辻惠の発言 (憲法調査会)
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○辻委員 民主党・無所属クラブの辻惠でございます。
三点、申し上げたいと思います。
一点目。先ほど葉梨委員が、新聞の世論調査等で六割が改正に賛成だという引用をされましたが、新聞の世論調査というのは非常に、アンケート調査ですか、断片的で、系統的ではないんですね。
例えば、新しい人権が必要だということで問われれば、それはそういうものもつけ加えていいかもしれない。今の司法権が本当に十全に機能しているかということについては、やはり憲法裁判所的なものも必要かもしれない。そういう意味においては改正の余地がある、そういう意見はいろいろいろいろ出てくるわけであります。ですから、それの総和として六割を達したから、だから憲法改正すべきだという話とは、また全然別の話であるというふうに思います。
私は、憲法改正の問題をどうプログラムとして政治過程にのせるのかというのは、ある種、一種の政治的な選択の問題でありまして、現段階でそのことを政治的な過程に上せるべきではない、まだ熟していないというふうに私は考えております。これが一点。
それから二点目は、保岡委員が、国政については、これは間接民主主義で、憲法上規定されるものに限定されるような御趣旨の発言をされ、また、地方政治についても、その目的とか効果を限定して住民投票というものを、これもまた限定的に解されているというふうに思います。これは、どうも直接民主的な要素を自由民主党の方々は恐れているのではないかというふうに思えてなりません。
自民党の方々の研究会のいろいろな議論についてホームページで拝見させていただくと、例えば、九十二条の地方自治の本旨の点に関しては、住民自治、団体自治を挙げて、住民自治の要素が非常に最近強くなって、これはよくない、団体自治を強調すべきだというようなことをおっしゃっております。
私は、やはり今の間接民主制がいろいろな意味で、田中委員もおっしゃいましたけれども、価値観が多様化する中で、いろいろなニーズを、いろいろな意見を反映させていくために、直接民主的要素を、やはりこれはいろいろなシステムを考えていかなければいけないということがありますけれども、導入する方向で制度改正をしていくべきだというふうに考えております。
そういう意味で、きょうの議題である国民投票制度、そして、地方政治における住民投票制度ということの有用性、有効性ということをもっともっときちっと考えていかなければならないものというふうに思います。
三点目に、非常に、自民党の中の論議の経過を見てみますと、地方自治についても、九十二条の地方自治の本旨から外れて、住民自治、団体自治が本質だと言われているのに、団体自治を強調するということ。そしてまた、前文の理解についても、日本の国柄ということで、非常に、きょう、太田委員が権利と義務の問題について、やはり国家と国民とは対立的な存在なんだから、基本的にはその憲法の立憲主義の建前ということはまず前提に理解すべきだというようなことをおっしゃったと思うのですけれども、それとは外れた議論がどうも自民党の中でなされている。非常に国柄を強調して、前文、そして権利義務の面については、義務、責務をうたい込まなければいけない。そして、九条の問題についても、今までの憲法論議、国会での論議を踏まえた議論が果たして自民党内でなされているのかどうなのか。
自民党の側が、国民投票に憲法改正を、今の理論的な水準の状況でおかけになるとすれば、これは非常に国民からしっぺ返しを得るに違いないということを、老婆心ながら最後に申し上げておきたいと思います。