喜納昌吉の発言 (憲法調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○喜納昌吉君 民主党・新緑風会、喜納昌吉と申します。
 私の憲法観を述べます。
 二十一世紀を迎え、地球規模の問題が山積する中、真の全球化に適応できる国家の枠組みを作ることは、日本のみならず全人類にとっての大きな命題だと言えると思います。チェルノブイリの事故、酸性雨の問題、地球温暖化、そして戦争など、国境線を越えて存在している様々な問題は、安全保障を含めて地球規模の問題となっています。病は地球単位であるのに、治療は国家単位で行っていたら間に合うはずはありません。今後、国益は人類益との整合性を図らねばならない時期に来ていると思います。持続可能な発展とは健康な地球と付き合うことを意味するのです。そういう意味で、日本国憲法の前文と九条は世界をリードする概念であり、理念であると言えるでしょう。
 国際協調が叫ばれる中、国連憲章の重要性はますます高まってきていますし、その国連憲章に勝るとも劣らない日本国憲法の前文と九条を珠玉にして国連改革をうたい、日本がグローバリズムの先頭に立つという気概を持って憲法改正に努めるべきではないでしょうか。
 日本はペリーの砲艦外交による文明開化で門戸を開きましたが、そのショックは現在も日本民族の精神のトラウマとして残っています。幾多の戦争を重ねた末、第二次世界大戦で敗北し、GHQと米国務省の双頭体制によって占領政策が行われ、日本の憲法学者を巻き込み、陣痛を繰り返しながら日本国憲法が制定されました。
 国連憲章に基づいて人類の規範となる憲法をつくろうと試みたマッカーサーの自然法的理想主義とダレスに代表されるドミノ理論へとつながる実定法的現実主義との葛藤のもつれが顕著に現れている憲法九十八条の呪縛は、いまだに日米安保、日米地位協定という形で日本を縛り続けています。護憲論者も改憲論者もそのことに気付いているでしょうか。我々は、護憲や改憲という視点を超え、まず憲法を独立の次元からとらえなければならないと思います。
 ローマ法典に基本を置く自然法的理想主義と実定法的現実主義を地球規模の観点から更に発展させ、真のグローバリズムのひな形を日本から構築するような新憲法を提唱すべきです。力によって押さえる全球化ではなく、宇宙に開かれた全球化を成し遂げるためには、地球こそが人類の聖地であるという理念に向かって、日本が憲法前文と九条を世界にプレゼンテーションすることだと私は思います。
 すべての武器を楽器に。
 どうも。

発言情報

speech_id: 116114184X00320041110_017

発言者: 喜納昌吉

speaker_id: 12280

日付: 2004-11-10

院: 参議院

会議名: 憲法調査会