大沢辰美の発言 (本会議)
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○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇二年度決算及び当面する重要課題について総理に質問をいたします。
改革断行予算と銘打って小泉内閣によって編成された二〇〇二年度予算は、結局は、医療費を始めとする社会保障の本格的な改悪と国民負担増に踏み出し、低迷する個人消費に冷水を浴びせたばかりか、国民の生活不安を一挙に増大させるものでした。
今、政府は、景気は着実に回復していると言っていますが、国民の実感とは大きく懸け離れています。輸出大企業などの収益が急増している一方で、国民の暮らしは、勤労者世帯の年収が小泉内閣のこの約三年間で四十三万円も落ち込み、内閣府の世論調査でも生活に不安を持つ人が史上空前の六七%にも達しています。
中小企業も依然厳しい状況にあります。兵庫県にある中兵庫信用金庫が昨年十二月に実施したアンケートでは、業績について、回復を見込んでいる企業が八・二%に対して、悪化を予想している企業が六〇・五%と、圧倒的な企業が厳しい見方をしています。
そもそも、この間の大企業の収益は、輸出の伸びと国内でリストラと下請たたきを続けた結果なのです。しかも、幾ら利益があっても、大企業は一向にリストラ、賃金の引下げをやめようとしません。これでは、政府の言うように大企業の利益が雇用、所得の増加を通じて家計に波及するはずがないではありませんか。
総理、結局、あなたの構造改革は、大企業だけを栄えさせ、国民の暮らしと中小企業を痛め付けてきただけではありませんか。総理の認識を伺います。
全国の中小業者で作っている全国商工団体連合会の調査では、昨年、売上げ、利益をともに減少している業者が七割を占めています。とりわけ今、中小零細業者にとって重い負担になっているのが消費税です。売上げが伸びず、親企業による値引きや過当競争で、今多くの中小零細業者は消費税を転嫁できずに身銭を切って納税しています。こういう現場の実態を知るならば、四月から実施しようとしている免税点の引下げや簡易課税方式の縮小は中止すべきではないでしょうか。
今大切なことは、国民の暮らしや中小企業を応援する政治に転換することです。そのこと抜きに日本経済が本当に回復に向かうことなどできないのは、もはや明らかではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
次に、小泉内閣による医療費の国民負担について質問をします。
一昨年十月に実施されました高齢者の医療費の窓口負担の大幅引上げ、続いて、昨年四月からは健康保険本人の負担を一挙に一・五倍に引き上げました。
兵庫県保険医協会が昨年秋に行ったアンケート調査によれば、健康保険本人や家族の窓口負担が増えた結果、医療機関に掛からないようにしているとか、受診回数を減らした、薬や検査を減らしてもらったなどの受診抑制をしていると回答した人が過半数に達しているのです。しかも、そのうち八割の人が今後の病状や健康について不安を感じると答えています。そして、回答者の七割余りの方が健康保険本人三割負担を二割負担に戻すよう求めています。
一昨年十二月の決算審査で私も取り上げましたけれども、慢性気管支炎などの患者が受けている在宅酸素療法の中断、高血圧症や糖尿病など、適切な治療を受けていないと重病化する危険性が高い病気の患者が受診抑制を強いられている実態です。国民に適切な医療を保障するために、サラリーマン本人への三割負担など、この間に引き上げられた医療費を元に戻すべきではありませんか。
また、昨年十月には難病医療費の自己負担が見直しされました。患者団体の調査では、六割の方が負担が増えたと答えているんです。
さらに、今年は、これまで全額公費負担だった小児慢性特定疾患の子供たちの治療費に自己負担が導入されようとしています。慢性疾患の治療は長期で継続性が求められます。小児期発症インスリン依存型糖尿病の中学生の子供さんを持つ母親は、医療費の負担は治療の中断、検査の先延ばしを引き起こしかねない、この子はインスリンがなければ生きていけないんですと訴えています。
総理、あなたは子供たちにまで命の危険を伴う痛みを押し付けるのですか。小児慢性特定疾患の治療費自己負担は直ちに中止すべきです。答弁を求めます。
今、兵庫県内で特別養護老人ホームに入所を申し込み、空きがないなどの理由で入所の順番を待っている方が延べ二万三千人以上もいます。ところが、小泉内閣のいわゆる三位一体改革で、特別養護老人ホームの建設に対する補助金が一挙に三割も削減されようとしています。この結果、自治体の整備計画は混乱しています。建設予定の事業者は計画の全面見直しを余儀なくされて、申請を取り下げざるを得ない事態まで出ているんです。順番待ちをしている待機者の家族の間にも不安が広がっています。緊急に打開策を講じる必要があります。答弁を求めます。
これらの財源には、無駄な支出にきっぱりとメスを入れれば、医療や福祉を支える財源は作ることができます。また、総理もかつては公約に掲げた道路特定財源の一般財源化など、予算の使い道を抜本的に組み替えれば、消費税の増税などしなくとも社会保障の財源を生み出すことは可能ではないですか。答弁を求めます。
最後に、自然災害の被災者に対する国の責務と支援について質問します。
一九九五年、阪神・淡路大震災で、四十六万世帯を超える住宅が全半壊し、家屋の倒壊などの地震被害によって六千四百三十三名が犠牲となりました。
被災直後にわらをもつかむ思いで災害援護資金を借りた五万六千人の被災者の半分以上がまだ返済をできていないんです。建て替えをした自宅の二重ローンが払えず、我が家を手放さざるを得ない人も出ています。災害復興公営住宅でも六十五歳以上の高齢者の世帯比率が六割を超えています。そして、その中で家賃補助が切り下げられ、家賃を払えずに強制退去させられる被災世帯も増えているんです。また、中小企業の営業を困難にしている大本に震災直後の借入れが重くのし掛かっています。
私にとって震災は昨日のことなのですと、娘さんを亡くされた母親は語っています。心も暮らしも元に戻っていないのです。これが実態です。十年目で震災の区切りどころか、大震災はいまだ終わっていないのです。必要な被災者対策を国が責任を持って続けることこそ政治の責任と役割ではありませんか。それとも総理は、被災者の苦難は既に解消しているという認識でしょうか。答弁を求めます。
阪神・淡路大震災の教訓を生かして、二度と同じ過ちを繰り返さない、このことも厳しく問われています。地震によって住宅が倒壊しなければ多くの人の命は救えたのです。また、住宅という生活の基盤を一日も早く再建することが、被災者の自立を促し、そして地域の再建を進める一番の近道なのです。ところが、政府は、個人の住宅などの私有財産には税金は入れられないというかたくなな態度に今なおしがみついています。今国会に政府が提出している被災者生活再建支援法の改正で、居住安定支援制度を創設し、支援金を増額していますけれども、肝心かなめの住宅の建て替えや補修のための直接の工事費はあえて支援の対象から外しています。どうして被災者の皆さんが一番使いたいということをわざわざ支援の対象から外すのでしょうか。このことこそ支援すべきではありませんか。
災害を未然に防止し、被害を最小限に食い止めることに政治の責任があります。総理の明快な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕