永岡洋治の発言 (憲法調査会)
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○永岡委員 私は、国民投票そのものについてではなくて、これまでもいろいろ議論がありましたけれども、九十六条の改正手続について若干コメントさせていただきたいと思います。
この憲法調査会で全条文、前文について検討を進めているわけでありますけれども、やはりこの改正手続が不明確である、そして改正手続がかなり厳し過ぎるということが、国民的観点から見ますと、本当に憲法改正について与野党ともに、いろいろ立場はありますけれども、議論をしているのかどうかということで、骨身にしみた感じで国民各位が受けとめていない面があるんではないかと思います。
憲法改正にかかわる手続規定が現実的であるかどうか、これは非常に重要な問題でありまして、憲法制定後一度も憲法改正のもちろん実績はないわけでありましたけれども、その大きな理由が改正手続が厳し過ぎるということにあるのではないかと思っております。
アメリカの専門誌であるアメリカン・ポリティカル・サイエンス・レビューという雑誌がありますけれども、ここでヒューストン大学のドナルド・S・ルーツという教授が研究をしておりまして、主要国の憲法の硬性度というのを出しております。世界三十二カ国について調査をしておりますが、日本は、その上位五位、つまり五番目に改正が難しい国になっておるわけであります。主要国で改正がないのは我が国だけでありまして、アメリカ六回、カナダが十八回、これは一九四五年から二〇〇三年までのデータでありますけれども、フランス十九回、ドイツに至っては五十一回改正をしております。
現行憲法の九十六条は、定数の三分の二、各議院三分の二の発議、こう書いてあるわけでありますけれども、これは裏を返すと、三分の一が反対をすれば国民の意思にかかわらず発議ができない、極めて硬直的な規定になっているということで、国民の側から見ますと、冒頭申し上げたとおり、憲法改正の現実性がないという意識を強く持たせているのではないかと思います。
改正発議の可能性はほとんどないという前提のもとで憲法論議を繰り返していること自体について、非常に大きな疑問を持っているわけでございまして、憲法改正を論議する最重要課題として、やはりこの改正手続の改正を先行させて議論をして、そこを改正していくということについて、我々はもっと真剣に取り組むべきではないかなと思っております。
私としては、いろいろ考え方はありますけれども、発案者そのものも今の憲法では明確になっていないわけでありまして、この発案者がだれなのかということを、これは法律上明確にする必要がまずあると思いますし、憲法上の要件につきましても、私は、各議院の三分の二以上の出席により、出席議員の過半数の賛成で国会が発議し、国民に提案をし承認を得るということでいいのではないかと思っております。
そしてまた、国民投票法におきましても、自民党内においていろいろ投票法案につきまして検討はされているわけでありますが、やはりこの投票法案についても、できるだけ早い機会に具体化をして、その態勢ありということを国民に示していく責任が国会にある、こういうふうに考えております。
以上でございます。