本会議

2005-10-11 衆議院 全47発言

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会議録情報#0
平成十七年十月十一日(火曜日)
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  平成十七年十月十一日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 永年在職の議員深谷隆司君に対し、院議をもって功労を表彰することとし、表彰文は議長に一任するの件(議長発議)
 皇室会議予備議員の選挙
 皇室経済会議予備議員の選挙
 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙
 郵政改革法案(松本剛明君外七名提出)
 郵政民営化法案(内閣提出)
 日本郵政株式会社法案(内閣提出)
 郵便事業株式会社法案(内閣提出)
 郵便局株式会社法案(内閣提出)
 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出)
 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
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河野洋平#1
○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。
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 永年在職議員の表彰の件
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河野洋平#2
○議長(河野洋平君) お諮りいたします。
 本院議員として在職二十五年に達せられました深谷隆司君に対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。
 表彰文は議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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河野洋平#3
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 表彰文を朗読いたします。
 議員深谷隆司君は衆議院議員に当選すること九回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められた
 よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもってこれを表彰する
    〔拍手〕
 この贈呈方は議長において取り計らいます。
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河野洋平#4
○議長(河野洋平君) この際、深谷隆司君から発言を求められております。これを許します。深谷隆司君。
    〔深谷隆司君登壇〕
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深谷隆司#5
○深谷隆司君 ただいま、院議をもちまして在職二十五年の表彰を賜りましたが、議会人として忘れることのできない栄誉であります。ここに謹んで厚く御礼申し上げる次第です。ありがとうございます。拍手
 私は、台東区議会議員、東京都議会議員を経て衆議院議員に当選いたしましたが、昭和四十七年、三十七歳のときでありました。ちなみに、このとき当選されました自民党の新人は二十九名、ただいま残っておりますのは、小泉総理を初めとしてわずか六名でございます。
 当時は、田中政権のもと、まさに自社対決の時代で、国会はしばしば混乱をきわめておりました。
 私が最初に与えられた議席は最前列でございまして、いざというとき真っ先に飛び出すための戦闘要員でございました。実際、第七十一国会は会期延長をめぐって騒然となりまして、私は、議長席に駆け上り、時の前尾繁三郎議長を抱え、お守りしたのであります。そのときの光景はテレビ、新聞で全国に報道されまして、思えばこれが私のマスコミ初デビューのときでございました。今、最後列に座っておりますが、あのころを振り返り、年月の流れに感慨無量であります。
 私の政治生活はまことに波乱多く、二十五年の表彰を受けるまでに三十三年の年月を要してしまいました。三たび敗れましたが、特に現職通産大臣のときに惜敗をいたしまして、国政復帰までに五年も要してしまいました。
 私の取り柄は、どんなときでもただの一度も志を変えなかったことだと思っております。ある人が、あなたは忍耐強いと言ってくださいました。しかし、本当に忍耐強かったのは、逆境のときもひたすら私を信じ、必死に支えてくださった応援者の皆様であります。
 ここに万感の思いを込めて、私を支え続けてくださった方々に感謝の誠をささげたいと思っております。そして、私ごとに及びますけれども、苦労をともにしてくれた我が妻、我が家族、我が親族にも感謝の心を伝えたいと思います。ありがとう。拍手
 今日まで私は、郵政大臣、自治大臣、国家公安委員長、そして二度にわたる通産大臣を務めてまいりました。議会にありましては逓信委員長、予算委員長を務め、自民党では総務会長などを歴任いたしてまいりました。
 この間、さまざまなことがありました。特に、自民党が野に下ったとき、私は予算委員会の筆頭理事として論陣を張り、多くの仲間たちと、結果的に細川政権、羽田政権交代を実現させました。本来知性派である私が、心ならずも武闘派と呼ばれたのはこの時代のことであります。
 大臣時代には、雲仙・普賢岳、阪神・淡路大震災後の処理、復興を手がけ、また、オウム事件の解決に当たり、さらには中小企業国会を催すなど、微力ながら多くの仕事をこなしてまいりました。しかし、過去を語るにはまだ若い年代でありますので、今ここで多くを語ろうとは思っておりません。
 むしろ、私の脳裏を占めておりますのは、この国の行方、日本の未来のことであります。
 今、日本は内憂外患、まさに困難な曲がり角に立っております。とりわけ、今後の人口減少などは重大な課題であります。この百年、日本の人口は三倍にとふえ続けました。そして、この右肩上がりの人口増をもとにして、年金、福祉などさまざまな制度ができ上がっております。百年後には人口が半分になると言われております。
 これからの急激な人口減少時代に対応していくには、まさに小泉総理の言われる改革こそ急務であると存じます。本日、くしくも郵政民営化法案が可決されようとしております。私は、あらゆる角度から改革に協力し、日本の将来に禍根を残さぬように努めてまいりたいと思っております。拍手
 私は、第二次世界大戦で我が国が敗れましたとき、はるか遠い満州のハルピンの地で終戦を迎えました。そして、私を政治家に育ててくれた今は亡き両親に連れられて、決して戻れないと言われた日本に一年後に引き揚げることができたのであります。幾山河を越え、海を渡り、ようやくの思いで長崎県佐世保にたどり着いたとき、子供心に見た緑多き美しき日本の姿を今も忘れることはできないのであります。
 私には愛する日本がある。このために尽くしたい。私の政治家としての原点はまさにここにあるのであります。
 議場におられる同僚議員の皆さん、政党政派は違っても、国を愛する心は同じであります。これからも、この国のためにともに働いていこうではありませんか。
 私は、改めて、この愛してやまない日本のために私の人生をささげることをここにお誓い申し上げ、感謝のごあいさつといたします。
 ありがとうございました。拍手
     ————◇—————
 皇室会議予備議員の選挙
 皇室経済会議予備議員の選挙
 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙
 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 日本ユネスコ国内委員会委員の選挙
 国土審議会委員の選挙
 国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙
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河野洋平#6
○議長(河野洋平君) 皇室会議予備議員、皇室経済会議予備議員、裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員、裁判官訴追委員及び同予備員、検察官適格審査会委員及び同予備委員、日本ユネスコ国内委員会委員、国土審議会委員及び国土開発幹線自動車道建設会議委員の選挙を行います。
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中山泰秀#7
○中山泰秀君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、皇室会議予備議員、皇室経済会議予備議員、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。
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河野洋平#8
○議長(河野洋平君) 中山泰秀君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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河野洋平#9
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、皇室会議予備議員に
      森  喜朗君 及び 渡部 恒三君
を指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、皇室経済会議予備議員に
      森  喜朗君 及び 渡部 恒三君
を指名いたします。
 なお、その職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、裁判官弾劾裁判所裁判員に
      瓦   力君    保岡 興治君
      衛藤征士郎君    鳩山 邦夫君
      中井  洽君    川端 達夫君
   及び 田端 正広君
を指名いたします。
 また、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に
      平沢 勝栄君    望月 義夫君
      五島 正規君 及び 高市 早苗君
を指名いたします。
 なお、予備員の職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、裁判官訴追委員に
      森山 眞弓君    津島 雄二君
      中馬 弘毅君    長勢 甚遠君
      高村 正彦君    臼井日出男君
      山岡 賢次君    河村たかし君
      西村 真悟君 及び 江田 康幸君
を指名いたします。
 また、裁判官訴追委員の予備員に
      岸田 文雄君    谷畑  孝君
      細川 律夫君    渡辺 具能君
   及び 太田 昭宏君
を指名いたします。
 なお、予備員の職務を行う順序は、ただいま指名した順序によることといたします。
 次に、検察官適格審査会委員に
      柳澤 伯夫君    谷津 義男君
      太田 誠一君 及び 松本  龍君
を指名いたします。
 また、
 上川陽子君を柳澤伯夫君の予備委員に、
 吉野正芳君を谷津義男君の予備委員に、
 近藤基彦君を太田誠一君の予備委員に、
 大畠章宏君を松本龍君の予備委員に
指名いたします。
 次に、日本ユネスコ国内委員会委員に
      遠藤 利明君    小渕 優子君
      馳   浩君 及び 平野 博文君
を指名いたします。
 次に、国土審議会委員に
      中谷  元君    保岡 興治君
      柳澤 伯夫君    渡辺 喜美君
      古賀 一成君 及び 土肥 隆一君
を指名いたします。
 次に、国土開発幹線自動車道建設会議委員に
      武部  勤君    久間 章生君
      与謝野 馨君    古賀  誠君
      鉢呂 吉雄君 及び 小沢 鋭仁君
を指名いたします。
     ————◇—————
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中山泰秀#10
○中山泰秀君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 松本剛明君外七名提出、郵政改革法案、内閣提出、郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、右七案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
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河野洋平#11
○議長(河野洋平君) 中山泰秀君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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河野洋平#12
○議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。
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 郵政改革法案(松本剛明君外七名提出)
 郵政民営化法案(内閣提出)
 日本郵政株式会社法案(内閣提出)
 郵便事業株式会社法案(内閣提出)
 郵便局株式会社法案(内閣提出)
 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案(内閣提出)
 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出)
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河野洋平#13
○議長(河野洋平君) 松本剛明君外七名提出、郵政改革法案、内閣提出、郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、右七案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。郵政民営化に関する特別委員長二階俊博君。
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 郵政改革法案及び同報告書
 郵政民営化法案及び同報告書
 日本郵政株式会社法案及び同報告書
 郵便事業株式会社法案及び同報告書
 郵便局株式会社法案及び同報告書
 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案及び同報告書
 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔二階俊博君登壇〕
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二階俊博#14
○二階俊博君 ただいま議題となりました内閣提出の郵政民営化関連六法案及び民主党・無所属クラブ提出の郵政改革法案につきまして、郵政民営化に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、内閣提出の郵政民営化関連六法案について申し上げます。
 本六法案は、民間にゆだねることが可能なものはできる限りこれをゆだねることが、より自由で活力ある経済社会を実現することにかんがみ、郵政民営化を実施するため必要な事項を定めるものであります。
 その主な内容は、平成十九年十月一日に日本郵政公社を解散するとともに、その機能を引き継ぐ日本郵政株式会社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社、郵貯・簡保の旧契約を承継する独立行政法人を新たに設立するほか、準備期間及び移行期間を通じて、同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置等を講じるものであります。
 なお、本六法案は、さきの国会に提出された郵政民営化関連六法案に、衆議院における修正事項を盛り込むほか、民営化の実施時期を半年間延期するなどの措置を講ずるものであります。
 次に、民主党・無所属クラブ提出の郵政改革法案について申し上げます。
 本案は、地域住民の生活の安定向上を確保するとともに、公的部門から民間部門への資金の流れを変えることなどにより、自由で活力ある経済社会を実現するため、郵政事業の改革について、そのあり方及び当面緊急に講ずべき措置等について定めるものであります。
 その主な内容は、
 平成十九年十月一日以降において、郵便の業務は、引き続き日本郵政公社において行うこと、
 郵便貯金等の業務は、日本郵政公社の子会社として設立する郵便貯金会社において行うこと、
 簡易生命保険を廃止するとともに、旧契約の業務については、五年以内に完全民営化する複数の郵政保険会社に分割して引き継ぐこと、
 その他、預入限度額の段階的引き下げ、日本郵政公社等による財投債等の購入禁止等を定めております。
 以上の各案は、十月六日本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、同日竹中郵政民営化担当大臣並びに提出者三谷光男君から提案理由の説明を聴取いたしました。
 質疑は、翌七日及び本日、各案を一括して行い、七日には小泉内閣総理大臣の出席を求め、本日質疑を終局いたしました。
 次いで、討論に入り、自由民主党及び公明党を代表して公明党の桝屋敬悟君から、内閣提出の六法案に賛成、民主党・無所属クラブ提出の法案に反対、民主党・無所属クラブの石関貴史君から、内閣提出の六法案に反対、民主党・無所属クラブ提出の法案に賛成、日本共産党の塩川鉄也君から、内閣提出の六法案及び民主党・無所属クラブ提出の法案にいずれも反対、社会民主党・市民連合の重野安正君から、内閣提出の六法案及び民主党・無所属クラブ提出の法案にいずれも反対、国民新党・日本・無所属の会の亀井久興君から、内閣提出の六法案及び民主党・無所属クラブ提出の法案にいずれも反対の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、順次、各案について採決いたしました結果、民主党・無所属クラブ提出の郵政改革法案は賛成少数をもって否決すべきものと決し、内閣提出の郵政民営化関連六法案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
    —————————————
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河野洋平#15
○議長(河野洋平君) 討論の通告があります。順次これを許します。石関貴史君。
    〔石関貴史君登壇〕
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石関貴史#16
○石関貴史君 民主党の石関貴史です。
 私は、民主党・無所属クラブを代表して、政府提出の郵政民営化関連六法案に対し反対、松本剛明君外七名提出の郵政改革法案に賛成の立場で討論を行います。拍手
 改革を行うに当たって、その改革が本当に国民のためになるということを確保するためには、まずもってその目的と手段を明確にすることが重要です。
 郵政事業の改革を行うに当たっては、何が最も重要な目的なのでしょうか。それは、何が郵政事業における国民の権利であるのかを明らかにして、その国民の権利をしっかり保障し、安心を確保することです。そしてさらに、現在、郵政事業という巨大な官の中に莫大な国民の貴重な資産、資金がため込まれ、これが公的部門の非効率な事業に垂れ流されているという現実を変え、その資金が民の世界へ確実に流れるようにすることです。官から市場への改革です。
 このような目的を達成するための手段として、私たちは、郵便と決済サービスを国の責任で全国サービスを提供する一方で、郵便貯金、簡易保険の資金量は民業圧迫にならないように縮小するべきだと主張してきました。
 小泉総理が述べておられる官から民へ、あるいは民間でできることは民間にという考え方については、異論はありません。
 しかしながら、政府の郵政民営化法案は、本当にこのような官から民へという考え方が適切に実現されていくのか、大いに疑問です。本当に官から民へという考え方を実現するのであれば、まずは、官と民の役割を定義し、峻別する必要があります。
 ところが、政府案においては、これに係る定義、峻別が明確になされておりません。すなわち、何が郵政事業における国民の権利か、これが明らかにはされていません。民営化すれば市場が自動的に官の分野と民の分野を振り分けて、それぞれの分野のサービスが適切に国民に提供されるよう調整してくれるのか。市場はそのような機能は果たしません。
 さらに、政府案においては、郵政事業においてため込まれた国民の貴重な資金が民間セクターの真に効率的な事業に回るようになるのかということについても疑問が残ります。それどころか、国民の貴重な資金が相変わらず特殊法人、独立行政法人などの非効率な公的セクターに流れ続けるおそれがあります。またさらには、官の関与が長期に残る可能性がある中で、民業を圧迫する形で事業融資などの新規分野への不適切な進出が行われ、そのツケが最終的に国民に回ってくるおそれがあります。
 先ほど申しましたように、官から民へ、民間にできることは民間に、これらのスローガンには私も賛同します。しかし、だからすべてを民営化というのは決して正しい選択ではありません。まずは官の分野を明確に確定した上で、それ以外の分野について、民間ができることからは官は手を引き民間に任せる、そういうことこそが本当に正しい選択だと私は考えます。拍手
 以下、具体的に理由を申し上げます。
 政府案に反対する理由の第一は、政府案は、官がやるべき部分までも民にやらせようというものであることです。郵便と決済、少額貯金のサービスを受ける権利は国民の権利であり、これを保障するためには、これらの業務は国の責任で行うべきであります。
 これに対し、松本剛明君外七名提出の郵政改革法案(以下、民主党案と呼ばせていただきますが)では、郵便と決済、少額貯金のサービスはすべての国民がひとしく受けられるべきであることが明記されており、まさに安心の改革案という名にふさわしいものであります。
 第二に、政府案は、民営化、民営化といいながら、現実には民の顔をした巨大な官の特殊会社をつくるものであり、民営化の名に値しないことであります。持ち株会社は国が三分の一超の株式を保有する特殊会社、郵便と窓口ネットワークの新会社はその一〇〇%子会社、貯金と保険の新会社とは株式を持ち合い、事実上の一体経営が続きます。
 これに対し、民主党案では、郵便は公社、郵便貯金は公社の一〇〇%子会社で行う一方、簡易保険は廃止し、郵政保険会社の株式も五年以内に完全処分することとしています。一たん処分した株式を買い戻したりすることはありません。
 第三に、政府案によってできる新会社は、民業圧迫をもたらすことが確実であることです。郵便局にコンビニや貸し出し、株式仲介や不動産、果ては住宅リフォーム仲介などの新規業務をやらせれば、とりわけ地方の事業者は皆淘汰されてしまいかねません。
 これに対し、民主党案は、民間にできることは官が手を引くという理念のもと、政府案のような新規業務は行わないこととなっています。しかも、郵便貯金についても、定額貯金を廃止し、預入限度額を引き下げることで、民業の補完に徹することが明確にされております。
 第四に、政府案では、郵貯・簡保資金は、官から民へと流れないことです。郵便貯金銀行及び郵便保険会社は実質的には政府系金融機関ともいうべきものであり、小泉内閣がこれまでどおり野方図な国債、財投債発行を続ければ、それらの資金は決して民間部門へと流れることにはなりません。
 これに対し、民主党案では、定額貯金の廃止と預入限度額の引き下げによって、百兆円規模の資金が民間金融機関や直接金融などへ流れることになります。この結果、地方の金融機関に分散した資金はその地域の中小企業などに貸し出され、地域経済も活性化します。しかも、郵政公社や郵便貯金会社による財投債の購入を禁止し、財政規律を働かせようという重要な措置も盛り込まれています。
 さきの通常国会における審議で明らかになった郵政民営化法案の矛盾や問題点は、今国会における審議でもとうとう解消しませんでした。総選挙で示された民意は、郵政民営化には賛成であっても、矛盾や問題だらけの政府案を無条件で容認するというものではありません。
 以上申し上げて、討論を終わります。拍手
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河野洋平#17
○議長(河野洋平君) 大前繁雄君。
    〔大前繁雄君登壇〕
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大前繁雄#18
○大前繁雄君 自由民主党の大前繁雄でございます。
 私は、自由民主党及び公明党を代表して、内閣提出の郵政民営化関連六法案については賛成、民主党提出の郵政改革法案については反対の立場から討論を行います。拍手
 まず、内閣提出の郵政民営化関連六法案について申し上げます。
 郵政民営化の是非については、さきの総選挙において退路を断って信を問い、自由民主党及び公明党による与党が国民の圧倒的な支持を受け、過半数を大きく超える議席を獲得したところであります。
 そのような国民の審判を背景に再度提出されることになりました政府案でございますが、これら六法案については、反対派の方々のみならず、賛成される方の中にも、政府案には問題点が多いがとまくら言葉のように話される方がいまだにおられるのは、大変残念なことであります。
 私は、百回近くに及んだ自民党内での激しい党内論議、百二十時間以上にわたって延々と続いた解散前、そしてこの特別国会の特別委員会の審議を通じて本法案の内容を吟味してまいりましたが、たどり着いた結論は、この政府案が竹中担当大臣を中心に練りに練った、実によくできた法案であるということであります。拍手
 本法案で示されている郵政民営化を実現することができれば、三百四十兆円にも達する巨額の資金を官から民に流す道を開き、約二十六万人の郵政公社の常勤職員が一切リストラされることなく民間人になり、小さな政府の実現に資すると同時に、多額の株式売却益、毎年の法人税、配当収入等により財政再建にも大きく貢献し、国民に大きな利益をもたらすことは自明でございます。
 また、郵政事業が従来から果たしてきた公共的な役割が民営化後においても引き続き果たされるよう、本法案では、あまねく全国において利用されることを旨として郵便局を設置することを法律上義務づける、過疎地における金融サービスなどの実施が確実となるよう基金を設置する等々の措置が講じられているところであります。
 このように、本法案は、民営化のメリットを最大限に引き出しつつ、郵政事業の公共的な役割にも十分に配慮した最善の策であり、直ちに採択すべきものであると考えます。
 続いて、民主党提出の郵政改革法案について申し上げます。
 本法案は、郵便貯金は定額貯金の廃止と限度額の引き下げ、簡保は廃止といったように、国が強制的に規模を縮小させる一方で、経営資源を活用した新規業務の展開については、その結論を先送りしております。事業の将来展望を描けない本法案により、職員の皆様が希望と意欲を持って職務に当たり、国民の利便性の向上を図ることができるのでしょうか。
 加えて、本法案では、郵便や通常貯金などについて国の責任で全国の郵便局でのサービス提供を維持するとしていますが、これを確保する具体的方策は何ら示されておりません。また、金融社会権のような未成熟な法概念を振り回すことは不適当きわまりありません。権利に基づき賠償請求があった場合など、果たしてこれに応ずる用意があるのでしょうか。
 このように、方針だけを掲げ、実現に向けた具体的な制度設計に踏み込まず、あいまいな点を多く残し、郵政事業改革の実現を将来に先送りしているだけの本法案は、対案というにはほど遠く、断固として反対するものであります。
 最後に、郵政民営化は明治以来の大改革であります。内閣提出の郵政民営化関連六法案の成立後、政府、郵政公社は、不退転の決意を持って事に当たり、今回の大改革を立派に成就されんことを心より希望いたしまして、私の討論を終わります。拍手
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河野洋平#19
○議長(河野洋平君) 笠井亮君。
    〔笠井亮君登壇〕
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笠井亮#20
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、郵政民営化関連六法案に反対の討論を行います。拍手
 小泉総理が郵政民営化一本に絞って国民に賛否を問うたさきの総選挙で、与党の得票は小選挙区で過半数に至りませんでした。国民投票なら明確に否決であります。しかも、総理は、郵政公社には一円の税金も投入されていないことなど、重要な基本的事実を国民に全く語ってこなかったのであります。ところが、与党の議席の多数をもって信任されたと強弁し、わずか一日半という極めて短い審議で押し通すなど、断じて容認できません。
 本法案に反対する最大の理由は、国民に基礎的な金融サービスをあまねく公平に提供する国の責任を放棄するものだからであります。
 貯蓄や決済など基礎的な金融サービスを受けることは、国民の権利です。郵便局は、障害者対応のATMを一〇〇%設置し、口座維持手数料も取らず、すべての市区町村に金融ネットワークを張りめぐらせ、この権利を保障してきたのであります。
 今世界では、この基礎的な金融サービスを公的にどう保障するかが問われています。アメリカで低所得層の三八%、イギリスで五世帯に一世帯が銀行口座を持てず、大きな社会問題となっております。ニュージーランドでは公営のキウイ銀行が新たにつくられ郵便局の中に復活するなど、各国でも新たな取り組みが始まっています。ところが、日本では反対に、国の責任を放棄し、民間任せにしようとしているのであります。郵政民営化は、世界の流れにも時代の流れにも逆行する愚行そのものと言わなければなりません。
 そもそも、郵政民営化は、国民が求めているものではありません。郵貯、簡保、三百四十兆円の開放をビジネスチャンスとして要求してきた日米の金融資本にこたえるものにほかなりません。まさに国民にとっては百害あって一利なし、断固反対を表明し、討論を終わります。拍手
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河野洋平#21
○議長(河野洋平君) 重野安正君。
    〔重野安正君登壇〕
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重野安正#22
○重野安正君 私は、社会民主党・市民連合を代表し、ただいま議題となりました政府提出の郵政民営化法案並びにその関連法案について、反対の立場から討論を行うものであります。拍手
 政治にかかわる者として、とりわけその権力のトップにある者には、何よりもまず過去に現在を一たん埋め込むことで現在を生きたものとして認識することが求められております。それと申しますのも、未来を構想するにはこうした知的行為が不可欠であり、それによって得られる知見がすべての土台となるからであります。
 それでは、今回の郵政民営化法案及びその関連法案が、この現在と過去との相関関係の理解の上に、あらゆる構想力を駆使して未来設計するという行為との間にどれほどの緊張関係を持って提案されたのか、結論から言えばノーと言わざるを得ません。
 明治五年の郵便の創設に始まる郵政事業の発足の歴史は、国民のコミュニケーションを軸とする社会文化発展史をなすものと言えます。この歴史に、我が国が現在既に直面し、今後もなお一層深刻化する少子高齢化、地域間格差を埋め込むならば、おのずと郵政事業の未来について制度設計はできるはずであります。
 競争至上主義に走って国民共有財産を十把一からげに市場にほうり出すことがいかに社会的マイナスとなるか、そこには未来を設計するに必要な一片の知見さえも見当たりません。民営化法案並びにその関連法案について反対する根本的理由はまさにここにあります。
 さて、一九八〇年代中期以降、国民にとって日に日に政府が遠い存在となっていることを、歴代自民党政府、とりわけ小泉総理は御存じでしょうか。この年代を境として、それまでの福祉国家とはほど遠い、自立自助、自己責任だけが重視される自由競争の社会に突入をいたしました。とりわけWTOの確立による国際的な大競争体制の進展は、すべてを市場競争万能主義に駆り立て今日に至っていることは、改めて指摘するまでもありません。
 この結果、我が国において何が引き起こされているかといえば、働く者の雇用は不安定化し、経営者には極めて都合のよい短期雇用、パート労働者が蔓延し、その結果として労働者の自殺者がウナギ登りに上昇しているのであります。
 一方、老後保障としての年金に対する国民、とりわけ若年層の信頼感は低下の一途をたどり、年金は崩壊の際に立たされています。国民に対する政府責任がこれほど不信のふちに立ったことがかつてあったでしょうか。政府と国民との距離はそれほどに乖離しているのであります。
 郵政民営化も、この政府と国民との距離をさらに拡大するものとなることは自明の理であります。行政サービスの拠点としての郵便局が地域社会から統合再編をされることは、地域社会における政府の存在そのものが目に見えて失われていくわけであります。このことは、諸外国の例を引き合いに出すまでもなく、JRのローカル線撤収一つ見ても明らかでありましょう。これが民営化に反対する第二の理由であります。
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河野洋平#23
○議長(河野洋平君) 重野安正君、申し合わせの時間が過ぎましたから、結論を急いでください。
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重野安正#24
○重野安正君(続) 総選挙における多数議席の獲得によって国民の理解を得たとする与党の数の力で、本案はわずか二日間の委員会審議によって本院での通過が図られようとしています。
 私は、この民営化を要請してきた背景に何があるのか、一口に言ってアメリカとの関係があると思います。これは郵政民営化の本質に深くかかわる問題であり、そういうものを私は認めるわけにはまいりません。根本問題として指摘をし、私の反対討論を終わります。拍手
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河野洋平#25
○議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。
    —————————————
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河野洋平#26
○議長(河野洋平君) これより採決に入ります。
 まず、松本剛明君外七名提出、郵政改革法案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。
 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
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河野洋平#27
○議長(河野洋平君) 起立少数。よって、本案は否決されました。
 次に、内閣提出、郵政民営化法案外五案を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 六案の委員長の報告はいずれも可決であります。六案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。——議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
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河野洋平#28
○議長(河野洋平君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。——議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
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河野洋平#29
○議長(河野洋平君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十六
  可とする者(白票)      三百三十八
  否とする者(青票)       百三十八
    〔拍手〕
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