中川昭一の発言 (経済産業委員会)

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○国務大臣(中川昭一君) 日本は、いわゆる経済貿易立国としてこれからも生きていかなければならないわけでございますので、世界じゅうの国々と仲よくし、そして広い意味の経済的な関係を広げていくことが、日本はもとよりでありますけれども相手の国にとってもプラスになるという基本的なスタンスは、これはもう加納先生と共有させていただくことができると思います。
 そういう意味で、今、これも今年一年大事な作業でございます、いわゆるマルチの場のWTOと、それからいわゆる個別の経済連携であるFTA、EPAというものが車の両輪だと、どちらも前進させていかなければならないというふうに考えております。
 そういう中で、何を戦略にしていくかということでございますけれども、例えばアメリカなんかを見ますと、アメリカは、まあ経済もそうですけれども、かなり政治的なことを意識したFTA戦略を取っているやに私は判断をいたします。例えば、中東に、どんどんどんどん中東とのFTAを進めていくでありますとか、あるいはまた、これは例としていい例か悪い例かよく分かりませんけれども、豪州とはFTAをあっという間に結んだけれども、豪州とある意味では経済的に非常に一体であるニュージーランドはアメリカとやりたいと言ったんですけれども、アメリカはノーと言って交渉を進めないと。これは何を意味するのかはまあいろいろ、ここから先は推測でございますから申し上げませんけど、現実としてそういうことがあるわけでございます。
 EUなんかは、EUも積極的にいろんな国とやっておりますけれども、例えばEUに加盟していないヨーロッパの国々とも、例えばスイスなんかとEUはFTAを結んでおります。と同時に、EUは、それ以外の地域を見ますと、いわゆる旧植民地といいましょうか、EUとしては旧宗主国であるアフリカとかカリブとか、そういうところの国との経済関係を、おおむね発展途上国でありますけれども、そことのEPAをかなり積極的にやっているというようなところも見られます。
 さらには、メキシコとかモロッコなんかは十字路戦略といって、FTAをできるだけ多くの国と結ぶことによって東西貿易あるいはまた南北貿易の一つの交差点としての位置付けとしてこれから経済発展をしていこうと、いろんな戦略が見えて取れるわけでございます。
 それでは、日本はどういうことになりますかというと、日本は、世界じゅうとさっき申し上げましたが、確かに世界のいろんな国の方々とお話ししていると、日本とやりたい、FTAを結びたい、EPAを結びたい、そしてまた日本の先端技術を導入したい、中小企業の振興のためにいろいろとノウハウを投資をしてもらいたい、いろんな要望を、えっ、こんな国からも言われるのかなというぐらいに、私は非常にある意味ではそれだけ日本に対する期待が大きいんだなというふうに思っておりますけれども、一々、今言われたからじゃやりましょうというほど、実は我々の方のいろんな意味での能力には限界があるわけでございますので、おのずから優先順位を付けなければならないわけでございます。
 そのときには、やっぱり先ほど申し上げたように、やりやすいところからという意味では第一番目のシンガポールが非常にやりやすかった、日本としての初めての相手国としてはとってもいい相手と結ぶことができたと。次はメキシコという、ある意味では大国でございますけれども、いろいろありましたけれども、いよいよ先生御指摘のように四月からスタートをする。現在は、御承知のとおり、いろんな国ございますけれども、やっぱり日本の近い国、御近所である韓国、そしてまたフィリピン、ASEANの中で日本に一番近いフィリピン、そしてまたASEANの中のある意味では経済的に一番力があり、また日本とも関係の深いタイ、そしてまた、いろんな意味でこれまた日本と関係の深い、そして独特の工業先進国を目指しておりますマレーシアと今交渉をしております。
 まあ交渉ですから、お互いのトータルとしてプラスにはなるということはお互い認識ありますけど、個別になるとやっぱりセンシティブな部分がお互いあって、そこをどれだけ譲れるか、あるいはまた譲り合うかと。そしてまた、それによって一足す一が三にも五にもなるようなEPAをつくっていくことが文字どおり志の高い交渉結果をやろうということであるわけでございまして、そういう意味で、あえて優先順位ということになりますと、関係閣僚で一応合意したこととしては、今申し上げたような国々、東アジア、ASEANの国々、そしてまた四月からはASEAN全体ともやってまいりますし、そのほかインドネシア、チリとも、インドともこれからスタートの前の準備作業、まあお勉強みたいなこともスタートをしていきたいというふうに考えているところでございます。
 事務的には大変これはもう大きな作業、一つの交渉をまとめるには大変な作業が事務的に掛かるわけでございまして、同時に六つも十もやるというのは大変なことでありますけれども、今御指摘いただきましたように、スピード感を持ってやるということで、極端に言えば、譲るところは譲り守るところは守ると同時に、高い志を持って大局観を忘れずにやっていけば、こういった国々と結ぶことによってお互いにハッピーになっていくと思います。
 さらには、チリというものも私どもの頭の中には実はございます。チリというのは、南米のゲートウエーという位置付けとしてチリというものも、向こうも大変熱心でございますので、現実にはまだ入っておりませんけれども、私どもの頭の中にございます。
 いずれにしても、一つ一つをスピード感を持って、そしていい交渉を一つ一つまとめていきながら、積極的にWTOとEPAと両方、特にEPAの方をいろんな国々、一つ一つ、一杯ありますので、進めていくということで、日本としてのEPA戦略を持って相手国を始め世界の経済の発展、生活レベルの発展のためにEPA戦略が貢献できるようにしていきたいというふうに考えております。

発言情報

speech_id: 116214080X00320050315_009

発言者: 中川昭一

speaker_id: 18912

日付: 2005-03-15

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会