船田元の発言 (憲法調査会)
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○船田委員 船田元でございます。
憲法の前文は、憲法の顔であり表紙であると同時に、各条文、憲法全体の内容を代表するものというふうに考えております。したがって、これまでの我々憲法調査会での各分野ごとの議論の集大成ということでもあり、これは後ほど決められていくものだなというふうには思っております。
しかしながら、現時点において、私は、これから申し上げる四つの点については、ぜひ前文に入れるべきであると考えております。
一つが、生命とか人間の尊厳、価値というものをやはりうたうべきであるということであります。
我々は、人間という存在をすべてにまさる最高の価値と考えるべきであって、特に、我が国は自然資源が乏しい国ですから、人材あるいは知的財産、こういうものを大切にし、また、そういう人材を育成する教育を大切にすべきであるということ、また一方で、生命の尊厳を脅かすおそれのある科学技術の企てには、断固としてこれは拒否をしていかなければいけないという意思表示もすべきだと思います。
第二が、権利と義務の関係についての規定であると思います。
現行憲法が保障する基本的人権の諸規定は、もちろん、当然ながら堅持すべきですけれども、同時に、権利には必ず義務が伴う、自由には必ず責任が伴うということを我々は自覚しなければいけないこと、また、公共の福祉、公共の利益と言いかえてもいいかと思いますが、それを守るためには、我々が持っている権利や自由の一部が調整されることもあるということを自覚することを書くべきであります。
三番目は、積極的平和主義であります。
世界、我が国の平和、いずれも、ただ黙っていれば、祈っていれば実現されるというものではないことは自明であります。我々は、世界の貧困や紛争をなくすために、国際社会の中で積極的にその役割を分担すべきであるということです。このような積極的平和主義を実践することによってのみ、我々は国際社会の中で名誉ある地位を占めることができるのだということも書き加えるべきであると思います。
最後に、共生の理念や環境ということにも触れるべきではないかと思います。
我々は、古来から豊かで美しい自然とともに生き、みずからの家庭や地域社会を温かな人間のきずなによって維持してきたわけであります。我々はこのような共生の心を将来にわたって堅持すべきであること、また、広く地球環境を保全することや、我が国固有の歴史、伝統、文化を継承するということを将来世代に対する我々の責務と考える、このような規定を盛り込んでいくべきであると考えております。
以上でございます。