内藤正光の発言 (本会議)

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○内藤正光君 民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました電波法及び放送法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 本題に入る前に、過日のパキスタンの大地震に対する支援について、参議院を代表して官房長官にお尋ねいたします。
 被災状況や支援ニーズを調査するために、私たち民主党は、今月の十一日から十七日まで、若林秀樹参議院議員を団長とする調査団を派遣をいたしました。そして、その調査を踏まえて、昨日、小泉総理大臣に申入れを行ったことは御存じかと思います。
 調査団の報告によれば、パキスタン政府が当面の救援策として最優先課題に挙げているのは、本格的な冬の到来を控え、シェルターを早急に確保することのようです。そこで、単にテントや毛布を供与するだけでなく、自衛隊によるテントの設置も含めて検討し、早急に避難所の確保や防寒対策を講じ、また緊急医療支援の体制を拡充する旨の申入れを昨日、官邸に行いました。
 そこで、官房長官にお尋ねをいたします。
 政府は、早急に取り組むべき現地ニーズは何だと把握し、それに対していかなる具体的対策を取ってきたのか、そしてまた、今後どのような支援策を講じていくお考えなのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 次に、いわゆるハイテク犯罪に対処するための法案について、一点、法務大臣に質問をさせていただきます。
 本法案により、パソコン一台の差押令状で、そのパソコンからアクセスできるすべてのサーバー等のデータ差押えが可能となりますが、さきの国会で法務省は、裁判所の発行する令状に範囲を明示することになっているので無制限にはならず、憲法違反にはならないと答弁をされております。しかし、令状には、その他本件に関連すると思われる一切の証拠といったような包括的な条項が付くことも多いと聞きますが、本法案では具体的な範囲を明示しない包括的な条項では差押えできないものと理解していいのかどうか、見解をお述べいただきたいと思います。
 本題に戻ります。
 電波・放送行政に関して、民主党はこれまで抜本改革案を示してきました。改革案の柱の一つは、限られた資源である電波の有効利用を促進するため、電波利用料に電波の経済的価値を反映させるとともに、周波数割当て制度を抜本的に見直すことです。そして、もう一つの柱は、通信・放送分野における公正な競争を促進するため、独立した行政機関である通信・放送委員会を創設することです。
 これに対して、政府の電波行政改革に対する動きは鈍く、電波法を毎年改正してはいるものの、その改正内容は改革と呼ぶにはほど遠いものでした。今回の改正案もまたしかりです。
 まず、本法案の提出の経緯について質問をいたします。
 本法案は、さきの国会に提出され廃案となった電波利用料の見直しと外資の間接出資規制という全く目的の異なる別々の改正事項を一つにまとめてしまったものです。そのことを総務省に指摘すると、同じ電波法の改正ですからと答えます。何と安易な姿勢か。立法府軽視も甚だしいと言わざるを得ません。政府のこのようなやり方に対して強く抗議をするとともに、総務大臣に見解を求めます。
 電波利用料の見直しについて伺います。
 見直しの理由は電波資源の有効利用を促進するためであり、その手段として電波の経済的価値に係る諸要素を勘案した料額を定める必要があるとしています。しかし、本改正案に基づく新たな料額を適用しても、果たして電波の有効利用が促進されるのか、甚だ疑問と断ぜざるを得ません。
 現行の電波利用料は、よくマンションの管理費に擬せられます。つまり、あくまで共益費用であって価値を勘案した使用料ではなく、南向き、北向き、あるいは階数等に関係なく、全戸数で単純に頭割りされるものという意味です。
 改正後の電波利用料は、なるほど部分的には周波数、出力、利用する地域ごとに差を付けて定められてはいますが、この料額は決して電波の使用に対する対価として決まったものではありません。従前どおり電波の管理手数料を各無線局に割り当てているにすぎず、総務省が恣意的に決めるシステムは温存されたままです。
 電波資源の需給が逼迫している現在、電波行政の主眼は安定的な電波利用の確保から電波資源の効率的利用の促進へとシフトしています。そんな中、制度の基本的発想や仕組みが制度の導入当初のままであるところに根本的な問題が潜んでいるんです。
 そこでお伺いします。今回の電波利用料の見直しにおいて、なぜ利用料から経済価値を反映した使用料へと転換を図ることができなかったのか、また今後、使用料的なものへと転換を図っていく考えはあるのでしょうか、総務大臣にお尋ねをいたします。
 電波利用料に関しては、携帯電話の負担する割合が多過ぎるとかねてより指摘されております。平成十五年度の決算によれば、全体の五%に満たない周波数幅しか使用していない携帯電話が全歳入の八割以上を負担しており、改正後もこれはほとんど変わりません。また、歳出においても、放送局は六・四%しか負担していないところを、アナログ周波数変更対策業務には三四%を支出しています。これで負担と受益の公平性が守られていると言えるのか、現状に対する総務大臣の認識を伺います。
 さて、皆さん、電波利用料の算出に当たっては、まず歳出予定額ありきであることを御存じでしょうか。制度発足当初の平成五年には七十五億円であったものが、今年度には六百億円超にまで増加しているんです。十二年間で何と八倍もの増加なんです。その主な理由は携帯電話の爆発的な普及にありますが、その間に膨らみつつあった負担と受益のアンバランスに何ら対処しなかったばかりか、ここぞとばかりにぬれ手でアワの電波料収入の新たな使い道、使途を拡大し続けてきた総務省の姿勢には問題があると言わざるを得ません。
 そして、私は、ここにこそ現行制度の矛盾点があると考えております。電波利用料は携帯端末一台当たりに対して課すという構造になっており、通信業者が幾ら電波の有効利用を進めていっても、電波利用料負担という点からはその努力は全く報われません。ただ総務省の電波料収入が増えるのみです。見直しの目的である有効利用促進という観点からも、また負担と受益の公平性を確保するという観点からも、無線局ごとに課金する現行制度を改めるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。今回の改正で十分に有効利用を促進し公平性を守れるとおっしゃるのであれば、その理由を明確にお答えいただきたいと思います。
 さらに、無線局ごとに課金するという仕組みを温存していては、ユビキタス社会の到来に向けて、総務省が手にする電波料収入は増加の一途をたどることになるでしょう。失言さえなければ次期総理候補の一人との呼び声も高い麻生大臣、そのことに対する問題意識をお尋ねいたします。
 今回の改正案でも電波利用料の使途を拡充するとしていますが、拡充される使途のうち、電波資源拡大のための研究開発については交付団体や使途が不透明です。国民がその使途に疑念を抱かないようにするためにも、総務省は電波利用料の使途について徹底した情報公開を行わなければならないと思いますが、この点についても総務大臣の見解を求めます。
 続いて、放送局の外資規制について伺います。
 そもそも放送局に対する外資規制に関する法案は、さきの通常国会において内閣から国会への法律の提出期限である三月十五日を一か月以上も過ぎた四月十九日に提出されたものであります。ライブドア社が外国企業から資金調達し、ニッポン放送の株式を大量に取得したことが引き金となり、外資規制に関する法案が用意されたことは周知の事実です。つまり、ライブドアのケースからわずか二か月間で泥縄式に提出された法案であり、仮に外資規制が必要であったとしても、十分な検討がなされたものか甚だ疑問であり、拙速の感がぬぐえません。
 先日、党の部門会議で総務省よりヒアリングを行ったところでは、法案作成の過程で意見を求めたのは当事者である放送事業者のみとのことでしたが、本法案提出前にパブリックコメント等を行って国民の意見に十分耳を傾けたのか、提出までの手順や経緯を改めて総務大臣にお伺いします。
 電波の希少性や放送の社会的影響力を考えれば、外資が放送局へ出資することに対して一定の規制を掛けることは必要な措置であるとは考えます。しかし、総務省が放送を取り巻く環境や将来の放送の在り方などについて議論をすることを怠ったため、本法案の規制の在り方についてはあいまいな点が数多く見られます。
 まず、小泉総理の外資に対する考えと本法案の整合性をどう考えるのかという問題があります。小泉総理はさきの委員会で、私は外資歓迎論を取っているんです、外国資本から魅力のないような日本企業じゃしようがない、どんどん外国資本に買ってもらうような魅力ある企業に育ってこそ日本の経済に刺激を与え活性化をもたらすと発言をされております。総理の発言にもかかわらず、なぜ放送の分野については外資規制を強化するのか、その哲学を総務大臣に説明をしていただきたいと思います。
 また、今後、インターネット放送など通信と放送の融合やコンテンツの国際化が急速に進展していくことを考えたとき、地上放送のみに規制を掛ける意味がどの程度あるのかという指摘もなされています。今後、インターネットを含めた広義のメディア関連事業における外資規制をどのように考えるのか、放送局以外にも外資規制を広げていくべきだと考えるのか、総務大臣に答弁を求めます。
 放送局は、多様な業務展開をするためにより多くの資金を確保することが求められております。また、地方民間放送局については、デジタル化に伴う設備投資の負担が重く、苦しい経営を迫られています。そのため、いかに財務強化を図るかが大きな課題となっております。
 このような環境の中で外資の出資規制を厳しくすることには、放送局が資本提携する選択肢を狭め、放送局の経営を悪化させるおそれも指摘されているところです。外資による出資規制を厳格化した場合、放送局の資金調達にどのような影響が予想されるか、総務大臣にお伺いをいたします。
 そもそも今回の外資規制は、いわゆるホリエモン騒動に端を発しております。しかし、そのホリエモンこと堀江貴文社長は、今や自民党の武部幹事長から様々なアドバイスを求められるまでになってしまいました。堀江社長の外資規制に対する考えはお聞き及びかと思いますが、国内企業と外資企業を対比して考えるのは時代後れだというものです。
 そこで、総務大臣にお尋ねします。本法律案の提出に当たって、堀江社長にアドバイスは求められたんでしょうか、総務大臣にお尋ねをいたします。
 政府は、自らの企業防衛をしようとする一部の放送事業者や与党の強い意見に押され、拙速に法案を出してきたのではないんでしょうか。今求められているのは、外資や企業買収に対する過剰な脅威論で規制を拙速に強化することではなく、デジタル化や通信との融合が進む中、我が国における放送の今後の役割やあるべき姿の検討こそがまず求められているのではないかということを強く申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 116315254X00820051021_016

発言者: 内藤正光

speaker_id: 6547

日付: 2005-10-21

院: 参議院

会議名: 本会議