小島朋之の発言 (外交防衛委員会)
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○参考人(小島朋之君) 榛葉先生の方から二点御質問がありましたが、第一点目、靖国神社に代わる追悼施設、これは可能か、こういうことであります、御質問でありますが、この御質問に対しての私の考え方というのは、ほぼ柳井大使と同じであります。確かに、追悼施設が造られればふさわしい。しかしながら、今の日本の国内世論がそれでまとまるのかどうなのか、やはりそこが一つ肝心なところであり、そして中国がこういうことを靖国について要求しているから造るということであると、なかなか難しいだろうと思っております。
二点目、若い世代が今こういった形で反日感情を持ってデモや大きな動きをしているが、もう一つその社会の内部にある不満を持つ層、これはどの辺りに具体的にあるのかという御質問だったと思いますが、それは、一言で言えば改革・開放の恩恵に恵まれていない人々と。恵まれていない人々は、基本的にはかつて中国共産党を支持してきた階層であると、農民と労働者であると。そこが今大きな不満を持っているということだろうと思います。
農民ということで言えば、一九八五年に農民の一人、農民の一年間の年収、純収入を一としたときに、都市住民の所得、可処分所得というのは一・八だ、こう言われていました。現在、それが、昨年でいけば一対三・四に広がっていると。地域で見ても、内陸と沿海ではかなりの格差が拡大し続けていると。ここのところが問題であり、政権もそれを認識し、三農問題を解決する、農村、農業、農民、この三つの農の問題を解決するということで取り組んでおりますが、結論的に言えば、格差はまだ拡大していると。こういった人々が昨年後半以降、日本のメディアでも伝えられましたが、地方で政府に対して抗議のデモをし、政府のビルを占拠し、こういったような行動があったということであります。
レジュメに書きましたように、これは二〇〇三年の数字でありますが、上訪といいますのは、これは都に陳情に上ると、こういう意味でありますが、二〇〇三年、一千万件こういうのがあったと。そのうち、解決されたのは〇・〇二%であると、解決しないまま地方に戻れないということで北京郊外には陳情村というのがあちらこちらにあると、こういうことであります。
こういった人々の問題というのをどう対処していくのか、どう解決していくのかというところが今政権にとっては決定的に重要な問題ではなかろうかと思っています。