脇雅史の発言 (予算委員会)
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○脇雅史君 それで、消費者保護、事業者の保護ということも入るということですけれども、そういう意味で考えますと、本来は消費者をなぜ保護するかというと、弱いから保護するんですね。
この公共事業の分野は発注者、これが実は消費者なんですね。売手側が、これが事業者、建設業。強さを比べると、圧倒的に発注者が強いんです。さっき申し上げたように、すべて自分で権限がある。対等契約なんてあり得ないんです。独占的に仕事も持っているわけだし、すべて自分で決めますから。
今、これを悪い一例、例えば悪代官がこの公共事業の発注者になると大変なことが起こるんです。これ現場で起こっていることなんですが、皆さん方、よく現場で起こっていることを見てほしい、何が起こっているか。仕事を請け負いますと、全く弱い立場なんです。
ある場面では、設計変更して余計にお金が掛かって、変更したお金を精算してくださいというと、予算がないから駄目だと、平気で踏み倒される。裁判すりゃ勝てるけれども、どの会社も裁判できない。裁判している間に、裁判勝っても会社つぶれちゃう。みんな泣き寝入りですよ。どこかの県でダムを勝手にやめても、違約金すら取れないし、訴訟も起こせない。あちこちでそういうことが起こっている。
どこかで歩道橋が落っこった。歩道橋が落っこってどうした。それは本来コンサルの責任なんだけれども、コンサルに瑕疵担保取るのを忘れていたから、ほかの同じ工区が、同じ工事をしている工区があるところの工事施工者はそれをやらされているんです。何でそんなものをやっているんだと言うんですけれども、言われたらやらざるを得ない。言うとおり造ったのに、何で更にお金を作って補強しなくちゃいけないんだ。それが現実に行われているんです。これが何で公正取引なんです。強い者と弱い者をしっかり見てほしい。
本来、独禁法という法律は弱者を守る、弱い消費者を守る法律なんだ。公共事業の分野ではこれ以上ないほど強い国、県、市町村という発注者を守って、何の権限もない建設業をいじめてどうするんだと、弱い者いじめ。
私は、それを競争をするなとかなんとかそんなことを言っているんじゃない。国民のために税金を使っていいものをしっかり残してほしい、そのために健全な業者を残すためにどうしたらいいかと。今ある法律をただ単に運用していけばいい結果が出るとは限らない、そのことを申し上げている。
実は、余りもう時間がないんでちょっと申し上げますと、この独禁法のガイドブックというのが実はある。これ公取委員会がお作りになったもの。
ちょっと最後読ませていただきますが、
私たちは、働くことにより生産活動に加わり、いろいろな商品やサービスを作り出しています。そして、すべての人々が消費者として生活に必要な商品やサービスを購入しています。私たちは、この生産と消費を効率的に結ぶ経済の仕組みを考えなければなりません。生産が私たちの必要とするものを作り出すことである以上、限られた資源と労働力を用いて、私たちの望むものができるだけ良質で安価に多く生産されるのが、最も効率的な経済ということになります。
そのために、私たちの経済社会では、国や政府が何をどれだけ生産するかを決めて命令するというようなことはなく、多数の企業がそれぞれ独自に判断して生産を行います。そして、企業はその商品が消費者に購入されることを目指して競争し、消費者は品質が良く値段も安いものを選ぶように努めます。
こう書いてあるんですが、ここ面白いですよね、「私たちの経済社会では、国や政府が何をどれだけ生産するかを決めて命令するというようなことはなく、」と。公共事業はそれをやっているんですよ。
だから、これだけ見ても、本来の独禁法の精神と公共事業の分野とは非常になじみにくいものだと。だから、法律の趣旨を生かしていろいろ工夫をしていただくことは結構です。しかし、そのまま適用すればいいというものではないということは明らかなんです。だから、本当の意味で国民の利益につながるように、いい仕事をするいい業者がしっかりと生き残れるように、そういうことを発注者もそして市場の番人である公正取引委員会も会計検査院も心して見てほしい。今のままいったら悪貨が良貨を駆逐しているんですということを申し上げて、終わらせていただきます。