田英夫の発言 (憲法調査会公聴会)
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○田英夫君 ありがとうございました。
安全保障の問題について、高見さんも永久さんもお触れになりました。
ちょうど、新しい憲法ができた、今、まあ皆さんは新しいと思っていらっしゃらないでしょうが、新しい憲法ができたというときに、私はちょうど高見さんと同じぐらいの年なんです、今の高見さんと。感動しました。しかも、私はあの戦争から生きて帰ってきたばかりで、大学に戻って勉強を始めているところにあの憲法が出てきましたから、特に九条などは本当に感動しました。ああ、これで生きていられるんだなと思って、あの戦争が終わった瞬間に、あの天皇の放送を聞いた覚えがあります。
そんな状態の中でできた憲法ですが、私は、これは高見さん、さっき国家の在り方を示すものだと言われた。それは事実ですね。憲法というのはそういうものだと思います。
現在に至ってもそうだろうと思いますが、日本国憲法は少し違うと思うんですね。特に、九条を書かれた幣原喜重郎さん中心の皆さんはそれだけの思いではなくて書いたと思います。
いろいろ調べてみると、特に広島、長崎の体験が大きいようですけれども、広島、長崎の原爆が出てきた以上、人類はもはや戦争をしてはならないという言葉を幣原さんが残しておられます。
結局、特に日本はもうそれを是非守らなければいけないという気持ちでマッカーサー司令官のところにそれを持っていかれた。後にマッカーサー司令官が一九五一年のアメリカの上院の外交委員会で証言をして、小さな老人の手を思わず握り締めたということを言っているんですが、その結果が九条だろうと思います。
そういうことが何を意味するかというと、私は、ただ国の在り方を決めただけじゃなくて、人類の未来に対して世界に向かって一つの態度を示したと言ってもいいぐらい、特に私の感動はそういうものでしたが、今考えてみますと、もう一つ、地球の環境の問題、京都議定書のようなものをつくらなければならないという問題ですね。アメリカはこれを守らない、脱退すると言っている、入らないと言っている。この問題は、やはり人類の未来を考えているか考えていないかという問題、つまり、今人類は、戦争というものを、核兵器を使った戦争というものを真剣に考えなくちゃいけない、もう一つは、この人類の住んでいる地球を守るということを真剣に考えなくちゃいけない。
もう五十年近く前、日本の第一次南極観測隊が南極へ行ったときに、実は私も隊員だったんですけれども、地球物理の専門家は、今のままでは地球が駄目になると、人類を始め生物が駄目になると真剣に言っていました。このスケールの問題なんじゃないかと思うんですね。
そういう意味でいうと、世界に向かってその考えを広げる役目が今我々にあるんです。幣原さんたちがそれをつくってくださって、それを我々がむしろ広めて、世界に広める責任を持っているんじゃないかと、こう思っているんですね。ですから、九条というものは、ただ戦争をしないと自分たちで自分に言っているだけの話じゃないと、こう感じているんですが、お二人から、こういう考えに対しての御意見を伺えればと思います。