柳澤光美の発言 (本会議)
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○柳澤光美君 おはようございます。民主党の柳澤光美でございます。
私は、民主党・新緑風会を代表して、大変言いにくい、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案について、私の思いを込めて質問させていただきます。
私は、民間の中小零細に働く多くの皆さんに御支援をいただいて、昨年七月の選挙で民主党比例区で初当選させていただきました。私の政治信条は、無駄にしません、汗と税。まじめに働く者が報われ、正直者がばかを見ない社会の実現です。
そこで、まず法案について質問する前に、私の思いを込めて、当面する厚生労働行政について、尾辻労働大臣の率直な見解をお伺いしたいと思います。
小泉総理は、グローバルスタンダード、グローバルスタンダードと言いながら、強い者しか生き残れないという市場経済至上主義のアメリカンスタンダードを急激に日本に取り入れました。そして、改革なくして成長なし、反対するなら自民党をもぶっつぶすと大変に威勢のいい看板を掲げました。
しかし、結果はどうですか。今の多少の景気回復は、決して小泉改革によるものではありません。民間企業の血のにじむような努力と、そこに働く者の汗と涙の結晶です。さらに、小泉改革の最大の問題点は、自民党をぶっつぶすと言いながら、人に対する思いやり、助け合い、そして血縁、地縁、職場の縁という人間関係を大切にするジャパニーズスタンダードを完全にぶっつぶしたことです。
改革にも変えていいことと変えてはならないことがあります。日本の根幹を壊してしまった小泉総理の責任は重大です。
私は、日本全国津々浦々の多くの職場を回り、涙が出るような場面をたくさん見てきました。サボっているなら別ですが、死に物狂いで働いているのに、ボーナスはもちろんのこと賃金カットが当たり前に行われ、休みも休まず朝から晩まで働いて、我慢に我慢を重ね、それでもどうにもならなくて、職場を守るために希望退職に応じ、仲間と涙ながらに別れて、その挙げ句が事業所閉鎖、店舗閉鎖、倒産です。
経済とは経世済民、国を治めて民を救うという言葉からつくられたと聞いています。ところが、人件費をコストとしてしかとらえず、大幅な人員削減が行われ、ハローワークには求職者があふれています。しかし、正社員として働きたいと思っても募集は少なく、結果として、パートやアルバイト、派遣や請負などしか選べないのが現実です。このような雇用環境を厚生労働大臣としてどのように認識されているのかをお伺いいたします。
問題は失業だけではありません。精神的にも肉体的にも追い詰められて過労死も増える一方です。そして、過労自殺も含め、自殺者は一九九八年に三万人を超え、二〇〇三年には三万四千四百二十七人、最悪の結果となりました。これは、一年三百六十五日、毎日どこかで百人近くの方が自殺していることになります。
私は、国の最大の責任は国民の命を守ることにあると思います。この現実から目を背け続けていいのでしょうか。
確かに、自殺の原因にはいろんな複雑な問題があり、またプライバシーの問題もあり、対策が難しいことは承知しています。しかし、自殺者が三万人いると未遂者はその十倍の三十万人、残された家族や関係者は百数十万人になるとも言われています。未遂も含めた自殺予防対策、そして残された家族への事後対策など国を挙げて取り組む必要があると考えますが、大臣はどうお考えですか、御所見をお聞かせください。
私は、長いサラリーマン生活の中で、税金と社会保険料の徴収が不公平なことに強い怒りを感じ続けてきました。サラリーマンは源泉徴収で給与から天引きで、税金はもちろんのこと、年金、医療、介護そして雇用保険など、一円もごまかしなく納めています。我々民主党が年金改革で主張する税と年金保険料の徴収を目的とする納税者番号制度を導入しなければ、この不公平は解消されません。
国民年金の未納率、二〇〇三年度には四八・六%になりました。五〇%を超えるのは時間の問題だと言われています。この未納率の増加は、国民皆年金という日本の年金制度を根幹から崩壊させるものです。
厚生労働省として、この年金未納を防止するために今後いかなる対策を取るのか、また、目標としている平成十九年度の納付率八〇%を達成できる自信が本当にあるのか、お答えください。
そして、年金保険料などの無駄遣いの問題です。
今回の法案は、この無駄遣いの典型的な例です。政府はこれまで、厚生年金保険法第七十九条、国民年金保険法第七十四条、健康保険法第百五十条の第一項、第二項、これを根拠として、年金保険料などを使って不動産を購入し、福祉施設の整備を行ってきました。
当初の福祉施設事業の目的は、疾病や事故などにより体に障害を生じた労働者の職場復帰のための療養所の設置と管理でした。それがいつの間にか根拠法の拡大解釈により、福祉の増進と教養文化の向上や健康保持増進などをにしきの御旗に掲げて、国民皆年金が達成された昭和三十六年以降、福祉施設を次々と建設してきました。さらに、それは官僚の天下り先として機能し、膨大な無駄遣いの構図ができ上がりました。
これまで投入された額は、厚生年金保険料から一兆一千九百四十三億円、国民年金保険料から二千四百十億円、合計一兆四千三百五十三億円にも及びます。このような福祉施設の建設、整備、運営に貴重な年金保険料を充ててきたことについての政府の責任を大臣はどのように総括されているのですか。お聞かせください。
昨年の通常国会で、年金保険料の無駄遣いが我が党の同僚議員の指摘で大問題になりました。横浜の豪華な職員宿舎がテレビに映り、そのほかにも黒塗りの公用車、職員の健康診断から海外出張、そして長官の交際費まで年金保険料が使われていた。もっとびっくりしたのは、サウナどころかゴルフ練習場付きの豪華な研修施設を造り、ゴルフクラブもボールもすべて年金保険料。
大臣、年金保険料は今後一切、年金給付以外の目的には使わないと、この場で確約していただけませんか。
しかも、無駄遣いは年金保険料だけではありません。雇用保険料を使って建設した勤労福祉施設を雇用・能力開発機構が一万五百円、ひどいケースでは千五十円という安値で投売りしていることが問題になっています。
今回の法案の目的は、無駄遣いした年金と健康保険料を一円でも多く回収することにあるはずです。整理合理化の対象となっている三百二十八の福祉施設の経営状況は現在どのくらいになっているんですか。また、どのくらいの資産価値があり、どれだけの回収見込みが立っているのか。また、その目標が達成できなかった場合はだれがどのような責任を取るのか、明確な答弁をお願いします。
責任をうやむやにして整理機構をつくり、そこに四十人の人件費二十億、解体費用百九十億など総額三百億円も銀行から借り入れる。これだけの費用を掛けて費用対効果をどう考えているんですか。本当に新たに独立行政法人をつくる必要があるのですか。整理機構をつくり、その処理を丸投げし、一連の社会保険庁の不祥事から国民の目をそらすためではありませんか。ただ組織をつくり、人を配置し、予算付けをすることが目的となり、手段と目的を巧妙に入れ替えるのは、小泉総理も本当にそうですが、官僚の常套手段です。大臣の明快な答弁を求めます。
一方では、法案は、五年間ですべての施設を売却し、売却できなければ廃止するとなっています。一律に五年間で廃止、売却するという扱いは余りにも乱暴過ぎませんか。病院や老人ホームも含まれ、施設によっては与件が異なるのに、改革の具体的な内容、手順及び年次計画が全く明らかにされていません。むしろ、期限など切らず、一年ごとに実績を国会で確認をし、できるだけスムーズに整理することが必要だと考えます。大臣の見解を求めます。
そして、最も問題なのは、これらの福祉施設では多くの皆さんが一生懸命働いています。その人たちの雇用問題をどうされるおつもりか。職員の雇用の確保について十分配慮することを法案に明記すべきだと考えますが、大臣の答弁を求めます。
また、地域医療の中で重要な役割を果たしている厚生年金病院の取扱い、そして老人ホームの入居者の皆さんには特段の配慮が必要だと考えます。政府としてどのような配慮をもって対応されるのか、具体的にお聞かせください。
そして、今回の法案で、厚生年金と健康保険については、福祉施設が整理合理化され、今後保険料は福祉施設の整備費には使用できなくなります。しかし、共済組合の福祉施設は今後どうするのかは明らかになっていません。現在の整理合理化がどのような状況にあるのか、今後どうするおつもりか、関係する財務大臣、総務大臣、文部科学大臣に答弁を求めます。
最後になりましたが、私は、ロマンとは夢ではなくて強い思いと志だと思っています。おかしいことはおかしい、悪いことは悪い。これからも奮闘して、私を支えて国会に送り出していただいた国民の皆さんに、改革とは名ばかりの小泉政権を一日も早く打倒し、政権交代を実現することをお誓い申し上げて、代表質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣尾辻秀久君登壇、拍手〕