山本保の発言 (憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会)

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○山本保君 お許しを得ましたので発言させていただきます。
 私どものこれまでの今回まとめを拝見しまして、私の党からも山下栄一議員始め、私も含めましていろいろ今まで申し上げておりますので、それについてはここではもう繰り返さないことにしたいと思いまして、私の方からは、ちょっと今まで自分でも言わなかったことについて四点ほど具体的に申し上げたいと思います。
 といいますのは、やはりこれは、最初に荒井先生からもお話ありましたように、私どもとしては参議院というのが当然必要であり、そのためには独自性をきちんと発揮していくべきだということを考えるわけです。つまり、やはり独自性が発揮されていないというふうに、衆議院のコピーであると、このように思われているということがあるわけでして、そこを一遍には無理かもしれませんが、次々と機動的、柔軟にといいますか、課題について対応していく姿勢というのをもっと見せるべきではないかと思うわけです。
 それでまず、四点申し上げるんですが、最初に第一でございます。
 これは、やはり今の委員会構成というのが、政府また国の大きな基本政策を作っていくのに適合していないんではないかという気がするわけです。
 以前、実は省庁再編の前に参議院は独自に委員会の構成を直したことがありましたけれども、今考えてみますと、今は逆に省庁再編に後を合わせて追っ掛けているような状況じゃないかというような気もするわけですね。
 で、その中で一つ申し上げたいのは、これはこの前の小泉総理でしたか竹中大臣でしたかが言われたと思うんですが、まあ正月ですから施政方針演説があり、そして予算が出るわけですけれども、今の内閣といいますか、この数年間、この予算やまた国の基本政策というものについての政策・立法過程というのをきちんとオープンにしているんだと、まあいろいろ御批判はあるかもしれませんが、こういうふうに私も思っております。ところが、それに対して、国会、国民の代表である私どもがきちんとそれをフォローする若しくはチェックする体制ができているだろうかと。これは与党としてというふうに言わずにですね、国会議員として申し上げているわけでございます。
 で、正に以前は、正に正月の施政方針演説と、そして大蔵省から、旧大蔵省から予算が出されると、これ、ここにおいて初めて国民の代表の前に突然そのすべてが出されるわけでして、それからチェックをすると、こういう形だったわけですが、今や、例えば財政については経済財政諮問会議でもう前年の四月、五月からその大きな方針が出され、そしてまた改革と、構造改革と経済財政の中期展望ですか、こういう形でも、それも一般の方にオープンにした形で議論されております。ところが、それに対して国会が、その内閣が決め、意見を集め、そして発表している、それによって省庁が動いている、こういう状況に対して私どもははっきり言ってほとんど口が出せない体制になっていないかと思うわけです。
 ですから、まずこの、まあ基本政策委員会というのができましたけれども、名前は基本政策委員会ですが、正にあれは、まあ批判はやめますが、そういう機能を果たしているとは思えないと思うわけです。
 ですから、ここはまず財政また国の基本政策に対応して、これは衆議院がというには、まず参議院がどんどん進めていくという意味で申し上げているわけで、参議院でしかしちゃいけないとかそういう意味ではありませんけれども、ただ参議院が、これまでの議論にありましたように衆議院よりはいろんな議員の力量とか資格ですとか、そういうものについても高いということも客観的に評価されております。また、長期的な期間があってそこで審議ができるということも、これももう共通の了解事項だと思いますので、まず私は具体的な一つの提案として、この辺について院としてきちんと対応し、そして国の基本的な方向について国民の意見がきちんと、政府と両方で進めていけるような体制を取るべきではないかということが第一点です。
 それから第二点は、これもまあ具体的過ぎて笑われるかもしれませんが、例えば参議院で、本会議で携帯電話がいまだに禁止されておりますよね。携帯電話というのは、御存じのように、総理また総務省も言っていますが、u—Japanとかユビキタス社会と、こう言っているときも、日本が世界に冠たるモバイルの一番使いやすいものなんですね、これを本会議も使わない、それから委員会でもコンピューターもない、こういう状況。これが正にそのユビキタス社会を今、政府が推進していると、私も実は担当政務官でありましていろんなところでしゃべっているんですが、言いながら、国会に何があるのかと、全くないわけでございます。
 ペーパーレスで、もっとこういう状況をきちんと作っていくというのは、これはもう大学とかいろんな会社では今当然のことですのに、相変わらず印刷をしなければ動議が出ないとか、それから、こんなので、まあはっきり申し上げてほとんど中身読まないような予算書から法案から、いや、それは自分の興味あるところはそれは読むんですが、そんな全部読むはずがない。それからもっと言えば、私も役人でしたから自分で作っているときにはそれはもう必死になってやりますけれども、ここでチェックというのはそういう意味じゃないんだろうと思うんですね、ことについても全くの無駄、時間と紙の無駄もあるし、中身が使われていない。
 もっと言えば、予算委員会などでパネルがこう、紙芝居ですね、やりますね、各党。あれなんかも全くナンセンスだと思いますが、この時代にあんなことをやって一体あれだけの、ただ出すだけの資料で議論が深まるものでしょうか。こんなのはもう当然コンピューターで必要な資料が全員にすぐ出るようにすべきだと思います。
 つまり、参議院が本当にその専門性を生かして、そしてチェック機能、今おっしゃったとおりでありまして、今までおっしゃられたとおりでありまして、そのためのいわゆるインフラ整備を大至急すべきではないかと思うわけです。
 私、ちょっと最初に戻って言いますと、ここでは憲法をどう変えるべきとかそういう議論は私は言うならばちょっとそこに置いておいて、まず今の体制でも大至急できることをやりながら国民にその成果を見ていただく、若しくはそれをお示しするということを申し上げているわけです。
 二番目がそういうことでございまして、コンピューター、お金が掛かるとはいえ、本会議場と各委員会室でいいわけですから、ここに大至急整備をして、そして必要な、まあ私も実はコンピューターはそんな得意ではありません、全然できませんで、私よりまたできない先生もおられると思うんですね。そういう場合には委員部がおるわけですから、きちんきちんと必要なものを出されればよろしいわけですから、これはそんなにその操作がどうとかいうことは問題にならないんじゃないかなという気がいたします。
 それから三番目は、これは先ほど荒井先生からも、また今お話ありました同意人事のことでございます。
 私も大賛成なんですが、ただ、なかなか実際には、今の審議会等以外に役人、さっき主要閣僚とか又は政府のお役人というようなことが出たと思うんですが、なかなか実際は難しいところあると思いますが、私、前から、これは前にも申し上げたような気もするんですが、是非これはやるべきではないかと思っておりますのは、いわゆる大使の任命でございます。
 これは、外務関係、国際関係が強い先生方ですと私よりよほどお分かりだと思うんです。以前、外務省の不祥事などがあったときにそんな気がいたしました。各国大使館など行きましても、天皇陛下のお写真とかそういうものがありますし、また入口には菊の紋章があるわけであります、当然、国旗もあるわけですけれども。そして、しかし、その全権大使などの任命については、これは外務省から次官経験者などのOBなどが中心になって推して、天皇陛下のところへ持っていくと。私は、これは戦前の体制と全然変わっていないんじゃないかと思うんですね。まあ外務省の人が駄目だという意味ではありませんが、あの形式だけ取っておれば、国民の代表として、国家の、国家国民の代表として各国に行っているというスタイルになっていないんじゃないかという気が前からしております。
 ですから、ここはもちろん天皇陛下の任命される、これはもう国事行為です。これ当然でございますが、その前にまず参議院、国会で、特にできれば参議院できちんと国民の代表として、言うならば、指名なりその下作業をさせていただくと。こういう形を取る、取れば、少しは外務省の形というのも変わるんじゃないかなということを以前考えておりましたので、今これは急遽考えたんですが、人事ということが出ましたので、これも申し上げたいと思います。
 それからもう一つ、最後ですけれども、これはよく参議院の独自性というときに調査会がございます。これは前にも小委員会で申し上げたんですが、このまとめ見ましたら書いてありませんので、抜けてしまったのかなと思ってもう一度申し上げることなんですが、調査会というところが三年間という長い時間で、スパンできちんと調査をやる。非常にいい制度ですし、これが参議院の衆議院にない独自性であるということは私も全くそう思うんですが、しかし逆の見方といいますか、私も先回、法務委員長をさせていただいたんですが、実は委員長をやりまして委員会を動かしますと、もう法律を通すことだけで精一杯でして、本来、委員会、委員長又は理事、そしてその委員会というのの仕事というのは、正にその分野において、国のチェックだけではなく、何か独自の方向性を探ったり、いろんな意見集約をして国民の皆様に示していくというような仕事があったんじゃないだろうか。それができないからといって調査会を作ってしまったということは、調査会だけやっておればよろしいということになってしまって、委員会は単なる下請になっていないだろうかという、これはもう先輩諸氏が作られたことに異を呈するわけではないんですけれども、述べるわけじゃないんですけれども、しかしここはもう一度改めて考えてみてもいいのではないかと。
 そうなりますと、先ほどもお話もあったと思いますが、正にそのために、参議院で審議する法案のやっぱりセレクトというのは、これはもうやむを得ないだろうなと。ただ単に、全会一致であったからもう同じことを繰り返さない、そういう意味ではなくて、実はもっとポジティブに参議院の委員会というものが、その分野においての国の方針について政府とは異なるかもしれないし、又はそれを補完したり、もっと優れたものというようなものを出していく仕事が本来の国会の委員会、まあアメリカ上院なら特にそうだと思うんですが、長い時間でやっている専門性の高い参議院の仕事ではないかということを考えまして、それができるような体制にしていくべきではないかと。ですから、調査会制度についてはもう一度考え直してもいいのではないかなと。言うならば、もっと委員会を小分けにして、その委員会一つ一つの作業量を減らすようなこともあってもいいかもしれないなというような気もするわけです。
 以上、ちょっと具体的な話になりましたけれども、四点ほど、これまで議論に参加させていただいて気が付きましたことを述べさせていただきました。ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 山本保

speaker_id: 26405

日付: 2005-02-04

院: 参議院

会議名: 憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会