文部科学委員会

2004-12-01 衆議院 全264発言

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会議録情報#0
平成十六年十二月一日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 斉藤 鉄夫君
   理事 伊藤信太郎君 理事 稲葉 大和君
   理事 中野  清君 理事 保坂  武君
   理事 奥村 展三君 理事 川内 博史君
   理事 牧  義夫君 理事 河合 正智君
      井上 信治君    小渕 優子君
      加藤 勝信君    岸田 文雄君
      小西  理君    近藤 基彦君
      左藤  章君    佐藤  勉君
      佐藤  錬君    下村 博文君
      鈴木 俊一君    鈴木 恒夫君
      西村 明宏君    葉梨 康弘君
      馳   浩君    原田 令嗣君
      古屋 圭司君    保利 耕輔君
      御法川信英君    山際大志郎君
      青木  愛君    岡本 充功君
      城井  崇君    楠田 大蔵君
      小宮山泰子君    須藤  浩君
      高井 美穂君    武山百合子君
      達増 拓也君    長島 昭久君
      肥田美代子君    松本 大輔君
      笠  浩史君    池坊 保子君
      石井 郁子君    横光 克彦君
    …………………………………
   文部科学大臣       中山 成彬君
   文部科学副大臣      塩谷  立君
   財務大臣政務官      倉田 雅年君
   文部科学大臣政務官    下村 博文君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   山本信一郎君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 梅本 和義君
   政府参考人
   (外務省大臣官房国際社会協力部長)        石川  薫君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   松元  崇君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 白川 哲久君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         玉井日出夫君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          田中壮一郎君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          銭谷 眞美君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            石川  明君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         金森 越哉君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青少年局長)        素川 富司君
   政府参考人
   (文部科学省国際統括官) 井上 正幸君
   文部科学委員会専門員   崎谷 康文君
    —————————————
委員の異動
十二月一日
 辞任         補欠選任
  小渕 優子君     小西  理君
  加藤 勝信君     御法川信英君
  加藤 紘一君     佐藤  勉君
  鈴木 俊一君     左藤  章君
  西村 明宏君     井上 信治君
  加藤 尚彦君     小宮山泰子君
  古賀 一成君     楠田 大蔵君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 信治君     西村 明宏君
  小西  理君     小渕 優子君
  左藤  章君     鈴木 俊一君
  佐藤  勉君     加藤 紘一君
  御法川信英君     原田 令嗣君
  楠田 大蔵君     古賀 一成君
  小宮山泰子君     岡本 充功君
同日
 辞任         補欠選任
  原田 令嗣君     加藤 勝信君
  岡本 充功君     加藤 尚彦君
    —————————————
十一月十六日
 父母・学生の負担軽減と私立大学の充実に関する請願(城井崇君紹介)(第一五七号)
 同(牧義夫君紹介)(第一五八号)
 同(城井崇君紹介)(第一六七号)
 同(川内博史君紹介)(第一七五号)
 同(横光克彦君紹介)(第一七六号)
 同(小林千代美君紹介)(第二二九号)
 同(肥田美代子君紹介)(第二九二号)
 父母・学生の負担軽減、私立大学の充実に関する請願(城井崇君紹介)(第一五九号)
 同(小林千代美君紹介)(第一六〇号)
 同(川内博史君紹介)(第一七三号)
 同(横光克彦君紹介)(第一七四号)
 同(肥田美代子君紹介)(第二九一号)
 子供たちの多様な体験学習や奉仕活動等に取り組む環境整備に関する請願(西田猛君紹介)(第一六六号)
 同(下条みつ君紹介)(第一七七号)
 同(前原誠司君紹介)(第二三〇号)
 同(坂本哲志君紹介)(第二五五号)
 義務教育費国庫負担制度堅持、文教予算の充実、人材確保法堅持・教育専門職としての教職員の待遇改善に関する請願(遠藤利明君紹介)(第二六九号)
同月二十六日
 子供たちの多様な体験学習や奉仕活動等に取り組む環境整備に関する請願(達増拓也君紹介)(第三五六号)
 同(松野頼久君紹介)(第三九七号)
 同(園田博之君紹介)(第四四九号)
 父母・学生の負担軽減、私立大学の充実に関する請願(池坊保子君紹介)(第四三七号)
 同(高井美穂君紹介)(第四六三号)
 父母・学生の負担軽減と私立大学の充実に関する請願(池坊保子君紹介)(第四三八号)
 同(高井美穂君紹介)(第四六四号)
 私学助成の大幅拡充、三十人学級の早期実現、教育費の父母負担軽減に関する請願(坂本哲志君紹介)(第四四七号)
 同(松野信夫君紹介)(第四四八号)
 同(林田彪君紹介)(第四五三号)
 同(西川京子君紹介)(第四六五号)
 同(野田毅君紹介)(第四六六号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第四九〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四九一号)
 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(和田隆志君紹介)(第四五二号)
 同(城井崇君紹介)(第四九二号)
 同(古賀一成君紹介)(第四九三号)
 同(手塚仁雄君紹介)(第四九四号)
 同(楢崎欣弥君紹介)(第四九五号)
 同(西村智奈美君紹介)(第四九六号)
 同(藤田一枝君紹介)(第四九七号)
 同(横路孝弘君紹介)(第四九八号)
 同(横光克彦君紹介)(第四九九号)
 私立学校の保護者負担軽減、教育環境改善のための私学助成充実に関する請願(石崎岳君紹介)(第四八四号)
 すべての子供に行き届いた教育を進め、心の通う学校に関する請願(市村浩一郎君紹介)(第四八五号)
 同(梶原康弘君紹介)(第四八六号)
 豊かな私学教育の実現のための私学助成等に関する請願(荒井聰君紹介)(第四八七号)
 同(鉢呂吉雄君紹介)(第四八八号)
 同(横路孝弘君紹介)(第四八九号)
同月二十九日
 すべての子供に行き届いた教育を進めることに関する請願(浜田靖一君紹介)(第五二四号)
 同(田嶋要君紹介)(第九一三号)
 父母・学生の負担軽減と私立大学の充実に関する請願(小林千代美君紹介)(第五二五号)
 同(渡海紀三朗君紹介)(第五八三号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第八九五号)
 同(石井郁子君紹介)(第八九六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八九七号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第八九八号)
 同(志位和夫君紹介)(第八九九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第九〇〇号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第九〇一号)
 同(山口富男君紹介)(第九〇二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第九〇三号)
 同(笠浩史君紹介)(第九〇四号)
 私学助成の大幅拡充、三十人学級の早期実現、教育費の父母負担軽減に関する請願(江田康幸君紹介)(第五二六号)
 同(松野頼久君紹介)(第五八五号)
 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(青木愛君紹介)(第五二七号)
 同(江田康幸君紹介)(第五二八号)
 同(海江田万里君紹介)(第五二九号)
 同(城島正光君紹介)(第五三〇号)
 同(松本大輔君紹介)(第五三一号)
 同(松本龍君紹介)(第五三二号)
 同(村越祐民君紹介)(第五三三号)
 同(高木陽介君紹介)(第五八六号)
 同(東順治君紹介)(第五八七号)
 同(松原仁君紹介)(第五八八号)
 同(佐藤公治君紹介)(第六三四号)
 同(藤田幸久君紹介)(第六三五号)
 同(水野賢一君紹介)(第六三六号)
 同(井上和雄君紹介)(第九〇五号)
 同外一件(池坊保子君紹介)(第九〇六号)
 同(菅直人君紹介)(第九〇七号)
 同(北橋健治君紹介)(第九〇八号)
 同(楠田大蔵君紹介)(第九〇九号)
 同(小宮山洋子君紹介)(第九一〇号)
 豊かな私学教育の実現のための私学助成等に関する請願(小林千代美君紹介)(第五三四号)
 同(三井辨雄君紹介)(第五三五号)
 同(金田誠一君紹介)(第五九一号)
 同外二件(佐々木秀典君紹介)(第五九二号)
 同(丸谷佳織君紹介)(第五九三号)
 父母・学生の負担軽減、私立大学の充実に関する請願(渡海紀三朗君紹介)(第五八二号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第八八五号)
 同(石井郁子君紹介)(第八八六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八八七号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第八八八号)
 同(志位和夫君紹介)(第八八九号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第八九〇号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第八九一号)
 同(山口富男君紹介)(第八九二号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八九三号)
 同(笠浩史君紹介)(第八九四号)
 子供たちの多様な体験学習や奉仕活動等に取り組む環境整備に関する請願(福島豊君紹介)(第五八四号)
 すべての子供に行き届いた教育を進め、心の通う学校に関する請願(渡海紀三朗君紹介)(第五八九号)
 同(松本剛明君紹介)(第五九〇号)
 同(赤松正雄君紹介)(第九一一号)
 同(石井一君紹介)(第九一二号)
 学校事務職員・学校栄養職員等の定数改善と給与費等半額国庫負担の拡充に関する請願(阿部知子君紹介)(第八六七号)
 同(石井郁子君紹介)(第八六八号)
 同(岩國哲人君紹介)(第八六九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第八七〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第八七一号)
 同(田嶋要君紹介)(第八七二号)
 同(東門美津子君紹介)(第八七三号)
 同(中津川博郷君紹介)(第八七四号)
 同(中根康浩君紹介)(第八七五号)
 同(中村哲治君紹介)(第八七六号)
 同(永田寿康君紹介)(第八七七号)
 同(古川元久君紹介)(第八七八号)
 同(前田雄吉君紹介)(第八七九号)
 同(牧義夫君紹介)(第八八〇号)
 同(横光克彦君紹介)(第八八一号)
 同(吉井英勝君紹介)(第八八二号)
 同(笠浩史君紹介)(第八八三号)
 義務教育費国庫負担制度の維持に関する請願(阿部知子君紹介)(第八八四号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ————◇—————
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斉藤鉄夫#1
○斉藤委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官山本信一郎君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、外務省大臣官房参事官梅本和義君、大臣官房国際社会協力部長石川薫君、財務省主計局次長松元崇君、文部科学省大臣官房長白川哲久君、大臣官房総括審議官玉井日出夫君、生涯学習政策局長田中壮一郎君、初等中等教育局長銭谷眞美君、高等教育局長石川明君、高等教育局私学部長金森越哉君、スポーツ・青少年局長素川富司君及び国際統括官井上正幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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斉藤鉄夫#2
○斉藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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斉藤鉄夫#3
○斉藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中野清君。
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中野清#4
○中野(清)委員 自由民主党の中野清でございます。
 中山大臣は、大臣就任後、意欲的に行動されて、特に義務教育国庫負担制度のあり方につきましては、教育本来のあり方を求めての御努力に、私は敬意を表しております。
 さて、義務教育国庫負担金の取り扱いでございますが、去る二十六日の政府・与党協議会において決定された三位一体の改革の今後の工程におきまして、一、制度の根幹を維持し、国の責任を引き続き堅持する、その方針のもとで、費用負担についての地方案を生かす方策を検討し、また教育水準の維持向上を含む義務教育のあり方について幅広く検討することとし、こうした問題については平成十七年秋までに中教審において結論を得る、また、中教審の結論が出るまでの平成十七年度予算については暫定措置を講ずるものとし、四千二百五十億円を削減し、平成十八年までに義務教育国庫負担金を八千五百億円削減することが決定されました。
 私は、この三位一体の取りまとめに当たっての関係者の皆さんの御努力には敬意を表したいと考えてはおりますが、暫定的な措置としてでも平成十七年度に四千二百五十億円を削減するということは、初めから削減ありきではということでありまして、中教審の審議が形骸化をし、無意味になると恐れているものであります。
 仮に中教審が削減に反対の結論を出した場合には、では、十八年度の四千二百五十億円の削減は取りやめるのか、十七年度については復活の可能性があるんだろうかということが言えます。また反対に、このまま推移して、義務教育は地方が責任を持って執行するという事態も考えられるわけですね。
 私は、大臣に、暫定という意味を含めまして今回の合意内容をどのように評価し理解しているか、まずお伺いをしたい。
 それからもう一点は、私は、義務教育というのは憲法の定めるところによって国民としての必要な基礎知識を得させる、つまり、教育の機会均等の確保と全国的な教育水準の維持向上を図ることが義務教育に対する国の重要な責務であると考えておる一人であります。諸外国に目を転じますれば、韓国やフランスなどは全額国庫負担になっておりますし、イギリスなども、最近、七五%から一〇〇%に引き上げようという動きがあるということも御承知のとおりです。
 今、この問題について、中教審のあれは別にしまして、例えば、有馬さんとか小柴先生とかという研究者とか、または全国の都道府県の議会とか市町村議会、それからまたPTAの皆さんとか、そういう皆さんから、この義務教育の国庫負担を堅持すべきだという決議や意見が出ております。私も当然と考えていますけれども、この点について、とりあえず大臣の御見解をお伺いいたします。簡単で結構です。
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中山成彬#5
○中山国務大臣 中野委員にお答えいたします。
 この義務教育費国庫負担制度の論議に当たりましては、中野委員初めこの委員会の皆様方、与野党を通じて、堅持すべしということでいろいろと御支援、御激励をいただきましたことにつきましては、まずもって御礼を申し上げたいと思うわけでございます。
 今中野委員が読み上げられましたように、政府・与党の合意によりまして、この義務教育費国庫負担制度につきましては、十七年度に四千二百五十億、十八年度に同じく四千二百五十億、トータルで八千五百億円の減額ということになっておりますが、これはあくまで暫定ということになったわけでございます。
 このことにつきましては、本当に、私が大臣になりましたときには、相撲で例えて言いますと、土俵際まで追い込まれて、まさに中央教育審議会という徳俵に足がかかって、そこから押し返すことができた、このように評価しているわけでございます。そういう意味では、本当に、中央教育審議会で今後議論していただくということになるわけでございまして、その結果いかんによりましては、十八年度以降、国庫負担金として全額が復活する可能性もあるんだ、このように認識しているわけでございまして、そのように認識しているということを御理解いただきたいと思います。
 また、韓国とかフランスなど多くの国で全額国が負担している、これもそのとおりでございます。イギリス等はむしろ全額国が持とうとしている、そういうような世界的な風潮の中で、なぜ日本だけが国の負担を減らしていくんだということも随分私は主張したわけでございますが、地方分権といいますか、補助金の改革という大きな地方の声もあったわけでございまして、このような結論になりましたが、そもそも、昭和二十八年に、日本におきましても、全額国庫負担すべきであるという義務教育学校教育職員法案が国会に提出されたこともあるというぐらいでございまして、政策上の選択肢としては全額国庫負担ということも当然あり得る、私もそういうこともあり得るんだということを協議の過程で発言したということもあるわけでございます。
 そういう意味では、この義務教育につきまして国の責任というのはしっかりあるんだというふうに認識しているところでございます。
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中野清#6
○中野(清)委員 この三位一体につきまして大臣の御意見、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 私はどちらかというと、地方にいろいろな地方分権というのは当然の流れと思っておりますけれども、どうもこの議論が、いわゆる国民的な立場、つまり納税者の立場の議論というよりも、各界各層の議論があったと思うんですよ。その中でこの国庫負担の問題がやられているのは非常に不幸だと思っておりますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 そういう意味でのいろいろな中で、実は十一月二日の産経新聞トップに、山梨県の教職員組合がことしの参議院選において、輿石候補の選挙資金として校長が三万円、教頭が二万円、一般職員が一万円を組織的に集めて、領収書も発行していないし、政治資金規正法の届け出もしていないじゃないか、政治資金規正法に抵触する可能性があると記事が出ております。
 この対応については、参議院の文科委員会で有村治子議員の質問に対して、大臣は、組織的、強制的に行われたとすれば問題であり、事実関係をしっかり把握することが大事と思うと答弁されておりますけれども、もしこういうことが事実とすれば、文科省として、その後もう一カ月たっているわけでございますから、どのように対処されてきたか、有村議員への答弁を踏まえた上で御答弁願いたい。
 このような事件はこれだけじゃなかったんですよ。九月七日の産経新聞では、神奈川県の教組委員長と川崎市の教組委員長等三人の方が、参議院選で民主党の比例候補への票の取りまとめを依頼して、見返りに現金を十五万円渡した容疑で逮捕されたということが報じられておるわけです。
 もしこれらが事実ならば、国民に信頼されて、子供たちにルールや約束を守るということを教える立場の教師、この団体のリーダーが違法行為を行い逮捕されたというのは、私はゆゆしき問題と思うんですよ。このような事態というのは二度と起こしちゃいけないわけです。私は、文科省や地方の各教育委員会が全組織を挙げて真正面から取り組む必要があると考えております。
 大臣は、この再発の防止のためにも、厳正な、しかも国民が納得できるような措置というものを早急に私は発動すべきと思いますけれども、御見解を伺いたいと思います。
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中山成彬#7
○中山国務大臣 お答えいたします。
 子供の規範となるべき教員が違法な行為を行うということは、これはもう許されないことでございまして、極めて重大な問題であると考えております。文部科学省といたしましては、これまでも国政選挙のたびごとに、教職員の選挙運動の禁止等について各教育委員会に対して通知を出すなどいたしまして、教職員の服務の確保を図ってきたところでございます。
 神奈川県の例につきましては、逮捕されたのが団体職員で、公務員ではありませんで、処分の対象になり得ないものでありましたけれども、元教員でもあり、社会的な影響等にもかんがみまして、九月八日付で各教育委員会に対しまして教職員の服務の確保について改めて通知を出しまして、指導を行ったところでございます。
 山梨県の事案につきましては、まずは早急な事実確認が必要であると考えておりますが、いずれにいたしましても、教職員の服務規律の一層の確保を図るよう、今後とも、さまざまな機会をとらえて各教育委員会に対して指導いたしますとともに、違法な行為があったら厳正な対処をするというふうに指導してまいりたいと考えております。
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中野清#8
○中野(清)委員 大臣、私ちょっと調べてみましたら、公職選挙法違反とか、それからいわゆる教育公務員特例法ですか、これに違反したというので処分されているのが、年に一人か二人なんですよ、毎年。少なくとも公立学校で八十万人以上の先生がいるわけですよ。その中で一人か二人しか出ていないということは、私は、教育委員会とか文部科学省の姿勢が真正面から取り組んでいないと思うんですが、いかがですか。
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中山成彬#9
○中山国務大臣 まさにこれは適正に対処していくべき問題である、このように考えます。
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中野清#10
○中野(清)委員 この問題については、今の御答弁では不満ですけれども、しっかりやっていただきたいということだけお願いをしたいと思います。
 次に、我が国は、戦後の過度の受験競争とか暗記ばかりの知識詰め込み教育との批判を受けまして、昭和六十年以降に臨教審の累次の答申を踏まえまして、ゆとり教育の中でみずから学び考える力など、いわゆる生きる力をはぐくむ教育が実践されまして、完全学校週五日制の実施とか授業時間数の二割削減とか教育内容の三割削減など、いわゆる子供たちにゆとり教育が行われてきたわけでありますね。ところが、一方、分数ができない大学生に代表されるような学力の低下が国を滅ぼすという教育危機論が叫ばれておるのも事実だと思うんですよ。そういう中で、今日、ゆとり教育の崩壊という声さえ聞こえております。
 これに対して、文科省の対応は、ゆとり教育が子供に与えた影響について何の検証もなく、学力向上や競争力意識の涵養とか土曜日の補習の黙認等は、文科省が今まで進めてきたゆとり教育、つまり、新学習指導要領の方向とは違った印象を受ける、悪く言えば朝令暮改と言われてもやむを得ない側面があるような気がします。
 しかしながら、十一月四日に、大臣が経済諮問会議において、「甦れ、日本!」として、危機的な日本の教育の現状を憂えて、諸改革の基盤となる人材の育成のための教育改革の重要性とその方針について明示されました。私も読ませていただきました。私はこの大臣の提言については大方賛成でありますけれども、この方針の中に、ゆとり教育に対してはどうも見直しのような要素が含まれているように思えてならないんですけれども、そういう点についてお伺いしたいと思います。
 基本的な国の教育の方向性というのは、国民に対して具体的かつ明確な形で示すべきでありまして、もしこれが政策変更となるのなら明示すべきだと思うんですよ。私は、ゆとり教育が目指すもの、ねらいが達成したかどうかの検証が必要だろうと思っておりますし、今こそ文部省がその方向性を明確にして、現場の創意工夫を生かしながら、改善のために適切な措置をする必要があるというふうに考えております。そういう立場から三点お伺いします。
 まず、平成十四年、十五年から実施されたいわゆる新学習指導要領のゆとり教育で、かえって学力が低下してしまったという指摘が各方面から出ていますけれども、実際に学力は低下したんでしょうか、それとも向上したんでしょうか。これは大臣として御認識をはっきりしていただきたいと思うんです。
 それから、二番目としましては、この新指導要領の考え方、このゆとり教育の考え方が正しいともしした場合に、例えば、小学校で三割とか中学で五割とか高校では七割、いわゆる七五三の問題と言われる学力の理解の問題。それから、それがいわゆる学習到達度とか学習意欲の低下につながっている、その問題。それから、児童生徒の問題行動というのは、いわゆるいじめとか不登校とか高校中退とか校内暴力とか学級崩壊など、これがこの教育によって解消されたのか。私は解消されていないと思いますけれども、これについて文科省としてどう考えているか、お伺いをしたい。
 それから、この検討の進路としまして、例えば文科省から「義務教育改革の内容とスケジュール」というのが出ておりますね。その中では、義務教育の到達目標の明確化、明確化ですよ、と制度の弾力化、こんな問題が、十六年に中教審で検討をして、十七年には答申を受けて、十八年に制度改正して、そして、特にその中で十八年の末までに学習指導要領の見直しを検討すると言っていますけれども、今私が言ったようないろいろな問題を考えた中で、これで間に合うのかどうか、はっきりお伺いをしたいと思うんですよ。それに対してはどうしようとするのか、この点について、まず、基本的な問題でありますから、お伺いしたいと思います。
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中山成彬#11
○中山国務大臣 幾つか御質問でございましたけれども、まず、我が国の子供たちの学力はどうか、新学習要領によりまして上がったのか下がったのかという御質問でございますが、これにつきましては、まだそれこそいわゆるゆとり教育というのが始まって間もないわけでございまして、その結果がどうなったかということを検証するにはまだ早いかと思うわけでございますけれども、今、国際的な学力調査の結果を見ますと、まだ日本の学力というのは上位に位置している。しかし、その一方で、勉強が好きだと思う子が少ない、あるいは何のために勉強するんだということなど、学習意欲は必ずしも高くないということが指摘されるわけでございますし、さらに、学校の授業以外の勉強時間が少ないということで、学習習慣が十分に身についていないというふうなことが指摘されるわけでございます。
 そこで、この新学習指導要領による教育が果たしてどのような影響を及ぼしているんだろうかということにつきましては、まだ今の段階ではっきり判断するということはいささか早いかなと思うわけでございますし、今中野委員が言われましたように、いわゆる朝令暮改になってもいけない。しかし、子供たちが受けた授業というのはその子供たちに一生ついて回るわけでございますから、それがもし間違いであったとすれば、それこそ過ちは改むるにはばかることなかれというふうな言葉もあるわけでございます。ほかのことと違いまして、この教育の問題というのは非常に大事な問題だ、こう思いますので、その辺のところは慎重に見きわめながら考えていかなければいかぬな、このように考えているということを御理解いただきたいと思います。
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塩谷立#12
○塩谷副大臣 お答え申し上げます。
 ただいま中野委員から、新学習指導要領の考え方が正しいならば、それを前提にした現状としてはさまざまな課題が多くあるのではないかという御質問でございますが、確かに、この新学習指導要領がすべて今の教育問題を解決しているとは思っておりません。
 その実行上の中で、まず学校の授業の理解度についてでございますが、これにつきましては、平成十年と平成十五年の調査を比較しますと、中学校では、授業がわかると答えた生徒が四四・二%から五一・八%に増加をしております。しかしながら、小学生、高校生には大きな変化はなかったという結果が出ております。また、学習意欲につきましては、国際学力調査の結果からは、数学や理科が好きとか、あるいは学校外の勉強時間などが国際的に見て低いレベルという結果にありますので、これは多少やはり問題があると思っております。
 また、いじめ、不登校あるいは高等学校の中退、学校暴力等の状況につきましては、これも過去五年間の状況の比較をしますと、いじめや不登校、高等学校の中途退学についてはいずれも減少をしております。しかしながら、一方、暴力行為については増加している状況があります。これは、五年前が二万九千六百七十一件だったのが、五年後、昨年は三万一千二百七十八件と増加しているところで、これも問題としてこれから取り上げていかなければならないと思っております。
 このような学校における諸問題につきましては、単に教育課程、いわゆる学習指導要領だけで改善がされるものとは思っておりませんし、その他教員の指導力あるいは学校の組織運営体制、家庭や地域の教育の状況、そういったさまざまな要因が影響していると思っておりますので、我々文部科学省としては、こうした問題を総合的に取り組み、義務教育の改革案を立案して学習指導要領の不断の見直しを進めるとともに、教職員の資質向上、学校や教育委員会の改革等に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 また、これからのいわゆる学習指導要領の見直し、検討につきまして、今鋭意進めているところでございますが、平成十四年度から順次実施している現在の新しい学習指導要領につきましては、一部に、ゆとりを過度に強調するということで現場に大分混乱を与えたような状況があって、それがまた学力に対する軽視であるということも受けとめられておりますが、そういうことを改善すべく、特に、この新しい学習指導要領については、知能、技能のみならず、学ぶ意欲や考える力等を含む確かな学力をはぐくむことを基本的なねらいとしております。
 そして、昨年五月からは、中教審において新学習指導要領の実施状況の不断の検証を進めているところでありまして、昨年十二月にはその一部改正を行って、児童生徒の学習状況等に応じて発展的な学習や補充的な学習ができることを明確化したところであります。
 また、中央教育審議会においては、ことし春から、国語や理科、英語などの各教科別の教育課程の実施状況について専門的な検討を行っているところでございます。小学校及び中学校の目的、目標のあり方、義務教育の制度の弾力化のあり方など、学校教育法の見直しに関する検討を踏まえる必要があることから、こうした点を踏まえて、平成十八年度末を審議スケジュールのめどとして考えて進めているところでございます。
 いずれにしましても、文部科学省としましては、確かな学力向上のために、少人数指導、習熟度別学習の推進、あるいは学力向上アクションプログラムを推進しているところでございまして、引き続き、新学習指導要領のねらいの実現を目指して、確かな学力の向上のために取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。
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中野清#13
○中野(清)委員 時間がございませんので、今の大臣の御答弁についても、私は、大臣なんですから、やはり現状をきちっとはっきりした方がいいと思うんです。
 今、塩谷副大臣が丁寧に答えていただきましたけれども、そのようなことをここで言ったらば、教育の専門家しかわからないんですよ、もっと国民にわかりやすく今の制度をどうするかということを言わなければ、私は、そういう意味で今の文部科学省の姿勢というのはだめだと思いますよ。しかも、さっきの義務教育の問題もそうだったんですけれども、すべて中教審にお任せして意見が決まったらこっちでやるというんじゃなくて、むしろ文科省としてちゃんとやってもらいたいということだけは申し上げたいと思います。
 時間がありませんから、実は申し上げることがいっぱいありましたけれども、その中で、例えば、大臣、あらゆる事業とか改革とか企業とか、いろいろなところでプラン・ドゥー・シーというのが当たり前なんですよ、はっきり言って。特にシー、検証ということですよ。
 ところが、今まで、学校を序列化するとか、学校の学力の都道府県ランクづけにつながるという批判があって余りやっていない。しかも、各都道府県なんかに聞いてみれば八割もやっている。だから、大臣がいつもおっしゃっているように、学力テストを全国的に実施すべきだと私は思いますけれども、どのようなテストをいつごろやるか、大臣としてお答え願いたい。
 それから、もう一点ついでに申し上げておきます。
 学力テストとは別に、例えば、小学校で身につけるべき九九や分数計算ができているかどうか。これは、小学校や中学、高校の各学校の段階での卒業試験のような学習到達度評価というのがきちんとなければ、さっき言ったシーなんてありっこないんですよ。それから、大臣がさっきおっしゃったとおり、結論も出っこない。少なくとも、OECDは今度、あれはPISAというんですか、それが今月七日に発表されるわけですよ。
 そうしますと、そういう意味で、要するに、その中で申したかったのは、文科省が、これも何か聞いてみると、ちょっとうわさですけれども、これをやるとすぐ混乱しちゃうからというので消極的だというので、少なくとも、先ほど来言ったいろいろな教育の問題、児童の問題とか学力低下の問題について真正面からぶつからなければ、これは解決なんかできっこないんですよ。いろいろな美辞麗句を言って、いろいろなことをやっている。専門家に言われれば、我々は教育なんかわからなくなっちゃう。
 だけれども、本当は国民一人一人が、はっきりと方針を明示してもらって、それについてやはりまた大臣の文科行政を支持していく、これが当たり前と思うんですけれども、いかがでしょうか。この二点についてお伺いをしたいと思います。
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中山成彬#14
○中山国務大臣 文部大臣として中央教育審議会だけに任せるな、こういうふうな話でございました。まさにそのとおり考えまして、私は、大臣に就任して間もなかったんですけれども、大臣就任前からいろいろ考えておりました日本の中における教育のあり方、これはどうすればいいんだろうか、このままでは本当に日本は弱いいわゆる東洋の老小国に、余りいい言葉かどうかわかりませんが、なってしまうという危機感のもとに、十一月四日の日には、私の考えを「甦れ、日本!」ということにまとめまして、経済財政諮問会議に提案したところでございます。
 その中におきましては、やはり頑張る子供をもっと応援する教育をやるべきじゃないかということを強く訴えたわけでございまして、そういう意味では恐る恐る言い出したんですけれども、もっと競争意識をお互いに持つような、それではちょっと強いかと思いましたので、お互いに切磋琢磨するという精神とかいろいろなことを申し上げたんですが、要するに、もっと子供たちが、よし、やるぞ、頑張るぞと意欲を持って人生を歩み出せるような、そういう教育をすることが必要ではないかということを実は提案したわけでございます。
 全国学力テストにつきましても、いろいろ御批判はあったことも承知しておりますけれども、やはりそういったテストによりまして、学習への動機づけ、あるいは教育の成果が一体どうなっているかということを適切に評価して、それを改善に生かしていくということをねらいといたしまして、こういう全国学力テスト等も行っていくべきじゃないか、このようなことも実は提案しておるわけでございます。このことも私の一存ではできませんので、中央教育審議会を初めいろいろな方々の御意見も聞きながらこれからやっていきたい、こう思っておるわけでございます。
 なお、いわゆる到達目標ということにつきましても、これも、学習到達度につきましては、今後、中央教育審議会におきまして義務教育の到達目標の明確化などについても検討を進めていくということになっておりまして、そういった中で、確かな学力、これは、そういう意味では新学習要領の目的とするところがちょっと誤解されたというところもあるんですけれども、真に、本当に、これからの人生、世の中を生きていくためのしっかりした学力を、体力も含めてでございますけれども、子供たちが身につけるという意味で、そういった到達目標みたいなものも必要ではないかな、私はこのように考えておるところでございます。
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中野清#15
○中野(清)委員 もう時間も少なくなりましたから、実は、私は、今の大臣の御答弁をいただきながら、本当に時間がないんですよ、子供たちは毎年かわっちゃうわけですよ。そうすると、ゆっくりやっていたんじゃ困るわけですね、今の子供たちが。そういう点で、例えば、完全学校週五日制の問題とか、それから、いわゆる総合的な学習時間の問題、これなんかははっきり言って、とかく教師の力量不足で遊びの時間になっちゃったとか、また、いわゆる偏向教育の温床だというような議論さえあるんです。だから、どうか、それは批判は批判で結構ですけれども、一生懸命やってもらいたいと思うんです。
 私は、そういう意味で、最後に、これはもう質問じゃなくて、大臣に一言申し上げたいんです。それは教科書に関連しての問題なんですけれども、過日、大臣はタウンミーティングで、歴史教科書の記述について、どこの国の歴史にも光と影がある、悪かったことは反省しなきゃいけないけれども、すべて悪かったという自虐史観に立って教育はしてはいけない、自分たちの民族や歴史に誇りを持って生きようとするような教育をすることが大事であるという趣旨の御発言をなさいましたね。私は、大方これについては同感でありますよ。
 大臣は、よその国の話じゃなくて、我が国の教科書の内容についてコメントしたんでしょう。それにもかかわらず、韓国のメディアはいわゆる妄言を吐いたとかという報道を行って、いわゆる問題視が今されようとしておりますね。私は、どうもワンフレーズだけとらえて、いわゆる一部分だけとらえて、あなたの発言の本意が取り違えられているんじゃないかと思うわけなんです。
 私も、いろいろ中国や韓国の中学校の歴史教科書なんかを勉強させてもらいますと、反日感情を助長するような記述が多くあるんですよ、実際には。ところが、我が国政府は、お互いの国が内政干渉をしない、つまり、隣国との友好関係というのを配慮して、これまで中国や韓国とかアジアの諸国に対して教科書の日本についての記述の誤りについて抗議すらしていないというのが現状じゃないですか。私は、それはそれで今までの姿勢としてはあるけれども、相互理解というのをしてもらった方がいい。きちっと、決して何も抗議するとかけんかするというんじゃなくて、やはり日本の実情というのをわかってもらうべきだ。それは私はそう思っているんです。
 だから、大臣が言った意味もそうだと思いますが、そうすると、今回の大臣の発言に対して、抗議だか問題視だかわかりませんけれども、これは、ある意味では内政干渉が甚だしいんじゃないかと私は言いたかったわけです。
 どうか、私たちも応援いたしますので、中山大臣、自信を持って、それで、あなたの信念に従って日本の文部科学行政というのを進めていただきたい。それはきっと弾力的にも、また積極的にもやっていただけると思いまして、そのことをお願いして、このことは答弁は結構でございますから、ぜひ頑張っていただきたい、そのことだけを申し上げて、私の質問を終わります。
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斉藤鉄夫#16
○斉藤委員長 葉梨康弘君。
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葉梨康弘#17
○葉梨委員 おはようございます。自由民主党の葉梨康弘です。中野委員に引き続き質問をさせていただきます。
 今、中野委員の方からも、義務教育についての問題については詳細御議論があったところですけれども、私自身も、地方の裁量の拡大によるローカルオプティマムの実現、しかしながら、国においてしっかりとナショナルミニマムを確保していかなければいけない、そういう観点から改革を進めていかなければいけないというふうに考えております。
 今資料をお配りしているものがございます。先にその一枚目の方を見ていただきたいんです。本日、この観点についての議論は少し見方を変えまして、各都道府県においても、それぞれ都道府県の県庁、本部、それから教育委員会、それから公安委員会ということで、教育と公安、治安というのがパラレルの関係にございます。そして、教育制度、この左側の部分につきましては、まさに文部科学大臣初め皆さんには、文部科学省の方々には釈迦に説法ということになろうかと思うんですが、この右側の治安制度の面については、まだ多少私の方が一日の長があるのかなと。
 といいますのは、私は十七年間、警察庁というところに勤めておりました。そして、昭和五十八年には、戦後第三のピークと言われた少年非行に対処するための風俗営業法の改正、それから昭和六十三年には、昭和から平成にかかる時期、学童の安全確保などに当たる交番、これを持っております外勤課の課長補佐として、そして、平成九年には神戸の連続児童殺傷事件等ございましたけれども、その当時は少年事件の捜査あるいは少年の保護に当たる警察庁の少年課の理事官として、計約六年強にわたって少年問題に携わってきたという経緯がございます。
 ちょっと資料を、特に右側を説明させていただきたいと思うんです。
 戦前期、もう簡単に申し上げますけれども、経費の負担面等から見ていきますと、経費の負担については、戦前も義務教育の国庫負担という制度があったということはまさに釈迦に説法だと思いますが、警察においては都道府県の負担とされていました。ただし、戦前においては、教育についても治安についても、教員それから警察官の任命権は国、国の機関たる都道府県知事、これが持っておりまして、言ってみたら国家の関与が極めて強かったということが言えるかと思います。
 そして、占領期の改革というのは何が起こったかということなんですけれども、私が個人的に考えますに、まだ地方にそんなに力がないにもかかわらず、地方に移し過ぎてしまって大混乱を来してしまったというのがこの占領期の改革であったかと思います。教育基本法、教育委員会法はまあいいとしまして、シャウプ勧告、これによって教員の給与は都道府県が負担するという形になりましたけれども、実際のところは大きな教育の格差が出てしまったということは御案内のとおりだと思います。
 警察についても実は同じことが行われて、変なことが行われたんです。人口五千人以上の市町村については自治体がそれぞれ警察を持って、国は全く関与することができない、そして、その給与についても、五千人以上の市町村は大体全部自治体が持つということになりました。当初、二十二年に発足当時、これは二対一と書いてありますけれども、大体九万五千人ぐらいの警察官を自治体が抱えて、そして、五千人以下の自治体というのも幾つかございます、そこについては国の警察官が治安を守るということで、約三万人ぐらいだったというふうに聞いています。
 ところが、これは大変なことになってしまって、つまり、隣の町に行ったらお巡りさんが追っかけてくれないものですから、治安は大変悪くなりました。さらには市町村の方も、こんなんじゃ給与が負担できないということで、教育の問題と同様に大変なブーイングが全国各地から起こってきた、これが占領期の改革でございます。
 そして、昭和二十六年にサンフランシスコ講和条約において独立が回復され、当然、やはり調整、直していかなければいけないということで、教育については義務教育の国庫負担制度、これが再び復活して現在に至っている。ただ、警察については、なかなか給与を国が負担するというのは、やはり昔の特高警察のイメージなんかもあったんでしょう、そういうことじゃなくて、一般財源として都道府県に残されました。しかしながら、一般財源として残していきますと、当然のことながら、財源の保障の問題がどうなんだ、それからナショナルミニマムの確保の問題はどうなんだということが起こってきます。
 そこで、ここの紫に書いてあることなんですが、都道府県ごとの警察官の最低数を地方財政計画ではなくて政令に規定して、そしてこれを確実に地方交付税交付金の算定に反映する。あるいは、施設費、活動費などの半額補助、これは国が国庫負担します。さらに、国の公安にかかわる経費の全額国庫支弁、こういった制度が行われる。さらに、国家公安委員会に、先ほど服務の問題もありましたけれども、一般的な服務も含めて、全警察職員の活動の基準となる国家公安委員会規則の制定権を付与する、そういったような改革が行われました。
 もちろん、教育と治安というのは大きく違うと思います。また、当時とは事情も相当異なるかと思いますが、今後いろいろな形で議論するに当たっては、ナショナルミニマムを確保するという観点から、まず、義務教育に係る人的体制のミニマム水準、これをしっかり打ち出して確実に財源保障措置に反映させたり、あるいは施設整備のあり方、これを明らかにして財源保障に反映させたり、さらに教育活動のあり方についても国としての考え方を明らかにして、そして実績についてもしっかり評価する、こういったいろいろな多面的な検討が必要だと思われますけれども、文部科学省から御見解をいただきたいと思います。
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中山成彬#18
○中山国務大臣 お答えいたします。
 葉梨大臣、お父様、よく存じ上げておりますが、大変お世話になりました。立派な政治家だったなと御尊敬申し上げておりますし、また先生御自身、今お話がありましたけれども、長年警察関係で経験を積んでこられ、またすばらしい実績を上げてこられましたので、ぜひこれからは国会議員として、特に非常に大事な治安ということ等について我々に対して御教授いただければありがたいな、こう考えているところでございます。
 そこで、今警察制度と教育関係につきまして比較しながら御質問あったわけでございます。実はこの議論は、いわゆる義務教育費国庫負担をめぐる三位一体の議論の中でも、四大臣会議のときにもこういう議論が出されまして、私もいろいろお答えしたんですけれども、要するに、警察制度はうまくいっているじゃないか、あるいは、全部あれは地方が金を持つ一般財源化されている、なぜ義務教育についてはそういうことができないんだ、こういうふうなお話があったわけでございます。
 それに対する反論として私が申し上げたのは、警察というのは極めて権力的な行政である、それに対して、教育というのはその逆の極めて非権力的な行政なんですよということ。ですから、政令で基準を決めて、はい、おたくの県は警察官何人以上ですよと決めればそのとおり守るということでございまして、そのかわり金は出さない。このことは、ある意味では極めて中央集権的な考えなわけでございますが、そもそも、この三位一体改革というのは地方分権ということから始まったわけでございまして、義務教育につきまして基準を示して金を一般財源化して地方が持つようにすればいいじゃないか、警察もうまくやっているよという話に対しては、いや、そうじゃないんじゃないでしょうかというふうなことを実は申し上げたわけでございます。
 文部科学省が今やっていますように、総額裁量制ということである程度の固まりを教員の給料としてぽんと地方に渡す、後は定員の問題とか学級編制等はどうぞそれぞれ創意工夫を重ねてやってください、そういうふうにやっているわけでございまして、地方分権がもし基準だけ決めて金は自分で調達しろということになりますと、これは極めて非地方分権的なことになるのではないかというふうな反論も実はいたしたわけでございます。
 そういう意味では、日本の警察制度、本当にしっかりやっていらっしゃる、見習うべきところもありますけれども、この教育の問題、特に義務教育の問題というのはそれと違う観点から考えるべきところが多いんじゃないかな、このように考えてあのような結論になった、このように理解しているところでございます。
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葉梨康弘#19
○葉梨委員 ありがとうございます。
 ただ、今私自身も警察の制度のとおりやれということを申し上げたのではなくて、多面的にいろいろ検討していく必要がある、そして、その上でやはり財源保障というのはしっかりやっていかなきゃいけないし、それから、ああせいこうせいということではしの上げ下げを論じるのではなくて、一体ナショナルミニマムが何かということをしっかり考えていくことが必要だということを申し上げたつもりでございます。
 それで、実は平成十年に、ナイフをもって当時栃木県の黒磯で中学生が女子教諭を殺傷するという事件が起こってしまったんですが、その後全国的にずっといろいろな事件が頻発しました。当時、官邸の肝いりで次代を担う青少年について考える有識者会議というのが開かれました。そこで、私も事務方としてそれを聞いていたんですが、当時の生涯学習審議会のたしか会長だったと思われます、奥島当時の早大総長が、レーガン・レポート、「危機に立つ国家」ですか、これについてこんなことを言われていて、あれっと思ったことがあるんです。
 「アメリカでは一九八八年にレーガン大統領が退任される直前に、いわゆるレーガンレポート「危機に立つ国家」というものが出たわけです。レーガンレポートの内容を簡単に申し上げますと、アメリカの教育は崩壊寸前である、その最大の理由は、アメリカの社会が余りにも長い間、先生という職業の社会的地位と俸給を低くしてきたからだというものです。」「それに対するアメリカ社会が出した回答の一つは、教育を含む公益活動の市場化という考え方、つまり公立学校の運営でさえも民間に任せるという新しい措置をとり始めているわけです。」
 私自身は、レーガン・レポートは公務員給与が低いということで給与を上げたのかなと思っていたら、そうじゃなくて、競争原理の導入とかあるいは評価の導入という形で一応アメリカは対応した。それであれっと思ったわけですが、権力的にいろいろと規制するということじゃなくて、やはりそういった評価の問題、あるいは大臣も発言されていますけれども教育基本法の改正とか、そういったソフトの面でどういう形でナショナルミニマムを確保していくのか、それから、いかに財源保障を確保していくのか。
 ちょっと時間、大分なくなりますので、ここは最初に大臣に答えていただきましたので答弁求めませんけれども、多面的にやはりぜひ中教審で検討していただくことが私は必要だと思っております。ですから、この問題というのは大きな意味では教育改革の問題、これにもかかわってくるわけです。
 そこで、多少問題は異なるんですけれども、教育改革ということについては、例えば、先ほども中野委員からもお話ありましたけれども、教科書であるとか教育内容の問題も大きな問題です。それについて言うと、私自身は、政治家個人としては大いに思うところを述べるべきだと考えています。その意味で、先般のタウンミーティングにおける発言も私十分理解できます。
 ただ、その一方で、役所の行う検定は、先ほど申し上げましたナショナルミニマムの確保という観点からも公平であり、また公正であるべきものと思われます。ですから、ポリティカルオプティマムとアドミニストレーティブミニマムという言葉があるのかどうか、私わかりませんけれども、ですから、大臣の発言は、個人としては、政治家としてどんどん発言していかなければいろいろなことを検討もできません。ただし、それは文部科学省が実際行う検定、それとは、実際に行っているものとは異なる次元の発言であったというふうに私自身は理解しておりますけれども、大臣から御所見をいただきたいと思います。
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中山成彬#20
○中山国務大臣 先ほどの、中央教育審議会におきましては、まさにおっしゃるとおり幅広い分野からいろいろな意見を出していただいて協議をしていただきたいということを考えていることをまず申し上げたいと思います。
 それから、大分県におきますタウンミーティングでの私の発言に対しての御質問でございますけれども、あのとき大分県におきまして、あちこち、自分は転勤族だったけれども、特に大分における平和教育というのが日本の悲惨な面ばかり、いわゆる自虐的な教育に偏り過ぎているんじゃないか、こういう御質問でございましたので、さて、文部大臣としての立場からどう答えるべきかと思って非常に悩んだんですけれども、その前のあいさつの中できょうは忌憚のない意見を聞かせてくれという話を私もしたものですから、本当に迷いましたけれども、瞬間的に個人の立場と文部大臣としての立場はやはりしっかり切り分けるべきだ、こう思いましたので、いわゆる大臣になる前まで日本の前途と歴史教育を考える会のメンバーだったという立場からはあのような発言をしたわけでございます。
 一方、大臣になりましたから、これからはやはり中立的で、何が中立かわかりませんが、いわゆる今までの政府の立場というものがありますので、そういう意味で、先ほど中野委員もおっしゃいましたけれども、どこの国の歴史にも光と影がある、悪かった点は十分反省しなきゃいけない、しかし悪かったことばかりを子供に教えることはどうだろうか、こういうふうな発言に実はなったわけでございまして、まさに文部大臣になりまして教科書検定の責任者になったわけでございますから、そういう意味で個人的な意見というのは差し控えるべきじゃないかなということもあのときも考えたわけでございますし、これからもそこのところは十分注意しながら発言していかなければいかぬな、このようには考えているところでございます。
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葉梨康弘#21
○葉梨委員 ありがとうございました。
 では次に、生きる力と児童生徒の安全確保ということについて申し上げたいと思います。
 平成九年に神戸で連続児童殺傷事件が起こりました。そこで、その五月でしたけれども、みんな御父兄の方々も教員の方々も困っちゃって、当時の文部省で会議が開かれて、大臣は小杉大臣だったと思いますが、私招かれて行ったのです。何をしゃべったらいいかな、まだ捕まる前でしたから。そうなったときに、その前年、平成八年に岐阜県の可児市で子ども一一〇番の家という制度が始まっていまして、では、それを紹介しようかということで、その会議で紹介をいたしました。そうしたところが、その事実が当時の産経新聞の一面で取り上げられまして、全国的に子ども一一〇番の家が広がるというようなことになった経緯がございます。ですから、皆さんの御地元にもあろうかと思いますけれども。
 ただ、今そういった目で、ずっと私もPTAなんかもやりながら子ども一一〇番の家という実態をいろいろと見ていますけれども、なかなかこれはマニュアルどおりになってしまっているところがあるのです。子ども一一〇番の家、すごくいいんだけれども、だれかに追っかけられて子ども一一〇番の家を捜している間に捕まっちゃうとか、あるいは、よく私も支持者のうちを訪問して、子ども一一〇番の家というのがついているんですけれども不在の家が多くて、そこには猛犬がいて、とても入れるような状況じゃないとかというようなこともございます。この辺は、こうなっちゃうと笑えないわけです。
 またさらには、今、非常に危険というのは高まっています。先般の奈良の小学校一年生の殺害事件、これにも見られるように、詳しく申し上げますと時間がなくなってしまいますけれども、小児性愛、いわゆるペドファイルの問題というのは実は全世界的に大変な問題になっています。
 ですから、やはり問題をしっかりと認識した上で、その怖さを認識した上で、やはり余り萎縮するんじゃなくて、子供にもあるいは委嘱する大人の側にも、臨機応変で生きる力を持っていくということが児童の安全確保のためには大切なことじゃないかと思います。
 そこで、現場の実態を見てみますと、例えば子供に対して、だれかに追っかけられそうになったらまず大声を上げなさいとか、あるいは、その子ども一一〇番の家というものの委嘱の仕方についても、広く委嘱するんですけれども、基本的にはやはり昼間営業している店舗とかそういったものを優先的にやるとか、そういった配意というのがなかなか行われていなかったりします。あるいは、実際のところ、小児性愛者、ペドファイルの実態についても、どの程度それが怖いのか、あるいは怖くないのか、どうもそれも教えてくれるところもない。
 ですから、この手の安全にかかわる問題というのは、警察に聞いてもかたいこと言うばかりなので、特に全国的ないろいろな事例を持っています文部科学省の方々、これは全国的な事例を背景に、時間がなかなかないと思いますけれども、いろいろと全国行脚して、ひざを突き合わせていきますと、これはやはり文部科学省も本当に真剣なんだなということで、実際の教職員の方、父兄の方とも信頼関係がますます高まってくるんじゃないかというような感じを持っておりますけれども、文部科学省から御所見を伺いたいと思います。
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素川富司#22
○素川政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、児童生徒の安全の確保のためには、学校が家庭、地域の関係団体と連携しながら安全対策を講じるということがまず重要であると考えております。
 例えば、文部科学省においては、平成十四年に、学校の安全対策について参考になるような危機管理マニュアルを策定いたしまして、全国の教育委員会、学校に配付したところでございまして、この中では、例えば大声を出すとか逃げるといった万一の対応の仕方につきまして、日ごろから子供に指導するというようなことについて具体的に示しているところでございます。
 また、平成十六年、本年の一月には、具体的な学校の安全対策を推進するために学校安全緊急アピールを公表したところでございますが、この中では、今先生からお話のございました子ども一一〇番の家の取り組みへの一層の協力など、「地域社会に協力願いたいこと」ということが盛り込まれておるところでございまして、文部科学省といたしましては、日本PTA全国協議会の会議の場においてこのアピールの趣旨を説明して、御理解と御協力をお願いしているところでございます。
 また、学校安全の担当の教職員等を対象とした研修会におきまして研究協議の場を設けましたり、学校関係者や保護者を対象としましたフォーラムを開催して、学校現場の方や保護者の方との意見交換を行っているところでございます。
 今後とも、学校現場の方とかPTAの方とも意見交換を行いながら、安全対策に関する施策につきまして積極的に、継続的に取り組んでいきたいと存じております。
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葉梨康弘#23
○葉梨委員 ありがとうございます。
 マニュアルというのは出しただけだとずっとひとり歩きしてしまいますから、ぜひとも、そのフォローアップ、危機管理の場合はフォローアップが絶対大事です。ですから、そういった意味で、ひざを突き合わせて、いろいろな形で臨機応変、最後はそれぞれ個々人の生きる力にかかってきますので、そんな取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、生きるための知恵と若年者雇用対策について伺います。
 総理も大変熱心になって、フリーターの問題あるいはニートの問題、若年者の雇用問題、これは大きな社会問題になっています。ただ、この問題に対処するためには、雇用機会の提供とか適切な職業訓練とあわせて、やはり若者自身の雇用意欲の問題にもどう対処していくかという問題が必要だと私は考えています。
 例えば、これは大変厳しいようなんですけれども、この資料を見ていただいたらと思うんですが、こちらの「若年者のキャリア支援に関する実態調査」、UFJ総合研究所の資料です。この二枚目の下以下なんですが、
 中途採用を行う際のフリーター経験の影響については、「評価に影響ない」とする企業が六一・九%にのぼった。
例えば、これは大企業も含めての話です。
 一方、全労働者数が
こちらの方が多分機会は多いと思いますが、
 百人未満・売上高百億円未満の企業では、「評価に影響あり」が過半数を占めた(ここでの影響とはマイナス評価を意図している)。
 評価に影響ありと回答した企業に、通算フリーター期間や年齢、正社員経験が採用時の評価に与える影響を尋ねたところ、下表のような結果が得られ、通算フリーター期間一年、年齢二十五歳でマイナス評価になることがわかった。この傾向はいかなる企業属性においても共通していた。
すなわち、正規の職業の転職についてはほとんど問題視されないんですけれども、みずから正規の雇用を望まないフリーターについては、一年以上続けてしまうと格段に労働市場における価値が下がってくるということなんです。
 こういう現実を厳しいようだけれども伝えていくことというのは、ある意味で生きるための知恵を若者に教えていくことだし、教えないということ自体が、これは若者に対しては非常に失礼だし、かわいそうなことじゃないかというふうに私自身は思っています。
 ですから、学校教育の段階で勤労の義務ということをどういうように教えているのか、また就職指導等で、長くフリーターを続けると企業から歓迎されなくなるという事実をどのように指導し、またどのように指導していくおつもりか。時間がございませんので、本当に簡潔にお答え願いたいと思います。
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銭谷眞美#24
○銭谷政府参考人 学校教育におきましては、社会科あるいは道徳、特別活動の時間を通じまして、勤労のたっとさや意義を理解させたり、実際の職場を見学、体験するなどいたしまして、将来の進路や職業に係る啓発的な体験活動が行われているところでございます。現在、これらの教育をキャリア教育というふうに位置づけまして指導を行っているところでございます。
 特に、今先生のお話のございました実際の企業の人事部門担当者などを社会人講師として学校に招いて、企業の採用動向やどのような人材が求められているか、こういうことについての講話をしてもらうなど、安易にフリーターの道を選択することがないような指導に努めているところでございます。
 先生の御指摘も踏まえまして、キャリア教育の充実に努めてまいりたいと思っております。
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葉梨康弘#25
○葉梨委員 ありがとうございます。
 それでも、どうしても教える側も優しいものですから、ある程度、時には厳しい現実も伝えていかなければいけないということ、ぜひ御配慮願いたいなというふうに思います。
 そして、人づくり、これは勤労者の勤労意欲を高めてそのスキルを増していくことは本当に極めて大切な要素だと思います。その意味で、最近、大学も加わった産学官連携のプロジェクトが見られるようになってきたこと、これは非常に歓迎すべきことで、ぜひとも、文部科学省にあっても、経済産業省、厚生労働省、内閣府と連携した取り組みを行って、国としての人材への投資を活発化させる施策に取り組んでいただきたいと思いますが、大臣から御所見をいただきたいと思います。
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中山成彬#26
○中山国務大臣 まさに委員御指摘のように、フリーター等の解消につきましては、学校だけでなくて、職場、企業、いろいろな方々の御協力も得ながら、しかし、学校の中において、やはり将来は職業人としてちゃんと立派にやっていかなければいかぬのだよ、そういったことも含めて教育をやっていかなければいかぬ、このように考えております。
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葉梨康弘#27
○葉梨委員 それでは、最後の質問に移らせていただきます。幼保の一元化ということについてでございます。
 かつて、有馬元大臣が中教審の会長をされていたときに、心の教育の関係の小委員長を中教審の中で引き受けられた。私、ある座談会で御一緒させていただいたときに有馬会長の方から、あれは幼児期からのというのが入っているから私は引き受けたんだ、幼児期からの心の教育というのが本当に大事なんだということをおっしゃられていました。
 その意味で、幼児期の教育、保育については、現在、幼保一元化というのが進んでおります。それで、二歳児から幼稚園入園を可能とする平成十五年六月の特区、これは全国的にも大分広がってきているようですが、この問題、ちょっと時間がございませんので問いは飛ばさせていただきますけれども、まだまだ評価という段階にはならないですけれども、おおむねの方向として、時期の問題は別として、多分、幼保の一元化、これは進んでいく方向にあるんだろうと理解できます。
 ただ、幾つかやはり問題があります。つまり、幼稚園とか保育園の機能が似通ってくる。例えば今、老朽施設の改築補助の補助率については、幼稚園は国庫補助率が三分の一、それから保育園は二分の一になっています。財政的支援の差異が浮き彫りになってきます。総合的施設が検討されているといってもなかなか実際に難しくて、現場で起こっていることというのは、幼稚園経営者が補助率のよい保育園経営に乗り出すという幼保経営の一元化、幼保一元化じゃなくて幼保経営の一元化でございます。ですから、補助率については三位一体との関連もありますけれども、これからどのような調整、均衡を行っていくべきかということが一点。
 それからもう一点は、保育園についても、先ほどの心の教育の問題もありましたが、これは重要なことでございます。やはり心の教育ということについて一定の指導や水準の確保が必要と考えます。厚生労働省任せということじゃなくて、文部科学省としての取り組みがあれば、ぜひお伺いをしたいと思います。
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銭谷眞美#28
○銭谷政府参考人 ただいま先生お話ございましたように、幼稚園と保育所では財政支援にさまざまな違いがあるのは事実でございます。これは、幼児教育を行う学校としての幼稚園といわば児童福祉施設としての保育所という、それぞれの目的、機能などの違いを踏まえて講じられている措置でございます。今後、幼稚園と保育所のあり方の検討の中で、こういう問題についても、私ども、幼児教育の充実の観点から検討していく課題だと思っております。
 それから、保育所における保育の内容、心の教育の問題についてでございますが、現在、保育所の保育指針の改訂あるいは幼稚園の幼稚園教育要領の改訂の際に、幼稚園、保育所関係者が両方、それぞれ参加をいたしまして、両施設における教育、保育の内容の整合性の確保に努めているところでございます。また、幼稚園教諭と保育士の合同研修を実施するなど、両者の質の向上ということに努めているところでございます。
 今後とも、厚生労働省とよく連携をしながら、幼稚園と保育所における教育、保育内容の充実に努めてまいりたいと思っております。
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葉梨康弘#29
○葉梨委員 ありがとうございました。
 本日は、私自身の経験に基づいて、本当にさわりの部分について幾つか質問をさせていただきました。もちろん、大分飛ばしたものもございますが、もうほぼ時間が近くなっておりますので。
 ただ、冒頭も御議論いたしましたように、今回の義務教育費国庫負担制度、これの見直しについて、私自身は、そのマイナス面ばかりを言うんじゃなくて、むしろ前向きにとらえて、そして教育の評価の問題あるいは競争原理の導入、そしてやはり必要な財源保障、これはしっかりとやっていかなきゃいけないということで、ぜひとも、義務教育改革の大きな機会ととらえて、中教審において徹底的に議論をしていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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