古川元久の発言 (憲法調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○古川(元)委員 民主党の古川元久でございます。
財政及び地方自治について若干のコメントを申し上げたいと思います。
まず、財政についてでございますけれども、我が国の財政、そしてまた、国、地方を合わせまして大変な、膨大な借金を抱えているという状況にありまして、こうした状況を今後とも続けていくということは、政府に対する信頼を失うということにもつながりますし、そしてまた将来世代に過度な負担を負わせるということで、現在に生きる者として大変にこれは無責任だと思います。そういう意味で、憲法の中にそうした財政規律を何とか維持できるようなそういう仕組みの基本的な原則を織り込むということは、極めて大事なことだというふうに考えております。
では、どのような形で財政的な面から財政規律を維持するそうした仕組みを持ち込むかということでございますが、そのためには、まずやはり、公会計の仕組みというものをきちんと整備する、その大原則を憲法上規定することが必要ではないかというふうに思います。
公会計制度が透明性の高いルールと公正な第三者機関の監視の下に置かれる、そういう公会計のあり方に関する基本原則をやはり憲法の中に明記して、そのもとで、その公会計のルールに基づいて、現在負担あるいは将来負担、そうしたものを含めた財政状況がきちんと国民にも提示され、そして、そうした情報が提示された中で、実際に現在世代の負担、そして将来世代にどれだけの負担をお願いできるか、そうした議論も政府そしてこの国会の中で議論できるようなそういうシステムをつくるということが、財政規律を維持する上で極めて大事なことだというふうに思います。
そういった意味では、これまでの予算単年度主義というものも、複数年度予算制、そうしたものも可能となるようなそういう仕組みというものも考えていくべきだというふうに思われますし、また、予算編成システムの途中の過程でも国会のチェックというものができるようなそういう仕組みというものも、その基本原則の中には入れていくべきではないかというふうに思います。同時に、予算執行、そして行政の執行、それに対しまして国会がきちんとチェックをできる、国民がきちんとその監視をできる、そういう仕組みというものを入れていくことも、財政規律を維持する上で極めて重要でございます。
したがいまして、会計検査院の機能を強化するとともに、私どもが従来から主張しております、国会の中に新たに行政監視院という、行政の執行状況をチェックするそういう機関をつくって、そのもとで、行政の執行状況、そして予算の消化状況、そういうものについてきちんとした監察や調査を行って、そして必要な勧告を行うということも、これは一定限度のところで憲法に規定するということも十分に考えるべきではないかというふうに思います。
そして、財政については、内閣総理大臣の、予算、決算の提出者として全責任を負うべきことと、そして、予算編成方針の決定段階から国会への説明責任を果たすべき、そうしたことも憲法の中に明記をすべきじゃないか。また、現行財政法上で規定されております基本原則についても、その一部分は憲法に書き入れることを検討してもいいのではないかというふうに思っております。
さらに、決算報告につきましては、事実上、現在二年以上かかっておりますけれども、こうしたものにつきましても、本来は次年度予算の編成にその決算の結果が生かされる、そうした仕組みをつくることが必要でありますから、やはり、概数でも結構ですから、決算報告が翌年度の予算編成に利用できるようなそういう仕組みを確立して、それを義務づけるということも考えるべきではないかというふうに思っております。
次に、地方自治について若干のコメントを申し上げたいと思います。
我々民主党は、従来より分権国家の創造を目指してまいっておりますけれども、現行憲法、地方自治については四カ条の原則的規定を定めておりますけれども、しかし、それが十分に機能しているとは残念ながら言える状況にはありません。むしろ、こういう状況の地方自治の原則が定められているにもかかわらず、中央政府はみずからの事務や権限を一貫して肥大させ続けて、そしてその結果、むだな箱物ができたりとか、そしてまた、結果としての膨大な財政赤字というものを生み出したり、そしてまた、美しい自然や多様な地域文化が破壊される、そして地方が疲弊してしまうという結果が生まれてきたとも言えるのではないでしょうか。
そうしたこれまでの行き方を根本的に転換させる、地域のことは地域で決める、自分たちのことは自分たちで決めるという民主主義の原点に立ち返った分権国家への転換、そのことを高らかに憲法の中でうたうべきであるというふうに私どもは考えております。
そして、この分権国家、それを担保するための規定といたしまして、行政権限配分は憲法上明確にすべきではないかというふうに考えております。地域でできることは地域にゆだねるという補完性の原理に立脚して、住民に身近な行政は優先的に基礎自治体に配分し、また、都道府県は広域的に再編して道州を設け、司法、外交、出入国管理など、国家主権にかかわる行政を除く大半の広域的行政は道州に移管するということを規定してはいかがかというふうに考えます。
さらに、自治体の立法権限も強化する、そのことも明記をしていかないと、憲法上保障していかないといけないと思います。これまでのような法律の範囲内での条例制定権限ではなく、地方自治体と中央政府の権限配分に対応して、地方自治体に専属的あるいは優先的な立法権限を憲法上保障する必要があるというふうに思っております。
さらにまた、住民自治に根差す多様な自治体のあり方を認めていかなければなりません。自治体の組織運営のあり方は住民自身が決めることを原則とし、これまでのような首長と議会の二元代表制だけでなく、例えば執行委員会制や支配人制など、それぞれの地域で自分たちがその組織形態を決めて、その地域コミュニティーに合った地方自治体のあり方というものを考える、そういうことができるようにするべきではないか。そしてまた、住民投票なども可能にするような住民発案住民投票制度など、そういうものも自治体の中で採用ができるようなそういう権限を自治体に与えるべきだというふうに思っております。
そして、そうした中で、地方自治体がみずからの事務事業を適切に遂行できるよう、課税自主権、財政自治権を憲法上保障して、必要な財源をみずからの責任と判断で調達できるようにするということが極めて重要だと思っております。課税自主権は、各自治体がみずからにふさわしいと考える税目、税率の決定権も含まれなければなりません。
そして、これらを補完するものといたしまして、当然地方によって格差が出てくるわけでありますから、その格差を調整するものとして、現行の地方交付税制度にかえて、新たな水平的財政調整制度を創設することが必要だというふうに考えております。
財政の規律を保ち、そして地域のそれぞれの特色を生かしていく、これは全く別物のようであって、実は、私は表裏一体をなすものだというふうに思っております。それぞれの地域が自立的に、それぞれの地域での予算の編成のあり方、そして税の集め方、そういうものも含めて運用されていく、そういう中で効率的な政府の運営、そしてむだのない税金の使われ方ということもされるのではないでしょうか。そうした国家をつくっていくということが今後我が国に求められることだというふうに私は考えております。
以上です。