松崎哲久の発言 (本会議)

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○松崎哲久君 松崎哲久でございます。
 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました内閣提出の総合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等の一部を改正する等の法律案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 まず冒頭、私たち民主党のこの改正案に対する前提ともいうべき立場について説明いたします。
 第一。私たちは、国土のありようを長期的に、かつ総合的に考える計画は基本的に必要であると考えます。しかしながら、本改正によって、我が国が現在直面している巨大な、かつ重要な時代の変化に対応できるものではないと判断せざるを得ません。
 第二に、本改正の提案が余りにも性急であり、拙速であり、法案として十分に成熟度があるとは思えないわけであります。与党の諸氏からは、とかく、反対するなら対案を出せという議論を聞きます。しかしながら、拙速ゆえに反対するのですから、対案は、十分に時間をかけて準備を尽くせということに尽きます。拙速の案に対して拙速の対案を求めるのは、本末転倒、問題のすりかえとしか言いようがありません。(拍手)
 第三に、しかしながら、国会は数の論理が物を言うところであり、私たちが数において劣勢である以上、賛成多数で可決されることを前提に、次善、三善の策を求めることも必要であります。
 私たちは、本改正案の最大の問題点は、国土交通政策を長期にわたって規定していくことになる計画が、国権の最高機関であるこの国会の審議を経ずに策定されてしまう点にあると考えます。したがって、国会の承認を求めることにする修正その他を非公式に申し入れましたが、残念ながら、十分な回答は得られませんでした。
 国会承認を必要としない行政計画に余りに広範に権限をゆだねるという国会軽視のこの姿勢は、政省令に多くをゆだねる郵政民営化関連法案と同様に、議会政党として看過することはできません。よって、私たちが政権準備政党として現実の政策課題に真摯に、積極的に対応していこうとする限り、本案には反対せざるを得ないのであります。(拍手)
 次に、ただいま申し上げたことをいま少し具体的に、事実に即しまして指摘させていただきたいと思います。
 初めに、本改正によって国土総合開発法という法律の題名を国土形成計画法に改めることになっています。国土形成、既に形のある国土を形あるものにつくり上げるというのはどういうことでありましょうか。
 改正後の第二条には、「国土の利用、整備及び保全(以下「国土の形成」という。)」とありますので、法律上は、利用、整備及び保全がすなわち形成ということになります。しかしながら、これは一般に理解されている形成という言葉の意味とは全く違います。
 実は、委員会審議の過程で、民主党の質問者の半数以上が、この題名に違和感を持つという発言をいたしました。また、北側国土交通大臣も政府参考人も、この用語には必ずしもしっくりいっているわけではないという答弁がございました。
 その際の議論をここでは繰り返しませんが、古来、日本は言霊の幸う国と申します。言葉は実体をあらわすのです。実体がきちんとしていれば、それをあらわす言葉、適当にあらわす言葉があるはずです。なければ、探すのです。あいまいな言葉をあいまいのままに使うのでは、中身に対する自信のなさをあらわしていることになります。(拍手)
 ちょうど郵政民営化関連法案において、民営化後に設立される会社が郵便局株式会社や日本郵政株式会社であるように、ただ株式会社を接ぎ木しただけなのと同様であります。
 いずれにいたしましても、世界に冠たると言われた日本の官僚機構の方々の国語や言語に対する感性が衰えているのではないかというふうに感じます。言葉を大切にしない民族は滅びるという箴言、戒めの言葉を考えたら、国土形成計画法などという題名からして、成熟度の低い法律によって描かれる、新しいけれども未熟な計画に対して、暗たんたる気持ちを禁じ得ないのであります。(拍手)
 本改正が実現いたしますと、両三年内に新しい計画を策定することになります。ところが、今私たちは、平成十年策定の二十一世紀のグランドデザインの実施期間中にあるのです。目標達成年は平成二十二年ないし二十七年と言われるこのグランドデザインと新しい計画はどう整合するのか。従来の全国総合開発計画が達成し得なかったものをどう評価し、その責任をとろうとしているのか。
 道路公団、年金、そして郵政と、看板をかけかえて改革と言い募るのは小泉内閣の常套手段でありますが、ここにも問題のすりかえがあるのではありませんか。しかも、このすりかえは、巨大な予算が使われる割には目立たないところでひそやかに行われようとしているのです。私たち民主党が受け入れられるものではありません。
 昭和四十八年内閣提出の国土総合開発法改正案は、曲折を経て廃案。昭和四十九年に、委員長提案による国土利用計画法と議員修正による国土庁設置法の成立という結果になりました。国土庁は総理府の外局として設置されましたから、内閣総理大臣が所管する調整官庁だったのです。ところが、橋本行革に伴う平成十三年の省庁再編で国土交通省の一局となり、計画立案と実行部門が同じ屋根の下に入る結果となりました。
 私たちは、過去の全国総合開発計画の光と影を検証し、新しい時代に即したものにしていくためには、総合的な国土交通体系の形成を模索し、追求するのは、一省庁、一大臣の管轄下における行政計画ではなく、国会による議決が必要な形にしなければならないと思っております。国土交通大臣が計画策定の主体であり、かつ実行者であるということを明確に規定する本改正は、むしろ、従来の全国総合開発計画よりも後退していると言わざるを得ないのです。(拍手)
 新しい時代の新しい計画に要請されることは、地方の主体性をいかに確保できるかにあると考えますが、本改正では、地方分権の視点が十分とは言えません。広域地方計画を策定することにより、一見、地方分権が進むようには見えますが、権限も財源も中央に残したままでは、地方の創意と工夫を生かすことができるわけがありません。これでは、本来地方が担うべき領域に国土交通省の地方整備局を通じて国の関与が強化されるだけであり、結局、一律の、横並びの計画が立てられ、数と量を競って国あるいは地方整備局への陳情合戦が激しくなるだけということが危惧されるのであります。
 分権型社会への道筋は、既に否定のできないとうとうたる流れをなしております。理念を提示し総合調整を行う国の役割は決して必要がなくなるわけではありませんが、広域地方計画の策定主体はあくまでも地方であるべきであり、国の関与がさらに強まるおそれのある本改正は、時代に逆行するものと言わざるを得ません。

発言情報

speech_id: 116205254X03020050614_008

発言者: 松崎哲久

speaker_id: 7086

日付: 2005-06-14

院: 衆議院

会議名: 本会議