小池百合子の発言 (環境委員会)

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○国務大臣(小池百合子君) 環境大臣及び地球環境問題担当大臣の小池百合子でございます。第百六十二回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。
 最近、世界の各地で洪水、干ばつ、熱波などの異常気象が発生しています。特に昨年は、日本でも、夏の記録的な猛暑に加えて、数多くの強大な台風が上陸し、多くの人命を奪うなど激甚な被害をもたらしました。このような中で、国民のだれもが、気候の変動や異変を直接肌で感じ取り、関心を高めているのではないかと思います。
 これを環境問題との関連で見ると、地球温暖化が進行することによって、異常気象が頻発し、その規模も大きくなることが予測されています。今こそ、関心の高まりを契機として、私たち一人一人が、地球温暖化などの環境問題を自らの問題として再認識することが重要です。今日の環境問題の多くは、通常の事業活動や家庭における日常生活など、私たちが前提としてきた社会経済の在り方そのものに起因するものであるということを、しっかりと踏まえなければなりません。その上で、これまでの事業活動やライフスタイルの在り方を根本から見直し、環境保全の知恵を結集して積極的に取り組んでいくことが、環境と経済の統合による持続可能な社会の構築につながっていくものと考えます。
 以上の基本的な考え方に基づき、社会経済の大転換を実現するため、環境省では、脱温暖化社会の構築と循環型社会の構築を二本柱として施策を推進します。
 第一に、脱温暖化社会の構築につきましては、二月十六日に京都議定書が発効し、国際社会は、地球温暖化防止に向けて新たな一歩を踏み出すことになりました。我が国は、地球温暖化防止京都会議の議長国として、議定書の六%削減約束を果たすことはもとより、技術の開発普及などの中長期的な視点に立った施策を推進し、他国に先んじて脱温暖化社会づくりを進めることが重要であると考えます。
 このため、議定書の約束を確実に達成するための対策、施策等を盛り込んだ京都議定書目標達成計画を策定いたします。また、地域における再生可能エネルギーの集中導入の支援や、温暖化対策に関する先端技術の開発と新しいビジネスの創出、自主参加型の国内排出量取引制度の創設、国民運動を大規模に展開するための集中的なキャンペーンの実施などに取り組みます。さらに、事業者からの温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度を導入するため、地球温暖化対策推進法の改正案を今国会に提出いたします。
 環境税については、有力な追加的施策であると考え、昨年、環境省から具体案を公表し、これについて様々な場で議論していただきました。今後は、与党税制改正大綱と政府税制調査会答申の指摘をしっかりと受け止め、また、京都議定書目標達成計画に掲げる対策、施策の実効性を確保する観点から、環境税について早急に検討を進めます。
 国際的にも、京都議定書以後の将来約束についての交渉が本年から開始されます。すべての国が参加する共通ルールの構築に向け、各国との政策対話を進めるなど、積極的に貢献してまいります。
 第二に、循環型社会の構築につきましては、ごみゼロ社会の実現を目指し、廃棄物等の発生抑制と適正な循環利用を総合的かつ計画的に推進します。このため、有料化や分別収集に関するガイドラインの作成などを通じて一般廃棄物の減量化やリサイクルを推進するほか、容器包装リサイクル法の見直しに向けた検討を進めます。また、三位一体改革の議論も踏まえ、新たに循環型社会形成推進交付金を創設し、廃棄物処理・リサイクル施設や浄化槽の効率的、効果的な整備を推進するほか、PCB廃棄物処理事業の円滑な実施を図ります。さらに、大規模な不法投棄や廃棄物の不適正な輸出等への対応を強化し、より適切な事務処理体制を確立するため、廃棄物処理法等の改正案を今国会に提出いたします。
 また、廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)のいわゆるスリーRの推進は、国際的にも重要な課題となっています。昨年六月のG8シーアイランド・サミットで小泉総理が提唱したスリーRイニシアチブを受けて、本年四月に我が国でスリーRイニシアチブ閣僚会合を開催します。この会合を契機として、アジア地域、そして世界にスリーRの取組を広げていきたいと考えております。
 以上のような脱温暖化社会の構築と循環型社会の構築を推進するに当たっては、技術革新や国民一人一人の意識改革など、事業活動やライフスタイルの見直しを促すための基盤となる取組を進めることにより、社会経済の大転換を更に加速させていきたいと考えております。
 このため、地域、特に家庭や学校に焦点を当てた取組を推進していきます。具体的には、環境と経済の好循環を生み出す町づくりに取り組むほか、学校校舎におけるエコ改修事業や燃料電池導入への支援、家庭における環境教育の実施など、身近な暮らしにおける環境保全活動や環境教育を推進します。また、ナノテクノロジーの活用を始めとする環境技術の開発普及を推進するほか、環境ビジネスの育成、振興を図ります。
 さらに、我が国の環境技術やライフスタイルの世界への発信や、アジアを中心とする環境協力の取組を積極的に展開することにより、環境分野における国際貢献を果たします。
 自然と共生する社会の構築も重要な課題です。このため、環境保全、観光振興、地域振興を目指したエコツーリズムを推進するほか、国立公園等の管理体制を抜本的に充実強化するなど、自然と共生する地域づくりを進めます。また、温泉事業者による温泉の適切な表示を進めます。
 さらに、昨年の通常国会で成立いたしました外来生物法の着実な実施に加え、外来生物の防除事業の実施、新たな世界自然遺産の登録など重要な生態系の保全、再生の推進、野生生物の保護管理と飼養動物の愛護管理の強化に取り組みます。
 環境汚染を防止し、安全で安心できる社会を構築することも重要な課題です。自動車排出ガス対策については、世界最高水準の新車規制や大都市における特別な規制の実施、低公害車の普及促進に加えて、建設機械などのいわゆるオフロード特殊自動車からの排出ガスを規制するための法案を今国会に提出いたします。
 また、ヒートアイランド化を防ぐ都市対策を推進するほか、顕著な改善が見られない湖沼の水質の保全を図るため、湖沼水質保全特別措置法の改正案を今国会に提出いたします。
 さらに、化学物質による環境リスクの低減とリスクコミュニケーションの充実強化、公害健康被害の補償、予防の着実な推進、被害の未然防止の観点からの毒ガス対策の実施など、各般の施策を講じます。
 水俣病については、来年、公式確認から五十年の節目を迎えます。環境省としては、平成七年の与党三党による政治解決や昨年の関西訴訟最高裁判決なども踏まえ、水俣病対策を今後とも一層着実に実施します。
 二十一世紀に入り、国内外の社会経済は、ますますスピードを速めて変化を遂げています。こうした変化に対応した新しい環境政策の基本構想を示すため、現行の環境基本計画の見直し作業を進めます。
 以上のような各分野における施策の実施に当たっては、国民、民間団体、事業者、地方公共団体など各主体との連携を、より確かなものとしていきます。とりわけ、六月の環境月間を中心とした広報活動の積極的な展開を通じて、あらゆる人々が環境問題に高い関心を抱き、問題意識を共有して環境保全の取組をともに進めていくことができるよう、努めてまいります。
 また、地域の実情に応じた機動的できめ細かな環境行政を展開するため、現在の自然保護事務所と地方環境対策調査官事務所を統合し、本年十月に地方支分部局である地方環境事務所を設置します。このため、環境省設置法の改正案を今国会に提出いたしております。
 二十一世紀が環境の世紀となり、持続可能な社会への変革を実現できるかどうかは、現在の私たちがどのように生きるかにかかっています。その分岐点に立つ私たちは、目先の利益を追うだけではなく、将来の地球のために何をなすべきかを考え、ためらわずに取り組んでいく責任があります。
 環境を良くするための取組が適切に評価され、私たち一人一人が地球を守る担い手であることを実感できるような環境の国づくりを目指して、私は、これからも全力で取り組んでまいります。
 委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 小池百合子

speaker_id: 10899

日付: 2005-03-08

院: 参議院

会議名: 環境委員会