脇雅史の発言 (予算委員会)

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○脇雅史君 一番最終的な目標といいましょうか、それは、税金を使って我々の子供、孫までも使うインフラ施設をきっちりと造っていこうと。本当にいいものを造ってほしい。見掛け上きれいにできても、本来五十年もつべきものが十年で壊れたら何にもならない。いいものを造る。
 今、良いものを安くということをよく言うんですが、良いものを安くというのは、確かにそれはあれば一番いいんです、こんないいことはありません。しかし、どこの世界に行っても良いものというのはそこそこ値段するんですね。宝石買いに行って、大きい宝石下さいと言ったらね、安く下さいと言ったら笑われますよ。いい洋服を買いに行って、もっといい洋服欲しいといって値段を安く欲しいんですがと言ったら、ばかかと言われる。
 良いものを安くというのは、それはあれば一番いいんです。まあ私に言わせれば、ほとんど無い物ねだりみたいなもんで、たまにそういうケースもある、良いものが手に入ることもある。それを目指すことは悪いことではありませんが、良いものを安くということは本質的には違うだろうと。いいものを作ろうと思ったら、それなりに手間暇掛けて、いい材料使ってしっかり作らなかったら駄目なんです。だから、良いものを安くというのは私は七夕様に書く言葉だって言ってるんです。短冊に書くんならいいんです。願いなんです。
 それはもう、いつもいつも実現できるものでない。だから言葉遣いを注意してほしいんです。良いものは適正価なんです。そのことを申し上げて、また予定価ということについても、現行法令は会計法に一本そう書いてあるだけで、余りにも私は少し硬直的だろうと思うので、これをもう少しまた今後私自身も勉強して検討していきたいと思いますが、政府の方でもよろしくお願いをしたいと思う。
 それから、公共事業の、これを市場という面から少し考えてみたいんです。この公共事業、よく市場と言われるんです、市場原理とか。これ非常におかしなものなんですね。市場と言うにはどうも市場らしくない市場。分かりやすくするために車の市場と並べて考えてみたい。それが妥当かどうかはまた意見があるんでしょうが。
 市場というのは、物を作って売る売手側、生産者と、それを買って使う消費者、買手ですね、売手と買手、生産者と消費者があって、そのやり取りの中に市場がある。それが自由な意思で自由に思うものを作って、そして自分が欲しいと思うものは買うということが自由になされて、そしてうまく回るようにというのが公正取引委員会の立場でもあるし、独禁法を使ってそれを一生懸命番人としておやりになっている。ところが、例えばトヨタや日産という生産者は、これ一生懸命考えて、市場で当たるようないい車を考えますと、当たって大当たりすることあるんですね、大もうけすることもある。当たったらヒット商品。そして、トヨタや日産や本田が一生懸命やると車の市場が広がることもあるんです。倍になったり三倍になったりもするんです。
 じゃ、翻って、我が公共事業の分野に返ってみるとどうだと。これは売手側というのは実は建設業なんですね。建設産業が売手側なんですね。道路や橋を売っていると思えばいいんですけれども。厳密に言えば役務を提供しているような格好だと思うんですけれども、そういう売手側にあるんですが、これかわいそうなことに、建設業の側は幾ら考えていいアイデアを出しても、この公共事業の分野で大当たりするということはないんです。これかわいそうなんですけれども、ないんです。幾ら考えて、みんなで幾ら知恵を出しても、来年のじゃ公共事業の市場規模が広がるかというと広がらないんです。何も影響力持っていないんですね。つまり、ここの部分は予算で決まるんですから。市場原理ではない、予算で規模が決まっちゃう。だから、それだけでもやや妙な市場なんですね。
 消費者がどうかというと、公共事業の消費者、これ、実はお金を出して買う人というのが消費者なんですが、これは実は発注者なんですね。国、県、市町村、この発注者という人は、自分で発注者と呼んでいますが、私は、市場という経済学の目で見たら物を買っている立場、消費者なんですね。この消費者は非常に変わっていまして、消費者マインドを持っていないというか、本来の消費者としてのパフォーマンスをしない。本来の消費者というのは欲しいものを買うんです。もう私はトヨタしか買わない、ウイスキーはニッカしか買わないとか、いろんな人がいるんです。欲しいから買っちゃう。ところが、そういうことは自ら戒めていまして、同じ業者から二度続けて買ってはいけないなんと言っているわけですから、ちょっと消費者としての、普通の消費者とは少し違う。
 そしてまた、この消費者のすごいところは、国、県、市町村は税金使って仕事をしていますから、自らが損をしてはいけない。損をしたら国民の損になるからこれは何としてでも保護しなければいけないということで、国だったら自分で法律作って保護するわけですね。すごい消費者なんですよ、絶対損しないぞと。会社がつぶれようが何しようが、必ず取り返せるように様々な保障制度を用意している。そういうすごい消費者なんですね。
 しかも、これは当たり前のことなんですけれども、発注者ですから、来月工事出すぞということを自分でおっしゃるわけですよ、発注者はね。トンネル工事を、工期は何ぼで幾らで出すぞということをおっしゃる。しかし、よく考えてみたら、普通の市場で製品を出すぞという人、値段を決める人、性能を決める人はだれかといえば、本来、普通はトヨタや日産、生産者がやることなんですね。これ不思議なことなんです。消費者でありながらやる。
 公共事業の生産者というのは、結局何の力もないんです。全く弱い。それが現実なんで、私は、ほかの分野と、いろんな分野の市場と比べると、公共事業の市場というのは随分変なものだなと。本来の消費者がいないんじゃないか。国、県、市町村は消費者としての本来のパフォーマンスをしない、しかも市場規模が予算で決まる、これだけをもってしてもほかの市場とは少し違うんじゃないかと思うんですが、この辺、公取、どうでしょうか。

発言情報

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発言者: 脇雅史

speaker_id: 16090

日付: 2004-03-22

院: 参議院

会議名: 予算委員会