横路孝弘の発言 (予算委員会)
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○横路委員 そこのところの認識をみんなで早く共通のものにしなければいけないと思います。
労働時間が長いということはいろいろなところに影響していまして、例えば通勤が一番長いのは南関東なんです。男性の場合、平均で九十分通勤に時間がかかっています。そして、時間外労働も全国で一番多いところでございます。
厚生労働白書によりますと、この南関東地域というのは出生率が一番低いんですね。これはパラレルになっていまして、つまり時間外労働の長いところというのは出生率が低いんですね。ある意味では当然のことだと思います。南関東の場合九十分ですから、十二時間以上労働しているうち通勤が往復で三時間かかるわけですから、一日の十五時間以上とられているというのが南関東地域なんですね。全国で一番高い地域です。都市の周辺部ですね。周辺の住宅地域を抱えているところ。近畿もそうですけれども。ですから、労働時間の問題というのはいろいろなところに影響していくんですね。
日本の今の少子社会の理由の一つというのは、やはり男性全体、あるいは人々、男も女も含めて人の働き方自身を変えないとやはり変わっていかない。働いている女性のところだけに対応して、やれどうこうと言っても、なかなかやはりそれは解決しないということをこういう数字は示しているということを御指摘しておきたいと思います。
もう一つ、雇用の問題のもう一つは、最近はパート労働がどんどんふえていっています。
総理にお渡しした資料のナンバー4というのをちょっと見ていただきたいと思うんですけれども、これは平成十五年の九月の賃金総額です。このときは、正社員が六五・四、非正規社員が三四・六です。パートは二三%でございました。今はもうちょっと非正規社員やパートがふえているというように思います。
その賃金を見ますと、パート労働の賃金というのは、月収十万未満というのが半分を超えているんですね。五〇%を超えています。十万から二十万というのが四割ということですね。やはり契約社員、正社員ということになるとだんだん上がっていっているということで、問題は、最近少し雇用が改善されたと言っていますが、パート労働がふえていっているわけですね。そして、そのパート労働というのは非常に低賃金なんです。
同時に、パート労働の人たちの意見を聞くと、一つは、雇用が不安定である、賃金が低いということがやはり大きな問題なんですね。パート労働も、もう御承知のように、仕事はほとんど正社員と同じ仕事をしているという方が大体半数を占めておられます。私は、企業が厚生年金の負担が大変だからパートに変えるとか、人件費を削減するためにパートに変えるとかいうようなことで、個別企業は収益を上げるためにやっていることが、しかし結局国民経済的にいうと大きなマイナスになっているということなんですね。
ですから、今国民の年収を見ますと、三百万以下というのが大体四割近いんですよ。年収三百万以下という人が四割近いんですよ。三七、八%ぐらいいっているんじゃないでしょうか。二百万以下の年収の方が二〇%ちょっとぐらいということで、非常に低賃金になっていっているんですね。低所得層がだんだん形成されているということなんです。
それで、問題は、そのパート労働をどうするかということなんですね。
これは、もう世界の先進国はどこでもパート労働がふえていっていますから、どうするかということを、これもILO条約でいろいろな規定がございます、日本政府が批准していませんけれども。そしてそれは、やはり同じような仕事をしているフルタイム労働者と比較して、同じような労働をしているならば同じ、時間当たりの賃金などに差をつけてはいけない。そのほか、社会保険の適用、有休、そういう点のことについても差別をしてはいけないというのが大体世界の先進国の流れになっていますが、日本の場合は、給与についても、例えば男性の一般労働者を一〇〇としますと、パートの女性は五割を切っているという状態になっています。パートの男性の場合も五割を切っている、そういう状態なんですね。
そして、いろいろと調査しますと、企業の方は、今後ともできる限り正社員をパートにしたいというのが、ある調査ですと二五%ぐらいある。どちらかといえばそうしたいというのが、やはり三五%ぐらいある。だから、このままほっておくと、どんどんパートばかりふえていって、低賃金の働いている人々というのはふえていくという構図、構造なわけです。
日本も、皆さん方御承知のように、できるだけ均等待遇しようということで、パートについての指針なども変えながらやってきました。やってきたけれども、なかなか流れとしてはそれがうまくいっていない。どんどんパートがふえて低賃金労働ばかりふえているという状態にあるわけですね。
だから、まず第一は、やはり差別をしないということ。よく世の中に誤解があると思うんですが、正社員であるか非正規社員であるかという区分とフルタイム労働とパートタイム労働という区分は別なんですね。だから、オランダのように、正規社員であってパートタイム労働者というのはたくさんいるわけですよ。週休三日の人、週休四日の人、子供が学校に行っている間だけ働きたいというパート労働をやっている正規社員もいるわけです。
正規か非正規かというのはやはり身分にかかわってきますから、いろいろな労働条件、社会保険の適用などがそこで一緒に受けられるということになるわけですね。時間が違いますから、その分が違うのは当たり前の話なわけですよ。責任が違って形態が違えば、そこに差が生まれるのも、その範囲の中ではやむを得ないことだと思うんですね。しかし、同じように責任を果たして、同じ仕事をしているならば、同じ扱いにすべきだということは、これは世界の流れですし、日本も早くそこのところの原則をしっかり確立しないと、今の二極化、貧富の差の拡大というのはますます進んでいきます。
総理、これを何とか、やはりもっと積極的に是正する道をお考えいただきたいと思います。