石破茂の発言 (武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○石破委員 自由民主党の石破であります。
 今、村田大臣から、国民の保護に関する基本指針の御説明がありました。私としましては、これを大変高く評価させていただきたいと存じます。
 昨年、有事法制の委員会を閉じますときに、国民保護法制、多くの賛成をもって可決いたしました。その際に、どなたでしたか、こういうことをおっしゃいました。これで法律はできた、しかしながら、実際にこれがきちんと動くかどうかはこれから先のお話で、仏つくって魂入れずにならないようにという指摘をいただいて、私は政府側の一員として大変にそれを重く受けとめた次第でございます。どんなに立派な仕組みをつくっても、動かなければどうしようもないということでありまして、その旨、政府はよく留意して努力をいただきたいと思っております。
 この委員会におきましては、昨年の五月二十日、緊急事態基本法について、自民、公明、民主三党で合意をいたしました。「緊急事態基本法(仮称)についての覚書」というものを交わしております。すなわち、そこに書かれておりますのは、三党は「緊急事態基本法(仮称)の制定の必要性に鑑み、ここにその骨子について了解し、次期通常国会で成立を図ることを合意する。」
 次期通常国会というのはこの国会のことでございます。この国会におきまして緊急事態基本法をつくるということで三党が合意をいたしております。これは非常に重いものでありまして、有事法制を通しますときに、これはやらねばならないということで三党が合意をいたしております。このことにつきまして、我が自民党の中におきましても今議論を詰めております。民主党さんにおいてもそのような作業が進んでおると承知をいたしておりますし、公明党さんにおかれましても同様でございます。
 このことにつきまして、それぞれの骨子について、政府のお考えをまずお尋ねいたしたいと思っております。
 この骨子というのは六項目から成っております。まず最初は、緊急事態の定義をどうするかということでございます。これは、ほかの法制とよく整合をとりながら、安全保障会議設置法等々の規定とよく整合をとりながら、射程距離がどこまでなのかということを定める作業が必要であると考えております。
 二番目の、緊急事態における基本的人権の尊重、これは常に議論されることでありますが、当然のことでございます。ただ、憲法と重なる規定をどのように書くのかという議論は必要であると私は考えております。
 三番目、国民の役割をどうするかということでございます。国民、そして国、地方公共団体の役割をどうするかでありますが、特に問題となりますのは、国民の責務というものをどう考えるかということでございます。
 昨年の委員会において、さて、民間防衛的な組織をつくることが必要であるかどうかという議論がございました。政府としては、そのような民間防衛組織というものを、きちんとしたものというのは考えてはいるけれども、基本となるのはボランティアである、みんなの自発的な意思によってそういうものをつくるのであるということであって、民間防衛組織というのはかくなるもの、かくなるものをこのようにしてつくるのだということを提示することはいたしませんでした。民間防衛というのは、別に国民が竹やりを持って戦うわけでも何でもなくて、避難等々においてどういう役割を果たすかということでございますが、このことについてどう考えるか、政府からお考えを承れればありがたいことであると思っております。
 問題はどれかといいますと、五番と六番です。
 緊急事態における国会の関与というのは、これはある意味、それぞれの法律に規定がございますから、理念的な訓示規定になるだろうと私は思っております。
 問題は五番の、緊急事態における内閣総理大臣の権限、具体的にどのように書いてあるかといいますと、「緊急事態における迅速かつ的確な内閣総理大臣の意思決定を確保するため、閣議との関係を検討する。」これが合意事項でございます。さて、これを政府としてどのようにお考えになるかということであります。
 昨年、中国の潜水艦が入ってくるという事態がございました。潜没潜水艦に対します対応につきましては、これは海上警備行動を下令するわけでございますけれども、迅速な閣議決定の仕組みというものをあらかじめ担保してございましたので、閣議を開いてそこにおける合意を得てということを外しまして、防衛庁長官から内閣総理大臣という形で行われたわけでございますが、事は潜没潜水艦だけではございません。
 例えて言えば、九・一一におけるニューヨークに民間の旅客機が突っ込んだということがございました。そのときにどうするのということで、きちんとした方針は今政府で、私は、確たるものがあるとは承知をいたしておりません。
 しかしながら、そのときに考えるんだということで対応ができるものかといえば、私は決してそうだとは思っていないのです。そのときにどうするのということはあらかじめ決めておかなければいけないし、そのときに、では一々閣議を開くのかねといえば、それはそうでもないでしょう。しかしながら、憲法並びに内閣法において定められた閣議の位置づけというものを考えた場合に、では、内閣総理大臣はこれはこうするというふうにすべてすっ飛ばしてやっていいかといえば、それは決してそうでもないのだ。
 では、あらかじめどうするのだという手順等々を閣議において決めておく、潜没潜水艦の例のようなもの、ありとあらゆる想定される事態について定めておくことは、私はこれは必要なのだと思っておるのです。
 今の法律において、例えば九・一一同時多発テロ、飛行機が突っ込むというようなことがこの国で起こったとしたならば、私は、今考えられるのは、航空自衛隊に対して治安出動を下令する、どう考えてもそれぐらいしか残らないだろうと思うのですね。領空侵犯措置で常に対応できるかといえば、そうではない。もし撃墜まで含むのだということを考えるならば、それはそういうことになるのではないか、これもまだぎりぎり詰めたわけではありませんけれども。
 では、どのような場合にどう対応するかということをあらかじめ定めておくことは極めて肝要なことではないかと思いますが、大臣の御見解を承りたい。

発言情報

speech_id: 116205054X00220050331_009

発言者: 石破茂

speaker_id: 20757

日付: 2005-03-31

院: 衆議院

会議名: 武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会