神崎武法の発言 (本会議)

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○神崎武法君 私は、公明党を代表して、小泉総理の所信表明演説に対して質問をいたします。(拍手)
 質問に先立って、一言申し上げます。
 先ほど、民主党前原新代表の質疑の中で、さきの選挙に関して、我が党に対するいわれなき批判と中傷の発言がありました。
 さきの衆議院選挙での民主党大敗北をみずからの無責任な政策の失敗によるとの自覚もなく、事もあろうに、選挙における自民党と公明党の連携の強さを批判するとは、まさに言語道断であります。
 言うまでもなく、我が党が小泉総理とともに郵政民営化を一貫して推進してきたことは、国民すべてが認めるところであります。郵政民営化を初めとする改革を一層推進するためには、連立与党として自民、公明両党がともに選挙に勝利することが重要であり、比例区は公明党との呼びかけは、各選挙区で自民党候補が個別に判断したところのもので、極めて自然な主張であります。
 なお、我が党がこれまで比例票を自民党に強要したことは全くないことを、この際はっきり申し上げておきます。
 このたびの衆議院総選挙は、郵政民営化を初めとする改革の是非が最大の争点であり、同時に、連立六年目を迎える自民党、公明党による連立政権に対する評価を問うものでもありました。結果は、自民、公明両党に対し、合わせて三百二十七もの議席を与えていただき、自公連立政権は圧倒的な信任を得ることができたのであります。
 公明党は、連立政権に課せられた責任の重みと、改革を加速させよとの国民の民意をしかと受けとめ、改革断行に邁進する決意であります。まずは、今特別国会におきましては、その象徴的な取り組みとし、郵政民営化法案を自民党と協力し速やかに成立を期してまいります。(拍手)
 一昨日行われました小泉総理の所信表明演説は、総選挙の圧勝を受けての演説でした。それだけに、郵政改革を初め、改革への自信と決意のみなぎる演説でありました。ただ、その一方で、国民からは、郵政後の改革の方向性を具体的に示してほしかったとの声も散見されます。
 そこで、私は、郵政民営化後のこれからの構造改革に関する具体像について、もう一歩踏み込んで、具体的な方向性や率直なお考えをお伺いいたします。
 財政健全化へ向けた構造改革、特に歳出改革や行財政改革については、構造改革の柱であり、国民は、小泉政権がどのように改革をする考えなのか、大変に注目をしております。
 公明党は、これまでも公務員数の削減や公共事業費並びにコストの削減等、徹底した行政改革を推進してまいりましたが、さらなる抜本改革が急務であります。そのために、事業仕分け作戦というものを提唱いたします。
 これは、既存のすべての行政の制度や事業について、予算項目ごとに必要か不必要かを徹底的に見直す。次に、必要な事業については、官でやるか民間でやるかに区分けする。最後に、官が行う事業は、国でやる事業か地方でやる事業かを仕分けするというものであります。この作業は、すべての制度、事業を洗い直すと同時に、小泉改革の柱の一つである官から民へという市場化テストや、三位一体改革を補完することにもなります。
 私たち公明党は、事業仕分け作戦は、財政健全化に取り組む上でぜひとも行う必要があると強く考えております。そのために、総理には、強いリーダーシップを発揮し、大胆な歳出削減を行う事業仕分け作戦を展開し、徹底的な税金節約の音頭をとっていただきたいと考えます。総理の御決意を伺います。
 二点目に、公務員制度改革は改革の柱であります。現在、その議論は公務員数の削減と人件費見直しが中心となっていますが、公務員の働き方を根本的に改める。そのため、能力、実績主義の人事制度へ改革をするなど、制度全体の改革が不可欠であります。この改革の成果を国民に示すことなく、国民から評価を得られるとは思えません。
 しかしながら、昨年来、与党は改革の具体化を図ってまいりましたが、官公労などの強い抵抗によって法案の取りまとめができず、改革論議が滞っております。これは、まことに遺憾であります。抵抗に屈することなく、断固やり遂げなければなりません。
 そこで、膠着状態のこの局面をどのように打開し、取り組もうとされているのか、総理の率直なお考えを伺いたいと存じます。
 第三点目に、日本道路公団の幹部が談合事件によって逮捕されるという、あってはならない事件が起こりました。この事件で明らかになったように、特殊法人等の職員は、現状では再就職に対する規制が皆無であり、一定の規制をかけるのは当然必要であります。
 また、今回の談合に限らず、天下りの規制と同時に、談合防止の強化は不可欠であります。公共工事の入札は原則一般競争入札とするなど、だれの目から見ても公平中立な競争を実現するための入札制度へと一刻も早く移行すべきだと考えますが、これらの点について、総理のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。(拍手)
 さて、このたびの総選挙で示された国民の民意は、郵政民営化を突破口として、構造改革をスピードアップせよという点だけでは決してありません。世論調査を見るまでもなく、子育て支援、年金、医療等の改革は待ったなしだ、安心の社会保障を何としても確立してほしいとの国民の切なる要望は一層強まっています。
 そこでまず、人口減少社会を乗り越える構造改革について、政府には、ぜひとも勇断をしていただきたいとの観点から、次の点をお伺いいたします。
 少子高齢化が加速し、当初の二〇〇七年からという想定よりも早く人口減少時代に突入する可能性が高まってきました。
 社会保障、経済・財政、教育、雇用、社会資本整備など、あらゆる角度から人口減少社会を見据えた構造改革、社会システム自体の転換は緊急性を要します。その改革の視点として、公明党は、子供の幸せや子育ての安心こそ最優先されるべきとの改革の視点で、チャイルドファースト、すなわち子供最優先社会の構築を提言しております。
 そのためには、これまでの少子化対策の範囲にとどまらず、人口減少社会を乗り越えるための構造改革として、総理が先頭に立って推進していく体制を構築すべきだと考えます。総理の御見解を伺います。
 次に、子育てに取り組む家庭への支援として、非常に重要になるのが働き方の見直しであります。
 我が国の勤務時間は他の先進諸国に比べてもなお長く、特に父親は十分な育児の時間の確保ができないのが実情であります。そのため、今後は、ワークシェアリングの推進や短時間正社員の制度化など、長時間労働の是正に取り組むべきであります。
 また、結婚や出産を機に離退職された女性の再就職支援の問題は、生活を犠牲にしない働き方への構造改革という観点に加え、人口減少下における良質な労働力の確保という観点からも、極めて重要な問題であります。
 構造改革の一環として、働き方の見直しについてどのようにお考えか、総理並びに厚生労働大臣に伺います。
 次に、子育てに対する経済的負担の軽減については、少子化対策の中心的課題であります。子育ての責任を両親だけにゆだねるのではなく、社会や国家も応分の責任を分担するという考え方のもと、国は今こそ取り組まなければなりません。
 公明党が拡充に取り組んできた児童手当は、西欧諸国の水準と比べればいまだ十分な内容ではなく、対象年齢の引き上げや手当額の倍増などさらなる拡充が必要ですが、いかがお考えですか。
 出産費用につきましても、検査費等を含めると現行の出産育児一時金では不十分であります。実態を踏まえた費用の拡充が求められています。
 これ以外にも、子育て以前の問題として、経済力に欠ける若年者、フリーター同士が結婚して子供ができるケースも多く、それが経済苦に陥り、ひいては子供への虐待につながることもあります。その対策として、新婚向け住宅の確保や家賃補助及び子育て世帯向けの住宅支援を初め、総合的な経済支援策を短期集中的に講ずべきであります。
 そのためには、社会保障給付費に占める児童・家族向け給付の割合がわずか三・八%という極めて少ない現状を改め、子育て支援に重点シフトするなど、予算配分の思い切った見直しも必要と考えますが、総理並びに厚生労働大臣の決意と具体的な経済支援策のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さて、衆院選の最中に台風十四号が日本列島を縦断し、甚大な被害をもたらしました。災害によりお亡くなりになられた方々に改めて心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた地域の皆様方に衷心よりお見舞い申し上げます。
 その上で、特に浸水対策についてお伺いいたします。
 実は、我が国においても、ニューオーリンズと同じように、東京、大阪、名古屋の大都市のいわゆるゼロメートル地帯に四百万人以上の住民が暮らしております。
 近年の地球温暖化に伴う異常気象と、それによる集中豪雨や水害の頻発により、河川などの堤防設計のレベルが低い堤防に対する緊急対策、洪水や高潮の防災基準を早急に設定し直すなど、総合的に防災のあり方を再点検していくべきだと考えますが、北側国土交通大臣の見解を伺います。
 地震対策も一刻の猶予も許されません。住宅、建築物の耐震化は地震の第一撃から国民の命を守る最大の決め手でありますが、耐震化工事への助成、さらに住宅耐震化を誘導するための耐震診断への助成、これらに対する税制優遇策が必要だと考えますが、国土交通大臣の積極的な見解を求めます。
 次に、アスベスト問題についてお尋ねいたします。
 中皮腫などで現に苦しまれている被害者、亡くなられた方や御遺族のことも考え合わせ、政府として迅速、誠実にこの問題に取り組むべきであります。
 公明党は、対策本部を設け、現地調査を行い、被害者や遺族から話を伺い、政府にも対策を申し入れてきました。
 現在、被害者の救済を中心に、汚染や被害の拡大防止、実態調査と情報開示、治療・相談体制の整備など、総合的な対策を講じるため、できるだけ早期の新法制定を目指し、作業を進めているところであります。
 その上で、何点か御質問をいたします。
 第一に、労災認定されずに現に闘病されている方への支援策は喫緊の課題であり、新法に基づく被害申請を待つまでもなく、何らかの緊急対策を講じるべきだと考えます。
 第二に、アスベスト被害者の実態調査と建造物の総点検です。特に建造物については、調査の結果、直ちに情報開示を行い、吹きつけアスベストに関する対策等を早急に講じる必要があります。
 第三に、今後、建造物解体の際のアスベスト飛散が最大の汚染源となることから、建造物の解体や増改築、災害時の封じ込め技術の開発や体制づくりを急ぐべきであります。
 最後に重要な指摘をしておきますが、政府が二〇〇八年度までとしているアスベストの全面禁止を、例えば来年度中までに大幅な前倒しを図るべきと考えます。
 以上の点につきまして、総理並びに厚生労働大臣から、国民に安心を与えるべく、明快な答弁を求めます。(拍手)
 次に、社会保障制度改革についてお尋ねいたします。
 本年四月に、年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議が設置され、ことし秋までに骨格の成案を得ることを目指し、与野党協議が開始されました。私は、早急にこの両院合同会議を再開し、制度改正の骨格について結論を出すべきだと考えますが、総理の御見解をお聞かせください。
 年金制度は、昨年の年金改正において、長期的な給付と負担の均衡を確保し、持続可能な制度改革を行いました。今後は、被用者年金の一元化や国民年金の未納、未加入問題、短時間労働者の厚生年金の適用問題等に結論を出さなければなりません。
 もちろん、国民年金を含めた一元化は、その実現可能性への検討を行うことは重要です。しかし、その点のみをクローズアップさせ、いたずらに議論を停滞させ、さきに述べた被用者年金の一元化の問題までも先送りすることは許されません。与野党で結論を得たものから順次迅速に進めていくべきであります。
 こうした諸課題にどのように対応されるおつもりか、総理のお考えを伺います。
 国会議員の議員年金制度の改革について、議会制度協議会で改革案の策定作業が行われていますが、国民からは国会議員だけが優遇されているとの強い批判を浴びており、これこそ早急に取り組まなければなりません。
 公明党は、既に同協議会に、現行の議員年金制度を廃止し、将来は公的年金制度に統合する、その間は暫定措置として、現行七〇%の国庫負担率を五〇%に引き下げる、既受給者の支給額をおおむね平均一〇%程度削減するという案を提示しています。
 一部で議員年金廃止だけを主張している党がありますが、これでは国庫負担が逆にふえてしまうということもしっかり認識しなければならないと思います。
 議員年金制度改革について、総理の御所見を伺います。
 医療制度については、これからの高齢社会にたえ得る抜本的改革を進めていかなければなりません。治療中心から予防重視へ、そして、あくまでも患者第一を基準に、不必要な医療費の削減と高い質の医療を提供するためにどのような仕組みが望ましいのか。こうした視点に立って、新たな高齢者医療制度の創設や保険者の再編統合、診療報酬の見直しなどについてしっかりと取り組むべきだと考えますが、総理の御答弁を賜りたい。
 外交問題についてお尋ねいたします。
 我が国外交は、日米同盟と国連を中心とする国際協調を両輪としてまいりました。この基軸を基本としつつも、懐の深い平和外交をより積極的に展開するためにも、アジア外交により力を注ぐ必要があります。その場合、どこまでもその根本は、人間対人間の対話による信頼関係、首脳間の信頼関係が不可欠であります。
 特に、アジア外交のかぎを握る中国、韓国との相互理解は一体どうなっているでしょうか。私は、この点については、残念ながら、信頼とは言いがたいぎくしゃくした関係となっているのが現実ではないかと見ております。
 信頼関係は大切です。主権国家同士の立場は立場として、信頼をどのように構築していくおつもりなのか、総理からぜひともメッセージを示していただきたいと思います。
 追悼平和祈念施設について伺います。
 戦後六十年、日本は、平和憲法に基づき、国家の行為によって二度と戦争の惨禍が起きることのないよう決意し、恒久平和を希求し行動してまいりました。
 そして今、過去の歴史を学んだ教訓を礎として、国家や国際平和のためにとうとい命を落とされたすべての人を追悼し、将来にわたって不戦を誓い、平和への祈りをささげられる、宗教的に中立で国立の象徴的施設の設置を望む国民世論が高まっております。この際、そうした施設の設置を検討するための予算を確保の上、調査を実施すべきだと考えます。これは、我が国のあり方、国家像にもかかわることであります。総理の明確な答弁を御期待申し上げます。(拍手)
 総選挙では、私たち公明党、自民党の連立政権に対し、国民の皆様は多大な信任を与えてくださいました。
 しかし、それは同時に、改革が停滞し、新しい社会への確かな道筋が開かれなければ、その次には大きな失望が待っているのだという、国民の強い警告にも聞こえます。
 改革は、常に抵抗や障害との戦いであります。総理は、所信の表明で、改革に対する決意を力強くこう訴えられました。自民党及び公明党による連立政権の安定した基盤に立って、引き続き構造改革を断行する覚悟であると。
 この言葉は、私の、そして我が党の不退転の覚悟でもあります。同時に、公明党は、日本を前に、改革を前に進めるため、懸命に戦う決意であることを最後に申し述べ、私の代表質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕

発言情報

speech_id: 116305254X00420050928_017

発言者: 神崎武法

speaker_id: 11799

日付: 2005-09-28

院: 衆議院

会議名: 本会議