重野安正の発言 (本会議)

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○重野安正君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました政府提出の郵政民営化法案並びにその関連法案について、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 政治にかかわる者として、とりわけその権力のトップにある者には、何よりもまず過去に現在を一たん埋め込むことで現在を生きたものとして認識することが求められております。それと申しますのも、未来を構想するにはこうした知的行為が不可欠であり、それによって得られる知見がすべての土台となるからであります。
 それでは、今回の郵政民営化法案及びその関連法案が、この現在と過去との相関関係の理解の上に、あらゆる構想力を駆使して未来設計するという行為との間にどれほどの緊張関係を持って提案されたのか、結論から言えばノーと言わざるを得ません。
 明治五年の郵便の創設に始まる郵政事業の発足の歴史は、国民のコミュニケーションを軸とする社会文化発展史をなすものと言えます。この歴史に、我が国が現在既に直面し、今後もなお一層深刻化する少子高齢化、地域間格差を埋め込むならば、おのずと郵政事業の未来について制度設計はできるはずであります。
 競争至上主義に走って国民共有財産を十把一からげに市場にほうり出すことがいかに社会的マイナスとなるか、そこには未来を設計するに必要な一片の知見さえも見当たりません。民営化法案並びにその関連法案について反対する根本的理由はまさにここにあります。
 さて、一九八〇年代中期以降、国民にとって日に日に政府が遠い存在となっていることを、歴代自民党政府、とりわけ小泉総理は御存じでしょうか。この年代を境として、それまでの福祉国家とはほど遠い、自立自助、自己責任だけが重視される自由競争の社会に突入をいたしました。とりわけWTOの確立による国際的な大競争体制の進展は、すべてを市場競争万能主義に駆り立て今日に至っていることは、改めて指摘するまでもありません。
 この結果、我が国において何が引き起こされているかといえば、働く者の雇用は不安定化し、経営者には極めて都合のよい短期雇用、パート労働者が蔓延し、その結果として労働者の自殺者がウナギ登りに上昇しているのであります。
 一方、老後保障としての年金に対する国民、とりわけ若年層の信頼感は低下の一途をたどり、年金は崩壊の際に立たされています。国民に対する政府責任がこれほど不信のふちに立ったことがかつてあったでしょうか。政府と国民との距離はそれほどに乖離しているのであります。
 郵政民営化も、この政府と国民との距離をさらに拡大するものとなることは自明の理であります。行政サービスの拠点としての郵便局が地域社会から統合再編をされることは、地域社会における政府の存在そのものが目に見えて失われていくわけであります。このことは、諸外国の例を引き合いに出すまでもなく、JRのローカル線撤収一つ見ても明らかでありましょう。これが民営化に反対する第二の理由であります。

発言情報

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発言者: 重野安正

speaker_id: 24379

日付: 2005-10-11

院: 衆議院

会議名: 本会議