松田岩夫の発言 (本会議)

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○松田岩夫君 国際問題に関する調査会における中間報告につきまして御報告申し上げます。
 本調査会は、国際問題に関し長期的かつ総合的な調査を行うため、昨年十月十二日に設置され、今期第七期の三年間にわたるテーマを「多極化時代における新たな日本外交」と決定し、調査を進めることとしました。
 二十一世紀に入り、世界ではグローバリゼーションや多極化に向けた動きが進んでおります。また、東アジアにおいても、種々の不安定要因が依然存在する中、中国の持続的な高度成長など、我が国を取り巻く国際環境は大きく変化を遂げつつあります。
 我が国がこうした情勢にいかに対応し、どのような外交を展開すべきなのかという問題意識の下、第一年目は、日本のアジア外交について重点的に調査を行うとともに、我が国のアジア外交との関連において、日米関係及びEU情勢についても調査を進めてまいりました。
 このたび、第一年目の調査を中間報告として取りまとめ、七月二十日、これを議長に提出いたしました。
 以下、調査の概要を御報告申し上げます。
 第一は、日中外交の回顧と今後の課題についてであります。
 今日、日中両国は、歴史問題を始め種々の問題に直面しております。調査会においては、現代中国情勢、中国外交、日中外交の現状と課題等について、様々な観点から議論が行われ、近年、日中関係が悪化しているのは、両国関係が緊密となり、それぞれの国の内政と外交とが密接に結び付くようになってきている結果であるとの意見、今後の日中関係に関し、経済的な相互依存関係の深まりを踏まえ、戦略的外交を樹立する必要があるとの意見などが述べられました。
 第二は、東アジアにおける不安定要因の除去についてであります。
 東アジアには、北朝鮮の核問題を始め、地域の不安定要因が依然として存在しております。調査会においては、今後の対北朝鮮政策の在り方、北朝鮮に対する制裁実施の是非、中台関係の現状等について議論が行われ、朝鮮半島に緊張が続く限り東アジアの安定と平和はもたらされず、北朝鮮にいかに対応し、どのようにソフトランディングさせていくかが重要であるとの意見などが述べられました。
 第三は、東アジア共同体構築に向けての課題についてであります。
 現在、ASEANプラス3を中心に東アジア共同体構想の検討が進められております。調査会においては、東アジア共同体の在り方、中国、韓国及びASEANとの関係、さらに米国との関係などについて活発な議論が行われ、東アジアから様々な形で活力を得ることによって日本の繁栄と安定を維持することができるとの観点から、経済を中心とした共同体の構築が重要な課題となるのではないかとの意見、東アジア共同体と日米同盟は矛盾するものではなく、日本が、今後、東アジア共同体の形成に当たって大きな役割を果たしていくべきであるとの意見などが述べられました。
 第四は、二十一世紀における日米関係についてであります。
 近年、日米関係は極めて良好で、かつ同盟関係は非常に深まっております。調査会においては、これまでの日米関係と今後のあるべき姿、日米交流推進の意義、日米の経済関係等について議論が行われ、戦後の日本の経済発展は日米同盟を外交の基軸としてきたからであるとの意見、今後、東アジア外交がますます重要となってくるが、日米同盟をバックボーンとして押さえながらこれを進めるべきであるとの意見などが述べられました。
 第五は、拡大するEUの現状と今後の方向についてであります。
 統合の深化と拡大に向けて進展を見せているEUは、そのプレゼンスを高めております。調査会においては、EUの拡大、日・EU関係の在り方、EUに学ぶべき教訓をめぐって活発な議論が行われ、日本は独仏和解のプロセスをEUに学ぶべきであるとの意見、日本とEUとの経済関係は深まっており、EUは日本外交にとり重要な位置を占めているとの意見などが述べられました。
 第六は、今後の外交課題についてであります。
 我が国は、国際的な軍縮・不拡散の維持強化、アジア諸国等へのきめ細かな援助に加えて、テロ、環境汚染など非伝統的な脅威に対し、ソフトパワーに基づく外交政策を展開しております。調査会においては、我が国外交の基本戦略の必要性、地球環境・エネルギー問題、議員外交の重要性など幅広い議論が行われ、独自の戦略的外交を展開するため、外交戦略の研究機関を設置すべきであるとの意見、我が国外交にとり重要な問題の解決のために議員外交が大きな役割を果たすべきであるとの意見などが述べられました。
 以上のような活発な論議を踏まえ、本調査会は今後とも、より一層充実した調査を進めてまいる所存であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)

発言情報

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発言者: 松田岩夫

speaker_id: 4025

日付: 2005-07-22

院: 参議院

会議名: 本会議