松井孝治の発言 (憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会)
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○松井孝治君 民主党の松井孝治でございます。
今、荒井委員の御発言に私も共感するところも多々ございます。私としての、まず二院制についての是非については私も同じような見解でございまして、専門家の御意見もありましたが、やはり一億人以上の有権者の多様な意思を反映するのに二院制というのは私も望ましいと思っております。ただ、じゃ、現実の参議院がそれをきちんとした一億人以上の有権者の意思を反映しているかというと、およそそう思えないわけでありまして、これだけ政治や行政にスピードが要求されているわけですから、熟慮の院ということで議論を垂直的に繰り返していては意味がない。その意味では、今の参議院は機能の在り方をやはり水平的に衆議院と分担していくべきであろうと考えております。
じゃ、具体的にどういう機能を強化すべきかということについて申し述べたいと思いますが、一つは、よく言われておりますように、チェック機能でございます。
衆議院の、まあどうしても政治的な闘争が前面に出る、あるいは解散がいつか分からないという中で、制度、政策の根っこに踏み込んだ議論がやっぱり衆議院ではなかなか行いにくい。それに対して参議院は、任期も長く安定しておりますので、より衆議院に比べて、どこが変わったかということではなくて、その制度の根っこまで立ち入った議論を行うべきではないかと思っております。その意味で、正に政策の評価を行う、あるいはそれがどう実行されているかということをチェックを行う、あるいは今、荒井委員からもありましたけれども、いろんな人事的なことまで含めてそういうチェックを行うということにより機能を強めてはどうかというふうに考えております。
議論の仕方も、これは会期の在り方等にもかかわりますけれども、もっと法律も逐条的な審査を行うとか、あるいは政治日程と独立に委員間で具体的な制度、政策についての突っ込んだ意見交換を行うというようなことも必要ではないかと思います。
もう一つ、今の日本において見逃されている点は国と地方の関係でありまして、正に三位一体の改革の議論が行われているわけでありますが、国と地方の権限調整、財源調整、今ほとんど霞が関がこの実態を握っていると。これはやはり、民主的コントロールに服させるためにも、霞が関の一部局が財政統制をしているというようなことではなくて、国と地方あるいは地方間の水平的な財政調整機能というのは、これは国会が担うべきであると。そのときに、やはりこの問題についても非常に政治的な対立の中で議論をするというよりは、参議院、これはドイツの参議院なんかがそうですけれども、参議院で地域間、地方間の調整、財政調整などを行うという仕組みを持つべきではないかというふうに考えております。
さらに、参議院が果たすべき機能としては、憲法解釈というのは非常に重要な機能であろうと思います。最高裁判所がどうしても統治行為に踏み込んでいかないという中で、国会が憲法解釈の議論をほとんどしませんので、結果的には内閣法制局が行う憲法解釈というのが非常に絶対的な地位を占めているというのは、どう見ても不健全でございます。内閣は内閣として憲法解釈機関を持つのは自由でありますが、本来であれば国会が自らの憲法解釈についての見解を示すべきでありまして、これも正に、しかし反面、政治的にそれが使われるということになってくるとこれは危険なわけでありまして、国会で憲法解釈の権限を持つとすれば、それは参議院がより大きな役割を恒常的に担っていくべきではないかと思います。
さらに、必要なことは、これも今の法案ほとんどが閣法という形で内閣から提案されているわけですが、議員立法を行う、より活発に行うという意味での参議院の機能は非常に重要だと思います。現に、参議院の調査会がこれ定期的に議員立法を生み出すベースとなってきたことは、私は率直に評価をすべきではないかと。そういう意味で、中長期的な課題、任期の長さ、安定性から見ても、中長期的な課題について、閣僚を交えた議論をせずとも、参議院の各会派間である意味では会派の利益を超えて議論をすることによって一つの見識を示していく、それは基本法的なものが中心かもしれませんが、それを参議院で定期的に生み出すという努力は、これは地道ではありますけれども、非常に私は重要なものなのではないかなと思っております。したがいまして、これは先ほど申し上げました審議の在り方にもよりますけれども、ある意味では行政府と一線を画して、参議院で会派を超えて調査会的活動で議員立法をより強めていくということが非常に大事だと思っております。
ただ問題は、そのときのリソース、人的資源を、どうやってそういう政策議論に必要な人的リソースを確保するかという問題でございまして、先ほど会計検査院の話が荒井委員からございましたけれども、私は、その会計検査院の在り方も含めて、チェックの院として会計検査院的リソースが必要である。同時に、霞が関と独立して立法府が本当に必要な立法活動を行うための政策スタッフをこの際参議院で抜本的に充実強化をし、先ほど申し上げましたような憲法解釈の議論もするということになってくると、これは日常的にいわゆる、これは憲法を改正しなくてもできる問題だと私は思いますけれども、通年国会的に、ただ、国会法の規定の会期不継続とか、あるいは衆議院と参議院が同一会期であるかどうかというのは、これは検討しなければいけないと思いますけれども、会期も基本的に通年国会的に、政策機能を抜本的に充実して、チェックの院として参議院が立法機能をより広範に果たすべきではないかと思っております。
その意味で、ある意味では執行権からは参議院は一線を引くべきではないかという先ほどの荒井委員の御意見にも私は賛成でありまして、首班指名あるいは閣僚を参議院議員から出すかどうかということについて一線を引く、そして政争からは一線を引く。その代わり、チェック院として恒常的にある種通年国会的に活動をする、法律の中身についてももっともっと衆議院ではできないような緻密な逐条審査も含めて議論をする、そういう院としての参議院が構築できるかどうかが今後の言わば政と官の関係を、きちんとした関係を確立するためにも私は非常に重要な点ではないかと思っております。
その意味でも、やはり我々参議院は霞が関に依存した立法活動をしたんでは何の意味もありませんから、繰り返しになりますが、調査機能あるいは行政評価機能、決算機能、さらには憲法解釈機能、そういったことがきちんと果たされるような充実したスタッフを持ち、やはり権力の院ではなく、権威の院としての機能を十全に発揮すべく、これは党派を超えて議論を行うべきだと考えております。
以上でございます。