牧野聖修の発言 (本会議)
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○牧野聖修君 民主党の牧野聖修です。
私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました五十五日間の会期延長に対して、反対の立場から討論をするものであります。(拍手)
以下、反対の理由を申し上げます。
反対理由の第一は、国会運営のルールに関してであります。
通常国会の会期は、国会法にも定められているとおり、百五十日であります。特別国会、臨時国会には会期の定めがなく、通常国会についてだけ会期が定められています。この点を踏まえ、内閣には当然、最初から十分に計画し、法案を会期内で成立させる責務があるのであります。(拍手)
もちろん、与野党ともに納得するような緊急性、重大性のある法案があり、その審議が会期内に十分にできないといった場合には、会期延長もあり得るでありましょう。そのために、通常国会についても、一度だけ会期延長が認められているのであります。
しかしながら、今回のように与野党の賛否が最初から明確に分かれているような法案を、もっと言えば、与党内での賛否さえ割れている法案を、政府の都合だけで、残り少ない会期を承知の上で提出するようなやり方は、会期制の持つ意味を全くなくしてしまうものであり、会期という定められた時間の中で議論するという約束を破るようなことは、決してあってはならないのであります。(拍手)
与党幹事長から議長への会期延長の申し入れでは、ただ単に「議案の審議状況に鑑み」という一言のみを理由としているだけであります。このような理由にならない理由で会期を五十五日間も延長しようとするのは、まさに現在の議会制度を破壊しようとする以外の何物でもありません。(拍手)
もし、それでもというのであれば、国会法を改正すべきであります。これは国会運営上の最低限のルールであります。もし、ここで会期の延長をするということであれば、政府・与党はこの矛盾をどのように説明するつもりなのか、疑わざるを得ないのであります。
反対する第二の理由は、今回の会期延長が余りにも党利党略、個利個略によるものであるからであります。(拍手)
昨年秋の臨時国会におきまして、私たちは、野党としては異例の十一日間の会期延長を提案いたしました。国民の政治不信を高めた一億円のやみ献金疑惑の解明、自衛隊のイラク派遣延長問題、相次ぐ災害に対応するための被災者生活再建支援法の改正など、喫緊の課題が山積していたからであります。しかし、我々の申し入れに対して、与党の皆さんは、これを一顧だにせず、会期延長を否定したのであります。翻って、今般、与党の皆さんによる会期延長提案の理由を吟味いたしましても、議会や国民を納得させるだけのものは何一つとしてないのであります。(拍手)
政府・与党は、この延長を、いわゆる郵政民営化関連法案等を審議するためと位置づけております。もちろん、現在審議中の法案の審議を進めることは必要なことであります。
しかし、問題は、ここに至る経過であります。郵政民営化問題は、与党内、特に自民党内の党内政局の道具と化し、郵政事業の民営化が国民にとってどのような意義があるのか、本当に郵政事業の民営化が必要なのか、なぜ郵政公社ではいけないのかといった肝心の議論が置き去りにされ、審議とは関係のないところで不毛な修正議論が行われているのであります。今なぜ郵政民営化しなければいけないのかとの疑問への答えが全くないと、長年、自民党を支持してきた多くの団体の会長さんたちの発言であります。
政府・与党は、このような個利個略の政争を繰り広げたあげく、慌ててばたばたと法案提出に踏み切ったのであります。提出された法案の審議は、短期間でできるものではありません。歴代の郵政大臣の答弁を担当大臣が政治家個人の信条などと答弁しているようでは、とても国民の理解は得られるはずがありません。(拍手)
審議には十分な時間が必要であります。今国会を一たん閉じて、改めて臨時国会を召集し、審議すべきであります。二十一世紀における郵政事業の役割を十分に議論し、内容を検討した上で再提出し、慎重な審議を行うことが国民から求められているのであります。現に先日、自民党議員の有志が、日本郵政公社改革法案を衆議院に提出しようとしたではありませんか。これは、自民党内の議論でさえ、いまだ十分に行われていないという証左であります。(拍手)
反対する第三の理由は、会期延長の目的であります。
本来ならば、今通常国会には、ほかにも重要課題として挙げられたものが数多くありました。年金を含めた社会保障改革、教育改革、景気・雇用対策等々であります。しかし、政府・与党はこれら重要課題を棚上げした上、法案の件数をぎりぎりに絞って国会に提出したのであります。したがって、政府・与党が当初考えていたように、会期内で十分に法案の処理ができたはずであります。
郵政事業の民営化は、喫緊の課題ではありません。最近の各種世論調査でも、相変わらず国民の関心度は下から数えて何番目といったありさまであります。ひとり小泉総理だけが、みずからの構造改革の本丸として郵政民営化を叫び続けているだけであります。
「民間にできることは民間に任せる」が、いつの間にか民営化が金科玉条になり、その本質はといえば、道路公団民営化に象徴される名ばかりの改革であり、その実態は国民に痛みを与えただけのものであります。小泉内閣のもとでは、国民の負担は増すばかりであります。厚生年金保険料、国民年金保険料、雇用保険料と次から次に値上げラッシュであり、一方では、年金資金も雇用保険料もむだ遣いの垂れ流しが横行し、まさに無責任政治のきわみであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
さらには、政治と金の問題であります。
与党は、もはやこの問題についての自浄能力さえも失っております。日本歯科医師連盟からの自民党旧橋本派への一億円のやみ献金疑惑あるいは迂回献金疑惑は、日本歯科医師連盟のやみ献金疑惑をめぐる裁判で次々と新たな事実が明らかになってきておりますが、国会での真相解明に向けた取り組みは遅々として進んでおりません。疑惑の真相を解明し、国民の政治不信を解消しようとする努力のかけらも与党からは感じられないのであります。日々国民の政治不信を高め、国会の権威と名誉を大いに失墜させていることを政府・与党は自覚すべきであります。(拍手)
しかも、小泉総理は、これまで唯一のよりどころとしてきた外交でのパフォーマンスにも失敗したのであります。我が国は、完全に四面楚歌の状態にあり、周辺国との間で多くの懸案事項を抱え、身動きできない状態に陥ってしまっております。
北朝鮮による日本人拉致問題の解決や同国の核保有問題に対処するためには六カ国協議の再開が不可欠でありますが、どう考えても、小泉内閣の対応で六カ国協議が開催されるとはとても思えません。この問題も、今や完全に他力本願になってしまったのであります。
また、今や、大臣政務官が暴言を吐いても、政府の一員としてではないとして官房長官が言いわけする始末であります。それでは、一体、大臣政務官とは何なのでしょうか。そうこうする間に、今度は文部科学大臣の妄言であります。小泉内閣は無責任内閣であります。国民の痛みがわからない小泉内閣に、他国の国民の人々の痛みがわかるはずはありません。郵政解散などと叫ばずに、さっさとみずからが内閣総辞職をすべきではありませんか。(拍手)
会期延長をするなら、せめて政治と金の問題について国民にわかりやすい決着を図るべきであります。迂回献金禁止の政治資金規正法改正に取り組むべきであります。残念ながら、政府・与党には、かけ声ばかりで行動と問題解決に向けた確固たる信念がありません。こうした意味でも、今回の会期延長は全く無意味であると言わざるを得ないのであります。
我々民主党は、常にすべての国会審議に全力を注いでまいりました。国会論戦を活発にさせ、審議を深めることが野党としての役割だと考えるからであります。必要があれば対案や修正案を提出し、特に十分な審議をするよう要求してきたのであります。政府・与党が理にかなった対応をとるならば、野党側もいたずらに反対、拒否するものではないと考えているのであります。しかしながら、しかしながら、どのように考えても、今回の会期延長は全く必要性も正当性もありません。(拍手)
以上、申し述べましたように、民主党は、今回の会期延長に断固反対であります。我々民主党は、今回の会期延長に断固反対であります。(拍手)
今こそ政党政派を乗り越え、今こそ政党政派を乗り越え、国家国民の立場に立って、本当に郵政民営化関連法案の廃案を目指しておられるすべての議員各位の勇気ある御英断を心から期待し、私の反対討論を終了するものであります。(拍手)