北岡秀二の発言 (経済・産業・雇用に関する調査会)
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○北岡秀二君 座ったまま報告をさせていただきます。
委員派遣の御報告を申し上げます。
去る二月十七日から十八日までの二日間にわたり、京都府において、経済・産業・雇用に関する実情について調査してまいりました。
派遣委員は、広中会長、加納理事、朝日理事、辻理事、松理事、小野委員、小泉委員、西島委員、松村委員、小林委員、広田委員、和田委員、浜田委員、井上委員、渕上委員、そして私、北岡の十六名でございます。
以下、調査の概要を申し上げます。
まず初めに、京都府から京都府の経済・産業及び雇用の現状と課題について、また京都商工会議所から京都における観光産業振興及び中小企業振興への取組について、それぞれ説明を聴取しました。
京都府には、歴史や文化にはぐくまれた伝統産業が数多く存在する一方、創造的な中小企業やベンチャー企業が活発に活動する風土があります。京都府が実施する施策においても、歴史や伝統を大切にするとともに、将来に向けて活力ある京都府の産業を切り開くことを重視したものが展開されております。
具体的な施策として、大手企業とのネットワークを持つ個人や販路開拓等のノウハウを持つ団体を創援隊と称する応援団として組織し、ベンチャー企業等の販路開拓を進めていくといった非常にユニークなものが紹介されました。また、小規模企業おうえん融資の創設やあんしん借換融資の延長等により、中小企業の資金面での支援がより強化され、厳しい経営環境の中、中小企業の経営の安定が積極的に図られているとのことでした。
京都商工会議所からは、産学公連携を踏まえ、民間の立場からの積極的な取組が紹介されました。特に、京都の文化、歴史の継承と観光の振興等を目的とした京都・観光文化検定試験の実施や、小倉百人一首を通じて文化、芸術等の発展を図る小倉百人一首文化財団の設立など、長い歴史と文化に支えられた京都ならではの独創的な観光・文化振興活動の在り方が紹介されました。
また、昨年九月に開催された京都ブランドフォーラムでは、清少納言の枕草子をモチーフとした京都創造者憲章が発表され、京都ブランドの確立、発展が図られていることが紹介されました。派遣委員からは、中小企業を対象とした融資制度の利用状況のほか、外国人観光者数の増加等を見据え、京都の歴史的な景観整備の在り方等に関して質疑がありました。
次に、株式会社島津製作所を視察しました。まず、カスタマーサポートセンターにおいて、同社の原点でもある各種の計測・分析機器について説明を聴取しました。また、二〇〇二年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一フェローからは、たんぱく質の質量分析装置について非常に親しみの持てる分かりやすい説明を伺いました。こうした先進的な取組に対して高い評価を得ているにもかかわらず、服部社長は同社の基本的な姿勢として、見えないものを見る、測れないものを測ると語るなど、躍進する企業の強さをうかがい知ることができました。派遣委員からは、技術開発から製品化に至るまでに要する時間、製造個数、価格等に関して質疑がありました。
また、同社のメディカルセンターでは、核医学診断システムを始め、様々な先端医療機器を視察しました。これら医療機器においても同社の高度な技術が遺憾なく発揮されていることはもちろんですが、その技術の根底には、患者に対する負担を少しでも少なくしようとする人間的な優しさがあることを知りました。
次に、滋賀喜織物株式会社を訪れました。西陣織の伝統を受け継ぎ、高い技術に裏打ちされた格調高い帯を作る過程を視察し、昔ながらの作製方法にかたくなにこだわる姿勢から、歴史にはぐくまれた伝統産業を担う誇りが強く感じられました。
次に、西陣織会館を視察しました。西陣織の出荷額が大きく減少した背景として、近年の厳しい不況に加え、外国から類似製品が流入していることも大きな要因であるため、より厳しい原産地表示を義務付けてほしい等の要望が示されました。派遣委員からは、西陣織に携わる労働者数の推移等雇用面での質疑等がありました。
次に、京都工芸繊維大学地域共同研究センターのインキュベーション・ラボラトリーを視察しました。同大学発のベンチャー企業を支援するこのラボラトリーでは、抗酸化物質の探索及び活性の評価と数値化のための研究開発、電子産業用の新しい薄膜製造法の開発、蚕に感染するウイルスが作るたんぱく質を利用した感染症の診断チップ等の作成について説明を聴取しましたが、これら独創的な研究からはベンチャー企業が持つ無限で未知なる可能性と勢いが感じられました。派遣委員からは、産学公連携を踏まえ、学生や研究者等における民間人の割合やその雇用形態等について質疑等がありました。
最後に、京都府若年者就業支援センターを視察しました。京都府では、積極的な雇用施策を展開することにより、平成十三年には六・三%と全国でワースト三位であった失業率が平成十五年には六・〇%となる等、徐々に改善されているとのことでした。特に、若年者の就業支援については、厳しい雇用環境の中、全国に先駆けてワンストップサービスを提供することを通じ、平成十六年度における就職内定者数が、目標の千人に対し、二月十七日時点で千百人となる等目覚ましい成果を上げているとのことでした。同センターでは若年者に対する就職支援の取組を実際に視察しましたが、こうした成果が出ている背景には、一人一人の若年者に対して担当者が一貫して対応することにより若年者に余計な不安感を与えないようにするなど、きめ細やかで真摯な職員の支援があることが分かり、その職務の重要性を改めて認識しました。派遣委員からは、大学等と企業との間のインターンシップの実態、就職した学生の会社における定着率、同センターを訪問するに至らない若年者に対する支援の在り方等に関して質疑がありました。
最後に、今回の派遣に当たりまして、京都府並びに関係者の皆様から多大な御協力をいただきましたことに厚く御礼を申し上げ、御報告を終わります。
以上です。