片山虎之助の発言 (本会議)
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○片山虎之助君 ただいま議題となりました平成十六年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
平成十六年度予算の内容につきましては、既に谷垣財務大臣の財政演説において説明されておりますので、これを省略させていただきます。
平成十六年度予算三案は、去る一月十九日、国会に提出され、一月二十三日、谷垣財務大臣より趣旨説明を聴取した後、衆議院からの送付を待って、三月九日より審査に入りました。
以来、本日まで審査を行ってまいりましたが、この間、三月十六日には経済・金融、年金・社会保障に関する集中審議、二十三日には外交・防衛等に関する集中審議を、また三月十八日には公聴会を、さらに二十四日及び二十五日には委嘱審査を行うとともに、予備審査中の二月十八日から二十日にかけて鹿児島県、熊本県及び大阪府、兵庫県にそれぞれ委員を派遣して現地調査を行うなど熱心な審査を行ってまいりました。
以下、質疑のうち若干につき、その要旨を御報告申し上げます。
まず、経済・財政・金融問題について、「小泉改革の成果・評価についてどのように認識しているか。景気が回復していると言われているが実感はなく、大企業や大都市の一部に限られているのではないか。円高阻止のため巨額の為替介入が行われているが、外国為替資金特別会計への影響をどう見ているか。総理が消費税の議論を封印したことは我が国財政にとって好ましくないのではないか。特別会計における積立金の実態等の情報開示を徹底していくべきではないか。金融緩和策として日銀当座預金の更なる上積みを行った意図は何か」等の質疑があり、これに対して、小泉内閣総理大臣及び関係各大臣並びに日本銀行総裁より、「最近の経済指標を見ると、明るい兆しが出てきており、「改革なくして成長なし」の改革路線の成果であると考えている。景気の回復が全体に及んでいないとの指摘は理解しており、今後は大企業の業績改善が中小企業に、大都市中心の活況が地方にも及んでいくよう改革を進めていく必要がある。平成十五年度末時点において外国為替資金特別会計が保有している資産に約七兆八千億円の評価損が生ずる見込みであるが、運用益の累計額が約二十八兆円と評価損を大きく上回っており、現段階では問題が生じているとは考えていない。任期までのあと二年半は消費税を上げる必要もないし、上げる環境にもないと判断しているが、消費税の議論を封印しているのではなく、大いに議論をしてほしいと言っている。特別会計の情報開示については、説明責任を強化する観点から所管する各省庁とも協議しながら検討を進めており、積極的に対応するとともに、あわせて国民に分かりやすい予算書等を示していきたい。日銀当座預金の上積み措置は、市場への流動性を潤沢に供給することにより、短期のみならず、より長めの金利についても押し下げ圧力を働かせ、また、景気が上向きの方向の中で、金利の急上昇を防止していこうという趣旨である」旨の答弁がありました。
次に、イラク・北朝鮮問題について、「サマワの人々が求めている経済復興支援活動に対して自衛隊では十分に対応できないのではないか。米国によるイラク占領統治は成功していないのではないか。メソポタミア湿原の復元事業に積極的に取り組むべきではないか。さきの六か国協議を踏まえ、北朝鮮の核開発問題、拉致問題に政府としてどのように対応していくのか」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係各大臣より、「自衛隊は現地の切実かつ喫緊のニーズに対応できると考えているが、経済復興支援という、より大きなニーズに対してはODA等を活用し、政府全体として取り組んでいきたい。米国のイラク統治は厳しい状況にあると認識しているが、イラクの復興を失敗させてはならず、国際社会が協力する体制を作ることが極めて重要である。メソポタミア湿原の復元事業については、イラク人が歓迎、評価し、必要とする事業について支援の手を差し伸べていくという考え方で臨みたい。二月に行われた六か国協議は期待していたとおりの成果は得られなかったが、六月の次期開催や作業部会の設置が決まるなど一定の成果が得られたと考えている。今後、北朝鮮に対して拉致問題や核開発問題について総括的、包括的に解決すべく、あらゆるルートを通じて交渉し、所期の目的を達成するよう全力を尽くしてまいりたい」旨の答弁がありました。
次に、年金制度改革問題について、「年金制度改革法案は先送りせず今国会での成立を図るべきではないか。基礎年金の水準を実質ベースで一五%もダウンさせるのは問題ではないか。年金積立金の運用についてはリスクの高い株式運用をやめるべきではないか。アルバイトやパート等の短時間労働者への厚生年金の適用を行うべきではないか。国民年金の未納対策として、確定申告時に社会保険料の支払い証明書を求めるべきではないか」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係大臣より、「提出した法案については成立させなければならない。年金法案についても各党の協力を得て、成立のため全力を尽くしていきたい。今後の年金制度を維持していくためには、負担をある程度抑えていく必要があるが、給付については削減し過ぎないよう配慮している。年金積立金の株式への運用について賛否両論があるのは事実である。専門家の意見も参考にしながら、今後は独立行政法人を作りその中で決定していきたい。短時間労働者への厚生年金の適用問題については、企業側の負担やパート労働者等の負担も考える必要があり、引き続き検討していきたい。確定申告時に社会保険料の支払い証明書を求めるべきとの提案については、真剣に検討するよう指示したい」旨の答弁がありました。
次に、国と地方の税財政改革、いわゆる三位一体の改革に関連して、「一兆円の補助金削減に対して税源移譲が不十分なのは問題ではないか。地方交付税等の大幅な削減により地方の予算編成に支障を生じているが、政府としてどう対応するのか。将来的に国税と地方税の税源配分を一対一にしていくというのは政府の統一した見解なのか。市町村合併と三位一体の改革との関係をどのように理解しているのか」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係各大臣より、「税源移譲の問題については、国と地方の歳出全体をスリム化していくという大きな要請もあり、地方での量的縮減が必要となる。事業そのものを廃止する場合には税源の移譲を行う必要がないと考えているが、まちづくり交付金等削減分の中から自主性のあるものに充当している点もある。税源の多い団体と少ない団体に差が付くことは事実であるが、地方交付税で調整していくほか、地域再生債等で弾力的な対応をしていきたい。国税と地方税の税源配分を一対一にしていくという形の閣議決定はないが、この議論が三位一体改革の出発点になったのは事実である。市町村合併については、地方の自主性を確保するため、ある程度規模を大きくしないと厳しい面がある。市町村独自で考える問題であるが、三位一体の改革と無縁とは言い切れない」旨の答弁がありました。
最後に、雇用問題に関連して、「雇用情勢は一時より良くなっていると言われているが、現状をどう認識しているか。請負や派遣が求人の大半を占めている現状は問題ではないか。フリーターの増加は我が国経済の将来に深刻な影響をもたらすおそれがあるがどう認識しているか」等の質疑があり、これに対し、小泉内閣総理大臣及び関係大臣より、「全国的に見ると、失業者数も減少し、有効求人倍率も十年ぶりに〇・七七まで回復しているが、地域格差が生じており、その原因を究明し取り組んでいく必要がある。正規社員が減少し、派遣社員が増加しているのは、時代の変化の表れであると思われるが、労働条件の改善については十分配慮する必要がある。フリーターが増加していることは必ずしもいい傾向ではない。当面の対策とともに、勤労の重要性をよく理解してもらうような教育も必要である」旨の答弁がありました。
質疑はこのほか、鳥インフルエンザ問題への対応策、児童虐待、地域再生への取組、治安対策、ドミニカ移民問題、沖縄米軍基地問題、FTAへの対応策、環境問題、医師・看護師問題、中期財政展望の妥当性、食料自給率、道路公団の民営化、司法制度改革、教育問題、デフレ脱却への対応策、不良債権問題、中小企業対策など、広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、民主党・新緑風会を代表して山根理事が反対、自由民主党及び公明党を代表して渡辺理事が賛成、日本共産党を代表して林委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
討論を終局し、採決の結果、平成十六年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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