坂本哲志の発言 (予算委員会第二分科会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○坂本(哲)分科員 おはようございます。自由民主党の坂本哲志でございます。
 最初に、質問の機会を与えていただきました、心から感謝を申し上げたいと思います。分科会初めての質問でございますので、どうぞお手やわらかによろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、マスメディアの集中排除の原則の問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 現在、ライブドア、ニッポン放送株の取得合戦のようなものがやられておりますけれども、これとはまたちょっと違う問題でもございますし、昨年来いろいろと問題化していることでございます。昨年の十一月に、大手の新聞社のグループの会長がテレビ局に対しまして名義株を持っており、これが実質新聞社のグループ支配になるのではないか、そういう議決権を有する株であるというようなことで問題が浮上いたしました。その後、全国の新聞あるいはテレビ、そして地方の新聞、テレビ、さまざまな集中支配の構造というような問題が出てまいりました。マスメディアの集中排除の原則が守られていないのではないかということで、今日に至って社会問題化しているところでございます。
 マスメディアの集中排除の原則とは、これはとりもなおさず放送法第二条第二項に定められておりますけれども、放送することができる機会をできるだけ多くの者に対し確保することによって、そして、放送による表現の自由ができるだけ多くの者によって享有されるようにするという趣旨にのっとりまして、電波法第七条にのっとって総務省の省令が出ているところでございます。複数放送局の支配の制限というふうに言われるものでございまして、もう一つは、テレビ、新聞、ラジオ、これが一体となって支配することを禁ずるというようなものでございます。
 つまり、同一地域に議決権を有するテレビ局は一つである、議決権を持つ株一〇%超を複数以上に保有することはできないというものであります。省令で定められているということでありまして、裏を返せば、都道府県一県域に一局は一〇%超の株を持って議決権を有することができるけれども、複数はできませんよ、二局以上はだめですよということでございます。
 これらの原則が昭和三十年代につくられてきたわけですけれども、これが、名義株というようなものの存在によりましてこれまであいまいにされてきた、そして、なし崩し的に中央もそして地方も支配の構造といいますか、そういったものがいつの間にかつくられてきてしまっているというこの現実、事実、そのことは否めないのではなかろうかなというふうに思います。
 総務省がことしに入りましてこういった実態を調査いたしまして、二月に、新聞、テレビ七十一社に対しまして、名義株の保有、あるいは、その他支配する側、される側それぞれに省令に違反するものがあるというようなことで七十一社に対しまして是正の指導をしたところでございますけれども、これまでに、三月までに一社を除いて七十社が、名義株問題も含めて是正をする、あるいは是正された、問題が解消されたというような報告がなされているというふうに聞いております。
 放送法それから電波法にのっとりました集中排除の原則は、これからの放送事業に対してのさまざまな公平性、透明性、それを高める上でこれからしっかりと遵守されなければならない問題であるというふうに思います。これがこれまで何かにつけてうやむやにされていたところに、あるいは未整備であったことが、今回のライブドアとニッポン放送の間のさまざまな株の取得問題、ひいては外資によるマスメディアの間接支配、これは安全保障問題も絡んでくる重要な問題でございますけれども、こういうものに発展してきたというふうに思います。ここで、もう一度その原則にのっとって、集中排除の原則というものをしっかりと各マスコミ、マスメディアの中に浸透をさせなければいけないというふうに思うところであります。
 しかし、一方で、この放送局の発展過程というのは、非常に日本の場合にいろいろ複雑な、多様な要素をはらんでおります。特に、昭和四十年の後半から五十年にかけまして、各地方に地方の放送局が二局、三局と出てまいりました。UHFそしてFM放送局、さらに、その後、衛星放送、そして地域のコミュニティー放送局というような、さまざまなメディアの形態が出てまいりました。
 そういう中で、どうしてもやはり地方の、地域の有力なメディアあるいは新聞社、県庁あるいは市役所、そういったものが放送局の株の仕切りをしてくる、そして、地域なら地域の一つのメディアの構造がこれまででき上がってきているというのが現実であろうというふうに思います。最近はこれにデジタル放送の問題が出てまいりまして、ローカルテレビ局のデジタル放送化への投資に関する経営基盤の強化の問題というのも出てまいりまして、これは昨年いろいろと論議されたところでございます。
 そこで、集中排除の原則をとにかく貫くということは、これは道理であり、これは今後総務省の間でも各マスコミに対してしっかりと指導をしていかなければいけないところでございますけれども、私が問題にしたいのは、ここで放送局の整理が必要になってくるのではないか、もう整理が必要な時期になっているのではないかなというふうに思います。
 まず、中央のキー局あるいは中央紙と地方のローカル局、地方紙の区分けの問題がある、中央と地方の整理の問題があるというふうに思います。
 これは、中央と地方ではかなりその放送網の発展過程というのが違っております。そして、特にその中で、地方に行きますと、一つの都道府県をネットワークといたします、県域といたします地上波の放送局、そしてラジオ局、さらに後発のFM局というのがございます。そして、それにおくれて設立をされております地域のコミュニティー放送局というものがあります。これは、市町村を一つのエリアとして、それぞれが、議会の状況とかあるいは災害への対処の仕方とかあるいは交通情報とか、まさに生活の利便性を高めるために活用されている放送局ということで、これは、採算を度外視して、地域の新聞社なりあるいは放送局なり、あるいは市役所なり県庁が出資をして、そして、その中で生活放送局というような形で放送をされているというような局でございます。
 ですから、キー局がある、そして地方局がある、地方局の中にこれまでの都道府県をエリアとする地上波の放送局がある、そしてFMがある、そして地域のコミュニティー放送局がある、こういった非常に多様な複層的な構造になっておりますので、このことに対して、集中排除の原則、一〇%超の株を複数にわたって保有することができないということを原則的に適用するのはいかがなものかなというような気もいたします。
 地方の放送局を支えるためにはそれなりの良質の地方の企業が必要なわけでございますけれども、地方の良質な企業といえば、それは放送局、新聞社以外には、地方の銀行であったりあるいはデパートであったりということで、数が限られてまいります。どうしてもそこに出資という問題が絡んでくると、なかなか出資ができない、そして、その放送局あるいはコミュニティー放送局の存亡そのものにもかかわってくるというような問題が起きてまいります。そういうことで、一律の原則的なものだけでの指導が行われますと、地方におきましては、経済界も言論界も、それから行政も含めて困惑をしているというのが実情であります。
 そこで、今後、さらに地域の実情を勘案しながらいろいろな御配慮をお願いしたいと思いますけれども、放送局のそういった整理、その中でどういう形で集中支配の排除というような原則ができるのか、そして、本当に地域の小さなコミュニティー放送までそういったものが必要なのかどうか。それはそのまま災害時にはまさに公共放送になるわけでありますし、有事の際はさらにもっと大きな公共性を有するわけでございますので、今後のメディア排除の原則をどこまで適用するのか、そして、もっと地方の実情を勘案した、きめ細かな省令なりが必要ではないのか。
 ことしは免許更新をする放送局が多いわけですけれども、それ以降の指導のあり方、そういったものについてお伺いをいたしたいというふうに思います。

発言情報

speech_id: 116205272X00120050225_007

発言者: 坂本哲志

speaker_id: 471

日付: 2005-02-25

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第二分科会