丸谷佳織の発言 (憲法調査会)
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○丸谷委員 公明党の丸谷佳織でございます。
本委員会で意見を述べさせていただく機会をいただき、ありがとうございます。今まで議論を重ねてこられた上でまとめられた論点を踏まえまして、本日は、特に前文の内容について発言をさせていただきたいと思います。
基本的には現憲法の崇高な前文の精神を継承しながら、幾つかの点において時代に対応した前文に改めるべきと考えております。
さて、その内容でございますけれども、この国の、あるいは国民のあるべき姿、理想像を前文に示すことは当然ですが、そのあるべき姿がどのようなものなのか、これを考えるとき、今このような形で議論をしている私たち政治家を初めとしまして、国民のそれぞれが持つ家族観であったり、世界観、歴史観等のいわゆる価値観をどこまで、どのような形で反映させるべきであるのか、このことについて深く掘り下げて考えてみる必要があると思います。
愛国心ですとかあるいは家族の重要性を明示するべきだといったような議論もございますけれども、時代とともにますます多様化する価値観というものを比較検討し、ある一つの言葉あるいはある一つの表現としてまとめ、それを前文に示すということは、より多くの人の共感を得て国民一人一人にひとしく訴える力を持つべき憲法の性格から考えますと、少々無理があるように考えます。
国民的価値観を一切前文に示すべきではないという意見ではございません。歴史の経験から得た日本人の究極的な価値観である、あるいはコンセンサスと言ってもよいと思いますが、平和への願いと、そして国民主権の内容、これはそのままに、憲法の原則の一つであります人権の尊重についても新たに明記するべきと考えております。中でも、平和を願う日本は何をもって平和を希求しているのか、このことについて示すことも必要なのではないかと考えます。
一つ例を例えて言わせていただければ、国連憲章の前文には「われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、」という文章から始まりますが、国連憲章の成立の経緯、そして、国際社会の歴史的経験をはかり知ることができる内容であると考えております。
では、我が国はなぜ平和を希求する国民なのかという問いに戻れば、それは、過去に二度の大きな戦争を経験し、また、戦争による唯一の被爆国として戦争の悲惨さ、核の恐ろしさを身をもって知っているからであり、その痛ましい経験から平和を希求しているからにほかなりません。これらの経験に基づいた平和の願いであること、また、平和を願う国民であることを前文に明確に示すことが日本という国のあり方の一つの象徴になると考えております。
また、これらの経験から、日本外交では核軍縮の推進に説得力を持ってきたと承知しておりますし、前文には核兵器廃絶の日本の見解も示されるべきと考えております。その上で、国際社会における貧困あるいは紛争等の諸問題を他人事とせず、責任ある一国として、国際社会の平和とそして安定に寄与する意思を明示し、人間の安全保障を基礎にした平和構築の積極的関与を示すことも大事であると考えております。
なお、文章あるいは表現のあり方については、より平易なものに改め、より多くの人、特に、小学生にでもわかるような内容に改めるべきというふうに考えております。
以上でございます。