澤雄二の発言 (本会議)
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○澤雄二君 公明党の澤雄二でございます。
私は、公明党を代表しまして、ただいま議題となりました防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、関係大臣に質問をいたします。
まず最初に、新防衛計画大綱の第二項、我が国を取り巻く安全保障関係について伺います。
この中では、中国や北朝鮮を固有名詞を挙げて警戒感を明らかにされています。これは一九七六年に防衛計画大綱が策定されて以来初めてのことで、国会でも度々議論されました。しかし、これまでの防衛計画大綱にはない大きな記述の変化がもう一つありました。それは、中国や北朝鮮のことを記したすぐ後のフレーズです。そこには、「日米安全保障体制を基調とする日米両国間の緊密な協力関係は、我が国の安全及び」、ここからであります、「我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしている。」と書かれています。日米安保体制の役割として、「アジア太平洋地域の平和と安定のために」と具体的に地域名が書かれたのは今回の防衛計画大綱が初めてであります。
それでは、前回の大綱にはどのように書かれていたのか。それは、日米安保体制の緊密な協力関係は、我が国周辺地域の平和と安定にとって云々となっていました。我が国周辺地域がアジア太平洋地域に拡大をしています。確かに、一九九六年の日米安全保障共同宣言や九七年の新ガイドライン等々でアジア太平洋地域という表現は出てまいります。しかし、九七年のガイドラインでは、アメリカ軍の役割としてアジア太平洋地域が明示されています。今回の防衛計画大綱とは使われ方が異なっているのであります。
しかも、今回の防衛計画大綱は、日米安保宣言やガイドラインとは違って、閣議決定をされ、さらに国会で報告までされています。つまり、国の政策として正式に決定されたものであります。
そこで、外務大臣に伺います。
もし、日米安保体制の役割が、我が国と我が国の周辺地域からアジア太平洋地域の平和と安定に拡大変化してきているならば、国会や国民に明確に説明する必要があると考えます。そして、大綱で言うアジア太平洋地域とは、具体的にどの地域を念頭に置いているのでしょうか。インド洋やイラクまで入るのでしょうか。併せて伺います。また、このアジア太平洋地域の平和と安定については、米軍再編と日米戦略協議に具体的にどのように反映させようとしているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
次に、今回の改正案について、弾道ミサイル対処のための自衛隊法八十二条の二について関連の質問をいたします。
我が国に向けてミサイルが発射されるという緊急事態から国民を守るには、限られたごくわずかな時間に対応することを迫られます。その意味で、専守防衛の立場からも、今回の改正案で弾道ミサイル等に対する破壊措置が規定されることは、新たな脅威に対処するための重要な法整備と考えます。さらに、我が国に向けられた弾道ミサイルを迅速に撃ち落とすという行動は、同時に、シビリアンコントロールをどのように確保するかが極めて重要な問題となります。この意味で、公明党の強い提案により、シビリアンコントロールとしての国会の役割を重く見て、迎撃対処後の国会報告が義務付けられたことは極めて意義の大きなものであると考えます。しかし、ミサイルが飛来するという重大な局面で、最高指揮権者である首相の権限と判断が第一線の司令官にゆだねられることになります。
そこで、まだ明らかにされていない弾道ミサイル破壊措置の具体的内容について、防衛庁長官に伺います。
まず、政令に規定されることになる緊急対処要領に記述される具体的な項目は何でしょうか。次に、その政令に基づいて作成される緊急対処要領の内容、そして八十二条の二の第三項に基づいて発令される命令の具体的な内容について、御答弁できる範囲でお答えをお願いいたします。
特に、ミサイルの破壊措置については第一項と三項との対処の違いについて国会での論議でも混乱を生じていますが、一項と三項の対処の違いを明確にするために、特段に緊急的事態の兆候がない場合でも警戒監視を強化するために第三項を発令することのある旨を緊急対処要領に明記されるお考えがあるのかどうか。また、シビリアンコントロールの観点からも大変重要でありますが、第三項に基づいて発令された命令の中で迎撃ミサイルが発射された前後、防衛庁長官にはどのように報告がなされるのか。この二点について簡潔に答弁をいただきたいと思います。
続いて、ミサイルの共同開発についてお伺いをいたします。
次世代型の迎撃ミサイルについては日米共同研究で進められてきましたが、来年度からは共同研究から共同開発の段階に移行したいと長官は発言をされました。
この共同開発には四つの大きな開発テーマがあります。ミサイルの直径を大型化して二十一インチにするのもそのテーマの一つであります。これにより防御範囲も飛躍的に広がり、イージス艦一隻でほぼ日本全土をカバーできると言われています。これはロケットの出力を上げてミサイルの加速性を向上させることによって得られる能力で、この技術は三千五百キロ以上を目標とする中長距離ミサイルに対する迎撃能力も開発可能にすると言われています。
そこで、防衛庁長官に伺います。
平和国家としての国の理念、専守防衛の立場から、現在のミサイル防衛の共同研究における技術供与は武器輸出三原則の例外となっていますが、中長距離ミサイルに対してまで防御能力を高めることができるシステムの開発は、武器輸出三原則との整合性はどうなのか、また、集団的自衛権との関係についてもお答えをお願いいたします。
大量破壊兵器の拡散を防止することは、早急に実現しなければならない国際的な大きなテーマであります。
そこで、PSI、大量破壊兵器拡散防止構想について質問をいたします。
このPSIは、アメリカのブッシュ大統領の提唱で、大量破壊兵器が船や飛行機で運ばれて拡散するのを防ぐための国際的な枠組みをつくる構想です。アメリカ、イギリス、日本など十五か国が中核のメンバーとなっています。
防衛庁長官は、今年八月にシンガポールで行われる多国間の合同訓練に自衛隊を参加させる意向を明らかにされました。これは、本格的で実質的なオペレーションを伴う訓練であります。日米安保条約の関連以外で海外でのこのような多国籍訓練に自衛隊が参加するのは初めてのことです。
そこで、防衛庁長官に伺います。大量破壊兵器の拡散防止の意味からも、この訓練に参加するための根拠となる国内法を明確にするべきと考えます。また、海上自衛隊が船舶を公海上で停船検査できるのは、現行法では武力攻撃事態や海上警備行動が発令されたときなど極めて限定的であります。将来、PSIに基づいた多国籍で行われるPSIのパトロールに参加する可能性があるのでしょうか。あるとすれば、そのときの根拠法についてお伺いをいたします。
公明党は、立党のとき以来、恒久平和主義の旗を高く掲げてきています。それは、戦争ほど残酷なものはない、戦争ほど悲惨なものはほかにはないからであります。しかし、平和は立ち止まる者には得ることができません。平和へ向け具体的な歩みを進めてこそ初めて獲得できるものであります。国際平和を達成する最も大事な舞台が国連であります。それは、世界の国々が対話をすることができる唯一の場であるからです。対話こそが平和への王道なのです。人間の安全保障という概念も定着し、平和憲法を持ち、被爆国である日本の国連での役割は極めて重要であります。