸ばしています。今回、貸付限度額を七百五十万円にまで拡充することによって、百万単位の企業の開業を後押しする効果が見込まれると確信しています。
 二点目は、中小企業金融公庫と商工組合中央金融公庫による個人保証を必要としない新融資制度の創設であります。これまでは、倒産すると、保証人である経営者が個人財産まで失い、再起不能になるという大変過酷なケースも多々ありました。そこで、経営者の重い個人負担を軽減して、一度失敗しても再びチャレンジできるように支援するという制度であります。
 三点目の売り掛け債権等の証券化、流動化等、金融機能の多様化も大きく前進することになりました。
 これら三点にわたるきめ細かい中小企業支援策で、かなりの景気浮揚効果、雇用創出効果が期待できると考えますが、総理の御見解を伺います。
 次に、若者の雇用支援策について伺います。
 厚生労働省の調査によると、昨年高校を卒業して働いている若者の約三割がパートです。高卒のフリーターも増加しています。こうした事態を未然に防ぐため、福島県や高知県では、就職促進支援員を採用し、企業を回って採用枠を掘り起こして、昨年より就職率を大幅に引き上げた実績があります。各県が同様の取組ができるよう、国として支援すべきと考えます。
 一方、この春卒業予定の大学生の就職内定率も約七割と大変に厳しい状況にあります。このような中、企業で就労体験をするインターンシップ制度を導入する大学が増えています。これは学生にとっては掛け替えのない社会実習体験であり、地に着いた職業観を育て、卒業後の就職のミスマッチを防ぐ意味からも、大変に有効な取組であります。今後も、更にインターンシップ制度の充実を国として支援すべきであります。
 また、我が党は、学校での職業知識の習得と企業での実務訓練の二つを並行して行う日本版デュアルシステムをマニフェストで提案しました。それが二〇〇四年度予算案で実現の運びとなり、その効果に大きな期待が寄せられています。さらに、ワンストップサービスセンター、通称ジョブカフェの早期整備、キャリアコンサルタントの拡充、電話やメールで質問に応じるキャリアヘルプデスクの設置などを関係省庁及び地方自治体並びに企業などの協力によって実現するなど、総合的な若者の就職支援対策を進めるべきと考えます。総理のお考えを伺います。
 次に、高齢者の雇用支援策について伺います。
 定年と年金制度を連動させて、定年延長や継続雇用の推進などにより、厚生年金支給開始年齢までの経済的不安を解消するよう、法的措置も含めて対応すべきだと考えます。高齢者の豊富な経験を有効に活用し、生きがいあふれる生活を送っていただくためにも欠かせません。厚生労働省など関係省庁、地方自治体、企業などが協力して高齢者の総合的な雇用支援対策を進めるべきだと考えますが、総理の決意のほどをお伺いします。
 次に、年金改革について伺います。
 二〇〇四年度予算案では、年金改革への確かな道筋を付けることができました。政府、与党間で、給付と負担、財源の骨格部分で合意しました。また、厚生年金の給付水準も現役世代の平均収入の五〇%以上を確保することに決まりました。
 今回の年金改革の大きな目的は、国民の皆様の年金に対する不安を解消することにあります。そして、将来にわたって年金制度は決して破綻することなく継続されること、また、決められた年金を払い続ければ老後の安心な生活を送ることができることを納得していただき、安心していただくことにあると思います。是非この機会に、国民の皆様に対し厚生労働大臣から年金安心宣言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、高齢者施策について伺います。
 介護保険制度がスタートして本年四月で満四年を迎えます。スタート当初問題の多かった介護保険制度も、低所得者への配慮やサービス内容の充実等、種々の改善がなされ、現在では多くの皆様から評価を得ております。反面、高齢化が進み、制度が定着することにより、施設の待機者やサービス希望者の数も予想以上に増加しております。高齢者の自立と安心の老後を保障するには、介護保険制度に対する信頼性を更に高め、確固たる制度とする必要があります。
 被保険者の拡大や障害者との統合などの課題とともに、特養ホームの待機者ゼロ、低所得者の負担の軽減、グループホームや小規模多機能拠点の配置、介護予防の強化など、より高齢者のニーズにこたえられる制度にすべきと考えますが、厚生労働大臣の御見解を伺います。
 また、高齢者への虐待問題が大きな社会問題となっております。介護が必要な高齢者が家族に放置されたり、殴られてけがをしたり、経済的に搾取されるなど、広範にわたる虐待問題が起きています。アメリカでは、虐待防止のための法制度が整備されて的確に運用されています。それに対し日本ではどうでしょうか。在宅介護で虐待を発見したケアマネジャーやヘルパーは、相談する場所もなく、独りで問題を抱え込んでいるのが実態ではないでしょうか。家族に介入したくても権限もありません。事実、あるケアマネジャーの方はこう言っておられます。アメリカとは違い、日本には公的機関による高齢者虐待の定義もなければ、児童虐待のような専門窓口もなく、虐待の被害者は置き去りにされているのが現実ですと。
 ある学者も、法律がなければ予算も人も制度も付いてこないと言っておられますが、私も全く同感です。これからますます高齢社会が進展する日本においても、まず、仮称「高齢者虐待防止法」の制定に向けて積極的に対応すべきではないかと考えますが、総理の御見解をお伺いします。
 次に、総合的な子育て支援策についてお伺いします。
 子育て支援の充実に一貫して取り組んできた公明党の主張により、二〇〇四年度予算案でも子育て支援は重要課題に位置付けられ、大幅に拡充されることになりました。児童手当の小学校三年生までの拡大や、保育所待機児童ゼロを推進するため新たに五万人の保育所受入れを増やす、小児救急電話相談を始めとする小児医療体制の整備、不妊治療の経済支援制度がスタートするなど、様々な支援策が盛り込まれております。また、共働き家庭だけでなく、専業主婦の方からも要望が強かった幼稚園での預かり保育が大幅に拡充され、早朝や夜間、休日、長期休暇中などにいつでも安心して子供を預けられるようになります。
 今後とも、国、地域、企業等が協力し、子育てが楽しい社会を実現するために、更なるきめ細かな支援策を粘り強く行う必要があります。特に、育児休業、介護休業の対象労働者の拡大や、保育所に入所できないなど特別の事情がある場合に一定期間育児休業の延長を認めること、また子の看護休暇の権利化などを盛り込んだ育児・介護休業制度の改善が強く求められていますが、いかがでしょうか。厚生労働大臣にお尋ねいたします。
 次に、自閉症やADHD、LDなどの発達障害や知的障害、さらに、近年大きな問題になっている引きこもりなどへの支援について伺います。
 これらの支援について、日本は欧米に比べ十年以上後れていると言われております。先日、引きこもりの青年たちの支援に取り組む民間のグループホームを視察いたしました。そこでは、長く引きこもりだった青年が多くの人に支えられながら仕事をして収入を得たり、次のステップを目指して学校に通い始めるなど、大きな成果を上げております。その献身的な取組に頭が下がる思いでした。発達障害や引きこもりの子供たちが将来、社会で自立して生活できるよう、国として、専門家や民間の力をかりながら、早期発見、相談支援、教育支援、生活支援、就労支援など、省庁の壁を乗り越えて幅広い横断的な支援に取り組む必要があります。
 これらの支援について、厚生労働大臣の御所見を伺います。
 次に、医療、保健関連について四点伺います。
 白血病や再生不良性貧血等の有効な治療法である骨髄移植及び臍帯血移植の推進を我が党としてこれまで全力を挙げてまいりました。おかげさまで移植件数も増え、多くの白血病等の患者さんの命が救われるようになりました。一方で、それぞれのバンク事業の財政状況が厳しく、このままでは患者さんへの負担増につながりかねません。骨髄液、臍帯血そのものへの医療保険の適用など、国としてバンク及び患者さん等への支援体制を強化すべきと考えますが、厚生労働大臣のお考えを伺います。
 次に、乳がんは死亡率及び患者さんの数が年々増え、今や女性の三十人に一人がかかる病気となっています。現在の問診及び視診並びに触診による検診では、どうしても見落とされるケースが多いと言われております。マンモグラフィー検診によれば、より正確に乳がんの発見が可能ですが、これを実施している市町村は全国で五割に満たない状況にあります。また、乳がんにかかる年代は四十歳代に最も多いという結果が報告されています。こうした実態も踏まえ、四十歳以上の女性を対象に市町村でマンモグラフィー検診を導入するなど、早期発見、早期治療のための検診体制の充実が急務だと考えますが、厚生労働大臣に伺います。
 次に、高齢者のインフルエンザ予防接種への公的支援については、我が党として積極的に推進してまいりました。一方で、乳幼児への予防接種には公的支援がなされておりません。乳幼児がインフルエンザにかかった場合、肺炎や急性脳症を発症する危険性も高く、また医療費負担の軽減という観点からも公的な支援が必要と考えます。あわせて、接種効果に関する研究結果を十分に踏まえながら、対象疾病の見直しなど法改正に向けた検討を行うべきと考えますが、厚生労働大臣のお考えをお聞かせください。
 次に、終末期医療措置支援及び尊厳死立法化について伺います。
 我が国においては、死期が迫ったとき、安らかに自然な死を迎えたいという本人の希望にもかかわらず、死期を延ばすだけの延命措置が多く行われております。欧米諸国では、尊厳ある死を迎えるための終末医療が充実し、さらに、死の在り方を選ぶ権利として尊厳死に関する立法が多く見られます。日本としても真剣に検討すべきときに来ているのではないかと考えますが、厚生労働大臣にお考えを伺います。
 次に、参議院選挙における格差是正について伺います。
 先般、最高裁が二〇〇一年七月の参議院選挙をめぐる判決で、最大五・〇六倍となった選挙区選挙の一票の格差について合憲と判断しました。
 しかし、十五人の裁判官のうち六人が違憲の反対意見を述べ、合憲とした九人のうち四人も、格差是正の措置を取らずに漫然と今の状況が続いたまま次の選挙が行われれば、違憲判断をする余地があると指摘しています。そこで、我が党の草川参議院会長らが倉田参議院議長に早急に各会派の代表者による協議会を開くよう、要請したところであります。
 この議会制民主主義の根幹にかかわる格差是正の問題について、総理の御見解を伺います。
 最後に、教育について伺います。
 発展途上国や難民キャンプなどを訪ねると、どんな劣悪な環境下にあっても、子供たちは勉強したい、学校に通いたい、学校が楽しいと、ひとみを輝かせて語ってくれます。教育は知識を教え込むというより本来子供たちが持っている学習への意欲を動機付ける、正に子供の心に灯をともすことが大切です。そのために我が党は、セカンドスクールや職業、ボランティアなどの体験学習を推進してまいりました。自然体験や自らの行動が社会に役立っていると実感する経験は子供たちの自信となり、心の成長の確かな礎となります。また、様々な職業を知り、実際に体験することで将来の夢や希望がはぐくまれ、それが学習に反映されることは間違いありません。
 また、我が党が強力に推進してきた子ども読書運動が大きな広がりを見せており、朝の十分間読書運動を実施している学校は一万五千校を突破しております。実施した学校から、子供たちが落ち着いていじめや暴力がなくなった、不登校がなくなったという声とともに、学習意欲が高まった、自ら学ぶ姿勢が出てきたという報告が出ています。遠回りのように見えても、子供たちの心に語り掛け、豊かな心をはぐくむことが着実な成果を生みます。国としてこれらの施策を更に支援するよう強く希望いたします。
 教育の目的について、アメリカのある大学の学長は、我々が育てるべき人間は公私にわたって信頼できる誠実な人間であると語っています。私たちが育てるべき人材は、偏狭な国家主義者や利己主義者ではなく、人々のため、社会のため、世界の平和のために貢献したいと願うような開かれた人格の人であると思います。いかなる人間を育てるかにより、国の将来が決まってまいります。正に日本の将来を決するのは教育をおいてほかにありません。国としての最重要の事業が教育と言えます。
 そこで、教育の目的についての総理の御見解と教育に掛ける総理の御決意をお伺いし、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115915254X00320040123_002

発言者: 浜四津敏子

speaker_id: 9005

日付: 2004-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議