保岡興治の発言 (憲法調査会)
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○保岡委員 私も、今度の海外視察は大変貴重な経験でございました。中山団長を初め同僚議員、この視察をお支えいただいて頑張っていただいた関係の皆様に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
団長が触れていただきましたように、私は、SIPRIのベイルズ所長の、ヨーロッパ人から見た、アジアの安全保障における、あるいは世界の安全保障に関する我が国の立場についての見解に、非常に強い印象を受けました。
これは、御報告にもございますとおり、我が国が平和憲法という平和主義を堅持して軍事的な安全保障の対応を抑制的に非常に考えてきたことについては高い評価をされておりましたし、日本がこのところ世界で行っております、自衛隊等による平和維持活動などに見られる、その他、紛争の予防あるいは平和の回復、確保についての貢献を非常に高く評価されておられました。せんだって公述人の猪口邦子さんから伺ったことともあわせて、我が国の平和主義を今後やはり充実発展させる形で憲法改正を考えていかなきゃならないと、強い印象を持った次第でございます。
さらに、そのときに述べられました、世界の安全保障の環境が大きく変わってきている、特にアメリカが、他の国の領土を守るというようなことから、国際的な広がりを持つ、内外を問わず危機にさらされる可能性のあるテロに対して機動的に対応するという点を重視した世界の軍事展開の考え方を変えてきていることについての意見に触れて、ヨーロッパでもそうであるが、アジアにおいても同じではないか。したがって、ヨーロッパやアジアの民主主義国家は、もはや今までのようにアメリカに頼ることはできず、自分たちの安全保障政策を再構築しなきゃならないということが、非常に私は大事だなと、同感の思いをいたしました。
もちろん、我が国は当然のことながら、自衛のために軍事力を持つというのは、これはもう当然のことだと私は思っておりますが、それも、専守防衛ということであれば、すきのない、しっかり自国で防衛できる体制というものはどうあるべきかというのをしっかり議論するということが大前提であり、さらに、仙谷議員が触れられましたように、主権の移譲や共同行使という形で地域の安全保障システムをつくるというようなことに関して、将来、発展的に将来像を描いて進んでいくためには、やはり自国のしっかりした防衛体制というものをきちっとするということが大前提。さらに、世界の平和を守り、回復し、あるいは紛争の予防をするために危険が伴う、実力によるそういったものに対する侵害がある。この危機管理に対して、我が国が自衛隊等の実力行使によってどうこれを管理し、対応するかということの基本をしっかりしなければならないということを強く感じました。
アジアの将来像についてしっかり議論をして、アジアの国民のために何が大事かということを考えて、あるいは世界の人々に対して何が大切かを考えて、将来像に沿った、しっかりした危機管理の構想を我が国が憲法にうたうことは必然のことだ。
そのことは、EU憲法条約を構築した際に一番その原動力になったのは、EU市民のための幸福増進、恒久平和、フランスとドイツがあれだけ戦いを繰り返し、いろいろ大陸で繰り広げた過去の戦争を乗り越えて、このEUの平和構築を最高の理念にして、あるいはEU市民の人権を守るために新たなこういった条約を結んだという歴史的な事実については、大変我々も、将来、我が国のあり方として参考にしていかなければならないと強く感じた次第であります。