高原明生の発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(高原明生君) 日本は元々、世界の中の日中関係じゃないかとか地域の中の日中関係じゃないかとか言っていたんですけれども、いつの間にかそれを忘れてしまって、一九九〇年代の末になって中国が東アジア協力とかに積極的になると慌ててしまったという、そういう面が確かにあったと思います。
   〔理事山東昭子君退席、会長着席〕
 何で日本がそういうことになっちゃったかというと、やっぱり九〇年代の経済的な停滞といいますか低迷というのが非常に大きな心理的なインパクトを私たちに及ぼしたんだなというふうに思っているんですけれども、中国はしかし、東アジア共同体、東アジア共同体という言葉を彼らが使い始めたのはほんの最近なんです。東アジアの地域協力を推進しようというときに、日本は最初からやっぱり非常に意識されていたと思いますし、今も意識されていると思うんですね。
 例えば、一九九九年にさっき大きなプッシュがあったというふうに言いましたが、二〇〇〇年に、あのときは森首相だったと思いますけれども、ミレニアムサミットでニューヨークで江沢民国家主席と会談したときでしょうかね、もう非常にはっきりと江沢民さんは地域協力を両国が手を取り合って一緒にやっていこうということを盛んに言うんですよね。あるいは、その年に朱鎔基首相が、当時の、日本に来られまして、やっぱり同じように、その地域が大事じゃないかと、地域協力のために日本と中国が手を取り合ってということを言うんですが、そのときの日本人にはぴんとこなかったんですよね。よく分からなかったというのが当時の状況だったんじゃないかと思います。
 どうして中国がそんなに日本を意識して東アジア地域協力を唱えるのかというと、やっぱりそこは彼らなりのプラグマティズムがあって、自分たちだけじゃなかなかようやりまへんという、そういう自分の実力についての割と客観的な冷静な評価というのがあるだろうと思います。まだまだ、当時は四倍の開きが経済規模でありまして、今はまあ三倍ぐらいになっていますけれども、やっぱり日本が圧倒的に大きいわけですし、東南アジアとの付き合いの歴史ももちろん日本の方が長い、深いということがありますので、日本と一緒にやらないと、この東北アジア、東南アジアを足した協力は本格化できない、推進できないという、そういう認識が元々あったし、私は今でもあるんじゃないかと思います。
 ただ、おっしゃるように、個々の問題になりますと、それぞれの業界の問題もあれば、特にエネルギー開発あるいは海洋開発問題ということになりますと、中国では軍の政治的な発言力が非常に強いわけですし、スムーズにいかない面もあるとは思うんですけれども、ただ私は、日本の態度としましたら、例えばこれは小泉首相になってからですが、朱鎔基さんが日中韓FTAの研究をしましょうというふうに提案をその三者会談のときにされたことがあったんですが、その際に、まあしかし中国はWTOに入ったばっかりだしというような対応をされて、反応をされてしまったんですが、そういうときはもうどんと、よしやりましょうといって研究をすれば、必ず中国はちゃんとできないというのは分かるわけですよね、途上国ですから。それは、日本はもうほとんど関税なんかないような状況ですから。そういうときは、よっしゃやろうという積極姿勢を示して実際に詰めてみると、ああやっぱり君、ここはできないねと、じゃ、私たちもうちょっと待ちますよと、そういう基本姿勢が私はいいと思うんですが、何となく腰が引けたような印象を世界に与えてしまっているという、アピールといいますか、そういう宣伝が上手じゃないという面もかなりあるんじゃないかなと思っています。

発言情報

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発言者: 高原明生

speaker_id: 5882

日付: 2005-02-16

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会