村田吉隆の発言 (内閣委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○村田国務大臣 国家公安委員会委員長として、一言、ごあいさつを申し上げます。
今月一日のインドネシア・バリ島における連続爆弾テロ事件により亡くなられた方々に対し、衷心から哀悼の意を表します。
日本警察としては、一昨日、国際テロリズム緊急展開班を派遣したところであり、こうした活動を通じ、今回の事案の解明に向け、できる限りの協力を行うとともに、国内においては、テロの発生を防止するため、情報収集、警戒警備等の諸対策をさらに強力に推進してまいります。
さて、最近の治安情勢は、刑法犯の認知件数が二年連続して減少し、近年の増加傾向には一定の歯どめがかかったものの、昭和期の約二倍に上るなど、依然として厳しい状況にあります。
こうした状況のもと、世界一安全な国日本の復活を図るため、緊急治安対策プログラムや犯罪に強い社会の実現のための行動計画等に沿って、引き続き総合的な治安対策を強力に推進してまいります。
第一は、犯罪抑止のための総合対策の推進であります。
国民が身近に不安を感じている街頭犯罪や侵入犯罪の発生を抑止するため、発生水準の高い犯罪に重点を絞った街頭犯罪等抑止計画に基づき、街頭活動を一層強化するとともに、空き交番の解消を含めた交番機能の強化や、本年六月に策定された安全・安心なまちづくり全国展開プランを踏まえ、官民が連携して行う犯罪対策とまちづくりを融合させた取り組みによる、繁華街、歓楽街の再生に努めてまいります。
また、国民が大きな不安を感じている重要凶悪事件については、DNA型鑑定等の科学技術を活用するなどしてその早期検挙を図るとともに、国民各層に被害が発生している振り込め詐欺については、預金口座の売買等を処罰する改正本人確認法や、さきの国会で成立した携帯電話不正利用防止法を最大限活用するなどして、捜査の徹底と被害の拡大防止に努めてまいります。
さらに、最近の少年非行等の情勢は、少年による凶悪事件や少年が被害者となる児童虐待等の犯罪が相次ぐなど、引き続き厳しい状況にあります。少年の健全育成は、国民すべての願いであり、関係機関や地域住民との連携を強化し、少年の非行防止と保護の両面にわたる対策を推進してまいります。
第二は、組織犯罪対策の強化であります。
治安悪化の大きな要因の一つとなっている暴力団や来日外国人等による組織犯罪に対しては、国内外の関係機関等との連携強化を図るとともに、情報の集約と分析を進め、資金源や犯罪インフラにかかわる犯罪の取り締まりを強化するなど、犯罪組織の壊滅に向けた諸対策を推進してまいります。
特に、日中間にまたがる犯罪については、本年一月、私が中華人民共和国を訪問して周永康公安部長らと意見交換を行ったところでありますが、七月には日中治安当局間協議が行われるなど、実務レベルでの協議を重ねているところであり、両国の一層の協力による犯罪対策を推進してまいります。
また、全国各地の歓楽街において、違法な性風俗店が乱立し、治安に悪影響を及ぼしているほか、人身取引の被害者である外国人女性の性風俗店での不法就労が問題となっていることから、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出するとともに、風俗関係事犯や人身取引事犯の取り締まりを推進してまいります。
第三は、テロ対策の強化であります。
最近における世界各地のテロ事件の続発が示すように、国際的にも、また、我が国をめぐるものとしても、テロ情勢は依然として厳しい状況にありますが、昨年八月に策定したテロ対策推進要綱及び昨年十二月に国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において策定されたテロの未然防止に関する行動計画に基づき、関係機関と連携して、テロを未然に防止するための諸対策を着実に実施するとともに、テロや大規模災害等が発生した場合に備え、緊急事態に迅速的確に対処する態勢の強化に努めてまいります。
また、北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、引き続き、関係機関と連携し、全容解明に向けて最大限の努力をしてまいります。
第四は、総合的な交通事故防止対策の推進であります。
本年上半期の交通事故発生状況は、死者数、負傷者数とも昨年同時期と比較して減少しているところでありますが、依然として突然の事故によって多数のとうとい命が失われているという事実に変わりはありません。
十年間で交通事故死者数を五千人以下にするという政府目標の達成に向け、交通安全教育の推進、交通安全施設の整備充実、重点を指向した交通指導取り締まり等の諸対策を積極的に推進し、より一層の交通事故の防止に努めてまいります。
以上、警察行政の当面の課題と対策について申し上げましたが、厳しい治安情勢に的確に対応していくためには、警察力の一層の充実強化が必要であります。
平成十七年度以降、三年を目途に地方警察官を約一万人増員する必要があることから、平成十八年度予算概算要求においては、本年度に引き続き三千五百人の増員を盛り込んだところであります。今後とも、人的基盤の強化や処遇の改善に取り組むとともに、警察改革の一層の推進を図ってまいります。
なお、警察の会計経理をめぐる事案につきましては、関係者に対する処分、所要額の早期返還など必要な措置をとるとともに、会計経理の適正化を一層推進するよう、警察庁に対し指導したところであります。
今後とも、監査の充実強化を図るとともに、適正経理の重要性に対する職員の意識を一層高めるなど、再発防止の徹底を図り、真に国民の信頼にこたえることのできる警察の確立に努めてまいります。
次に、内閣府の犯罪被害者等施策を担当する国務大臣として申し上げます。
国民が安心して安全に暮らせる社会の実現のためには、国民のだれもが犯罪被害者等になる可能性が高まっている今、犯罪被害者等の視点に立った施策を総合的かつ計画的に推進していくことが極めて重要となっております。
政府といたしましては、本年四月に施行いたしました犯罪被害者等基本法に基づき、総合的かつ長期的に講ずべき施策の大綱等を定める犯罪被害者等基本計画案の骨子を八月に策定したところであり、同基本計画についてさらに検討を重ね、本年中に同基本計画を閣議決定するとともに、各般の取り組みを進めてまいります。
以上、所管行政について申し上げましたが、国民の皆様がこれまで以上に安全で安心して暮らせる社会を実現するため、全力を尽くす覚悟でありますので、委員長、理事及び委員各位におかれましては、よろしく御指導と御鞭撻を賜りますようお願いする次第であります。