松あきらの発言 (本会議)
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○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました独占禁止法改正案について関係大臣に質問をいたします。
今日、我が国産業の競争力を高め、経済を活性化して持続的な経済成長軌道に戻すには、経済構造改革が不可欠であります。そして、市場における公正で自由な競争を促進していくことは、民間の創意工夫と多様性に基づいて活力と競争力のある経済社会を構築するという観点からも、また、一般消費者、生活者の利益を確保するという観点からも、喫緊の課題となっております。
その一方で、我が国では今なおカルテルや談合行為が後を絶たず、国際機関からも独占禁止法の執行力の強化が求められているのであります。
そうした中で、今回の改正は、経済活動の基本法である独占禁止法の規律を強化するため、二十八年ぶりにその措置体系の抜本的見直しを行うことを柱とするものであり、その意義は極めて大きなものがあると考えます。
今回の改正が真に公正で自由な競争ルールの実現に寄与し、我が国社会が談合・横並び体質からの決別を図るための確かな足掛かりとなることを心から期待をするものであります。
そこで、以上のような認識に立ちまして、今回の独占禁止法改正案に関し、具体的に政府に対してお伺いをいたします。
まず、企業活動の国際化に伴う現在の独占禁止法の運用状況に対する評価についてお伺いをいたします。
近年、欧米の競争当局は、ビタミン事件、リジン事件など大規模な国際カルテル事件を摘発し、一社当たりで時には百億円を超える高額の制裁金や罰金を科しております。しかし、これらの事件には、いずれも日本企業が関与しているにもかかわらず、我が国ではこれらについて法的措置はとられておりません。せいぜい公正取引委員会による警告が行われるのにとどまっているのであります。
大規模国際カルテル事件への対応において欧米と我が国の競争当局の間には看過できない大きな格差が生じておりますが、その原因はどこにあるのか、また、欧米で効果を発揮しているとされる措置減免制度の導入を始めとする今回の法改正の措置により、この対応格差は縮小すると考えられるのか、独占禁止法改正案の所管大臣である内閣官房長官の所見を求めます。
さらに、国際化に伴い、公正取引委員会及びその事務局も他の先進国に引けを取らない組織に再構築をして、優秀な法律、経済等の各分野での専門知識を有した人材を数多く結集していく努力が産業界及び国民から十分な信頼を得るために必要であります。現在の公正取引委員会の組織がこれらの環境変化に対応し十分であるのか、また、十分でないとしたら具体的にいつごろどのように組織強化をしていくのか、内閣官房長官の所見を求めます。
次に、今回の独占禁止法改正案の内容について伺います。
まず、改正案では、独占禁止法違反行為に対する抑止の実効性を高めるため、課徴金の算定について、違反行為に係る売上高に乗じる算定率を原則一〇%に引き上げることになっております。
しかし、同じ独占禁止法違反行為でも、事案によって利得の程度や悪質性の程度は千差万別であります。こうしたことから、課徴金の算定率を一律、画一的に引き上げることは、事案の内容に比べ不当に重い制裁が科されるおそれもあるとの指摘もあります。
一方、課徴金の算定を行政の裁量にゆだねることは、課徴金の法的性格を行政上の制裁と位置付けているところから問題が残ります。
課徴金を行政上の制裁措置としつつペナルティーを一律に科すことにしたのはなぜか、内閣官房長官の説明を求めます。
その上で、ペナルティーの具体的妥当性を図る方策の在り方について検討を要望いたします。
また、中小企業の立場からは、中小企業の経営に不当な不利益を与える不当廉売、優越的地位の濫用など、不公正な取引方法に対し公正取引委員会の迅速かつ厳正な対処が求められております。
同時に、現在、課徴金や刑事罰の対象となっていない不当廉売、優越的地位の濫用等の不公正な取引方法について禁止規定の実効性を確保するための方策が求められておりますが、今回の措置をとることにより今までと比較しどのように具体的な効果が期待し得るのか、内閣官房長官の答弁を求めます。
次に、課徴金減免制度が導入されますが、この制度が公平、公正に透明性を持って運用されるためには、減免の基準が明確になっていなければなりません。さらに、その制度設計自体が国民に納得いくものでなくてはなりません。その観点から、手続の透明性確保のための担保措置、減免は三名に限定する理由、また、なぜ複数の事業者が同時に申請することは認めないのかといった制度設計上の理論的根拠も併せて内閣官房長官より御答弁を求めます。
次に、入札談合の問題について伺います。
現在、我が国の独占禁止法の適用については、入札談合事件が圧倒的に多数を占めております。しかし、我が国において入札談合が多いのは、価格のみに偏った入札契約制度の問題やいわゆる官製談合の問題など、構造的な問題が背景にあるのであって、本来、入札談合の抑止のみが独占禁止法の主要課題ではないはずであります。
政府として入札契約制度の改革や官製談合の防止に今後どのように取り組んでいくのか、内閣官房長官及び国土交通大臣の所見を求めます。
最後に、最近、企業犯罪、不祥事が相次いで明らかになっております。今日ほど、企業の法令遵守の取組、企業倫理が求められるときはないと考えます。
企業における法令遵守の体制、文化を我が国社会に根付かせていくためには、単に制裁を重くすれば事足りるというものではなく、人材育成、教育の在り方を含め、多方面かつ継続的な取組の努力が必要であると考えますが、これに対する内閣官房長官の御所見を求めます。
今回の改正案の附則では、課徴金制度の在り方等について二年以内の見直し検討が規定をされております。今後、経済界を始めとして国民各層における幅広い議論が行われ、それにより、より良い共通の理解が醸成されますことを期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣細田博之君登壇、拍手〕