荒井正吾の発言 (憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会)
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○荒井正吾君 自由民主党の荒井正吾でございます。
限られた時間でございますが、発言をさしていただきます。
憲法調査会小委員長の、参議院の在り方について、論点別に発言さしていただきたいと思います。
論点として考えられますのは、一院制か二院制かという点。二番目に、二院制とすれば衆参の役割分担はどうなのか、参議院が独自の機能を持つべき分野はどこかと。それから三番目に、国会の意思決定の在り方について、両院の意思の調整をどのようにすれば効率性を達成できるのか。四番目に、その第二院、参議院と政党との関係はいかなるものか。第五番目に、院の構成、その役割分担を反映した院の構成、選挙制度はいかなるものかと。いろいろ分け方あると思いますが、そのような論点として考えてきております。その論点についての意見を述べさしていただきます。
まず、一院制か二院制かということですが、これは二か一に決めなきゃいけないことだと思います。何ゆえかというよりも、一か二に決めないと次の議論が出ないと。それで、今の状況をやれば、やはり二院制を前提とすべきだと。一院制は否定して考えるべきじゃないかというふうに思います。
理由は幾つかありますが、二院制をより効率的に機能すべきだと。二院制だから国家の統治機能に害を及ぼしているということではないと。それから、一院制にするということがよしんばベターであっても、その過程のコストというのは十分考えなければいけないというふうに思います。
二院制の元になった身分制に基づく二元的な国家の内容、あるいは連邦制ということから地方の立場を国民、国家の中で二元的に反映するということは今なくなってきているように思いますが、民主主義、自由主義、市場経済主義、法の支配、多元主義というようなものが普遍的原理になっている中で、政治が賢明に迅速な効率的な判断をしてそれをリサイクルするという機能は、二院制でどのような役割分担を持つべきかというのが重要な論点になるように思います。
それで、二番目の二院の役割分担でございますが、同じことを補完的に垂直的に分担する、重複的、垂直的に分担するのから、その分担をずらして、より水平的に分担する、あるいは時差的に分担するというふうに考えたらどうかと思います。重複する部分はどのように調整するかという機能を考えるべきじゃないかというふうに思います。
それで、参議院が独自性を発揮すべき分野は、いろいろな考え方ありますし、自民党の中でもいろいろありますが、私は独自性を発揮するとすればということで発言さしていただきますが、決算は参議院が行う、予算は衆議院が行う。具体的には、参議院で議決された内容は次の予算を拘束する、覊束するというのが一つの考えでいいんじゃないかと思っております。組織的には、会計検査院は国会に帰属するのではなく参議院に帰属するという方がいいんじゃないかと思っております。
それから、国会同意人事は参議院同意人事とする。両院の同意というのも調整が難しい。参議院の同意人事とすべき。それからまた、これは運営の話になりますが、参議院で人事のヒアリングを実施してもいいんじゃないかと思いますが、ただ、今の国会同意人事全部をヒアリングを実施するというのも煩瑣であると思いますので、絞りを掛けて実施するという運営の課題もあろうかと思います。
一方、衆議院の分野と分けるには、予算とか予算関連法は衆で成立するというふうに割り切ってもいいんじゃないかというふうに思います。非予算関連は参議院先議というようなやり方もあるんじゃないかと思います。国際関係で条約、場合によっては大使人事は参議院で承認する、予算に関連するものは衆も含むということも考えられるかと思います。
それから、そういたしますと、参議院で法案審議を効率化するということが必要であります。同じ数の法案を違う人数で処理する、同じ時間を掛けるというのはどうしても物理的に無理が生じるわけでございますので、例えば衆議院で、先ほど予算関連は衆止まりというか、衆でほとんどやるということのほかに、衆議院で第一野党が賛成した、あるいは三分の二以上が賛成したようなものは審議を省略する、簡略化するというふうに参議院で割り切ってもいいんじゃないかと思います。
その反面、国政調査を充実させるということも必要じゃないかと思います。常任委員会で基本的テーマを継続的に審議するとか、基本法は参議院で先議すると、継続的に審議するとかというようなことがあろうかと思います。
それから、審議ルールでございますが、カメラが入ったり、IT化したときに、全部定足数、審議の定足数を守らないかぬのかどうかと。アメリカのように、十五分間で議長が声を掛けたら来れる場所にいることによって、その席に座っていなくてもいいと、必要な人だけ席に座るというような審議の時間拘束、定足数の在り方も見直す対象に入るんじゃないかと思います。
別の項目ですが、裁判官訴追、弾劾裁判、あるいは考えられる憲法裁判に係る国会権限は参議院に帰属するということも考えられると思います。
一方、内閣と距離を置くという関連で、内閣総理大臣の指名は参議院を省くということもあろうかと思います。
また、地方公共団体を、連邦制じゃありませんので代表するということはありませんが、地方公共団体の長、知事とか市町村長との協議、意見交換の機能を参議院に創設するという考えもあろうかと思います。
また、内閣総理大臣指名しない一方、参議院は内閣に入らない、閣僚、政務官に入らない。しかし、閣僚の人事承認権は参議院が持つという、大変ドラスチックなあれかと思いますが、そのような独自の案も考えられると思います。
三番目に、両院の意思決定の調整でございますが、そのように法案審議を分担すると、立法機能の分化ということになりますので、意思不統一の確率は低下すると思いますが、衆議院で接戦法案あるいは長期的な視野に入れた法案は大変見込みが難しいので、投票が分かれるかもしれませんが、それを再審議、参議院にして、否決した場合の再議決要件は、現在のような三分の二ではなしに過半数でいいとか、両院協議会のような調整の場で条項修正をして、その部分のみ単独過半数で衆議院で可決否決をしてもらうとか、その集約した分担があろうかと思います。
そういたしますと、院の調整機能を増すことによって法案の各政党の事前審査の必要性を軽減する、法案は国会で審議し修正するという機能を高める必要があろうかと思います。
それから、法案の審議の内容でございますが、衆は短期迅速な決定をする。やはり、選挙がありまして、短期的視点で現世代の利益を反映し温存することになりがちでございますが、参議院は長期的視点の国会審議、短期的視点の立法をチェックする、世代にまたがる案件については次世代の代表として権限を行使するという機能も意識すればいいんじゃないかと思います。意思決定調整の必要性を軽減して、必要な場合の仕組みを整備するということが必要ではないかと思います。
四番目に、政党との関係ですが、参議院、例えば自民党の最大のライバルは政党本部であります。財政再建は党主導では難しいように思います。増税というふうなことは、常に選挙が争点、意識されて争点になりますので、政党間で一方賛成、一方反対では、なかなか財政再建がいけない。院での議論決定の仕組みが必要じゃないか。財政再建は国会が機能しないと財政再建ができないという各国の経験もございます。
それから二番目に、党議拘束でございますが、立法機能を分担すると、例えば党の、これは各党で違うと思いますが、事前審査、政調の部会人事等は、例えば非予算であれば、その部会は、非予算部会は参議院が主導的にやると、予算関連部会は衆議院が主導的にやるというふうなこともあろうかと思います。
総じて言いますと、参議院の役割を独自にすると、国会というところの機能を重視、中心にするということでございますので、内閣、政党から距離を置くということになろうかと思います。ちょっと寂しく感じられる方もおられるかもしれませんが、そのような方向もあろうかと思います。
最後になりますが、参議院の構成、選挙制については、参議院の役割を反映したものと、それから参議院の選挙制度を考えると、衆議院の選挙制度と同時に検討すべきだという意見が出ております。自民党でも検討しておりますが、この選挙制度の意見は多岐にわたっております。今日紹介できるほどなかなか整理されたものは出ておりませんが、選挙制度、院の構成、役割分担について、総じて立派な政治家を育てる機能を参議院はよく考えるべきではないかと思います。
最後になりますが、今の再度の発言ですが、英文名はやはり評議員と訳すしかないように思いますので、役割分担あるいは将来志向にふさわしい英文名をこの際考えていただきたいというふうに思います。
以上でございます。