町村信孝の発言 (外交防衛委員会)
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○国務大臣(町村信孝君) 先般の参議院の本会議におきまして、自民党の議員の方からの対中ODAについての御質問がございました。そのときの答弁あるいは総理大臣の御答弁もあったわけでございますけれども、一般的に、ODAを卒業するというちょっと、やや抽象的な物言いをしてしまいましたけれども、これは経済発展に応じてODAの新規供与を行わなくなるということを意味して言ったつもりでございます。具体的には無償資金協力、円借款、技術協力、それぞれについて発展途上国が成長を遂げるに従って段階的に援助の供与を行わないということを意味しているわけでございます。
これは日本ばかりではなくて、国際的にも同じような考え方が取られているところでございまして、一つの目安といたしましては、援助受取国の一人当たりの国民総所得が大体千四百米ドルに達すると無償資金協力は原則として終了すると、それから、おおよそ三千ドルぐらいに達しますと円借款も環境や人材案件などを除いて終了すると、こういう基準を持っているところでありまして、これは根っこは世界銀行の融資ガイドラインというのがございまして、それを日本も参考にしながらこうしたことを毎年決めているということであります。
現在の中国がどうかというと、二〇〇三年の一人当たりの国民総所得がおおよそ千百ドルぐらいということでありまして、いずれの今申し上げた数字の基準にはまだ到達をしていないのが今の姿であろうと思います。したがって、そういう意味で、現在かなり減少しているとはいうものの、援助を現在出していることについての妥当性はあるんだろうと、こう思っております。
ただ、参議院の報告書でも触れてあったと記憶をしておりますけれども、特に沿海部を中心として近年著しい経済発展が続いているという状況を見たときに、近い将来一人当たりの国民総所得が順次こうしたレベルに達するであろうということはだれの目にも明らかだろうと、こう思います。
また、中国につきましては、ODA以外の特に民間投資が大量に流入しているという点も考えるべきポイントの一つだろうと、こう思います。また、これはODA大綱というものを我が国は持っているわけでございますが、この大綱に基づいて、ODAの実施に当たりましては、中国の軍事支出の動向でありますとかあるいは基本的人権の保障状況といったようなことにも注意を払う必要がある、さらに、中国の第三国援助、中国自身が行っている発展途上国等への援助の動向というものも考慮をするというような幾つかの考慮要素があるんだろうと、こう思っております。
いずれにいたしましても、結論的には、いつまでもODAの供与を続けることにはならないということで、卒業時期が早晩来るであろうと、こういうことを申し上げたわけでございますが、いずれにしても、対中国政策全体の中でどうこれを位置付けるのかということを日本としては考えなきゃなりませんし、また実際にその終了に当たりましては、これまでODAが実際的には私はそれなりの成果を持ってきたと、こう思っておりますので、中国側ともよく協議をしながらその段取りを決めていくという必要があろうかと、かように考えております。