葉梨康弘の発言 (文部科学委員会)

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○葉梨委員 おはようございます。自由民主党の葉梨康弘です。中野委員に引き続き質問をさせていただきます。
 今、中野委員の方からも、義務教育についての問題については詳細御議論があったところですけれども、私自身も、地方の裁量の拡大によるローカルオプティマムの実現、しかしながら、国においてしっかりとナショナルミニマムを確保していかなければいけない、そういう観点から改革を進めていかなければいけないというふうに考えております。
 今資料をお配りしているものがございます。先にその一枚目の方を見ていただきたいんです。本日、この観点についての議論は少し見方を変えまして、各都道府県においても、それぞれ都道府県の県庁、本部、それから教育委員会、それから公安委員会ということで、教育と公安、治安というのがパラレルの関係にございます。そして、教育制度、この左側の部分につきましては、まさに文部科学大臣初め皆さんには、文部科学省の方々には釈迦に説法ということになろうかと思うんですが、この右側の治安制度の面については、まだ多少私の方が一日の長があるのかなと。
 といいますのは、私は十七年間、警察庁というところに勤めておりました。そして、昭和五十八年には、戦後第三のピークと言われた少年非行に対処するための風俗営業法の改正、それから昭和六十三年には、昭和から平成にかかる時期、学童の安全確保などに当たる交番、これを持っております外勤課の課長補佐として、そして、平成九年には神戸の連続児童殺傷事件等ございましたけれども、その当時は少年事件の捜査あるいは少年の保護に当たる警察庁の少年課の理事官として、計約六年強にわたって少年問題に携わってきたという経緯がございます。
 ちょっと資料を、特に右側を説明させていただきたいと思うんです。
 戦前期、もう簡単に申し上げますけれども、経費の負担面等から見ていきますと、経費の負担については、戦前も義務教育の国庫負担という制度があったということはまさに釈迦に説法だと思いますが、警察においては都道府県の負担とされていました。ただし、戦前においては、教育についても治安についても、教員それから警察官の任命権は国、国の機関たる都道府県知事、これが持っておりまして、言ってみたら国家の関与が極めて強かったということが言えるかと思います。
 そして、占領期の改革というのは何が起こったかということなんですけれども、私が個人的に考えますに、まだ地方にそんなに力がないにもかかわらず、地方に移し過ぎてしまって大混乱を来してしまったというのがこの占領期の改革であったかと思います。教育基本法、教育委員会法はまあいいとしまして、シャウプ勧告、これによって教員の給与は都道府県が負担するという形になりましたけれども、実際のところは大きな教育の格差が出てしまったということは御案内のとおりだと思います。
 警察についても実は同じことが行われて、変なことが行われたんです。人口五千人以上の市町村については自治体がそれぞれ警察を持って、国は全く関与することができない、そして、その給与についても、五千人以上の市町村は大体全部自治体が持つということになりました。当初、二十二年に発足当時、これは二対一と書いてありますけれども、大体九万五千人ぐらいの警察官を自治体が抱えて、そして、五千人以下の自治体というのも幾つかございます、そこについては国の警察官が治安を守るということで、約三万人ぐらいだったというふうに聞いています。
 ところが、これは大変なことになってしまって、つまり、隣の町に行ったらお巡りさんが追っかけてくれないものですから、治安は大変悪くなりました。さらには市町村の方も、こんなんじゃ給与が負担できないということで、教育の問題と同様に大変なブーイングが全国各地から起こってきた、これが占領期の改革でございます。
 そして、昭和二十六年にサンフランシスコ講和条約において独立が回復され、当然、やはり調整、直していかなければいけないということで、教育については義務教育の国庫負担制度、これが再び復活して現在に至っている。ただ、警察については、なかなか給与を国が負担するというのは、やはり昔の特高警察のイメージなんかもあったんでしょう、そういうことじゃなくて、一般財源として都道府県に残されました。しかしながら、一般財源として残していきますと、当然のことながら、財源の保障の問題がどうなんだ、それからナショナルミニマムの確保の問題はどうなんだということが起こってきます。
 そこで、ここの紫に書いてあることなんですが、都道府県ごとの警察官の最低数を地方財政計画ではなくて政令に規定して、そしてこれを確実に地方交付税交付金の算定に反映する。あるいは、施設費、活動費などの半額補助、これは国が国庫負担します。さらに、国の公安にかかわる経費の全額国庫支弁、こういった制度が行われる。さらに、国家公安委員会に、先ほど服務の問題もありましたけれども、一般的な服務も含めて、全警察職員の活動の基準となる国家公安委員会規則の制定権を付与する、そういったような改革が行われました。
 もちろん、教育と治安というのは大きく違うと思います。また、当時とは事情も相当異なるかと思いますが、今後いろいろな形で議論するに当たっては、ナショナルミニマムを確保するという観点から、まず、義務教育に係る人的体制のミニマム水準、これをしっかり打ち出して確実に財源保障措置に反映させたり、あるいは施設整備のあり方、これを明らかにして財源保障に反映させたり、さらに教育活動のあり方についても国としての考え方を明らかにして、そして実績についてもしっかり評価する、こういったいろいろな多面的な検討が必要だと思われますけれども、文部科学省から御見解をいただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 116105124X00520041201_017

発言者: 葉梨康弘

speaker_id: 24180

日付: 2004-12-01

院: 衆議院

会議名: 文部科学委員会