山口壯の発言 (外務委員会)
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○山口(壯)委員 それはぜひそういうふうに、その体制で、あるいはその気構えでやっていただきたいと思います。
今回の米軍再編については、アメリカのラムズフェルドさんは、ビジネスマンという面もあるからでしょう、できるだけ節約する、とにかくアメリカは節約するんだ、同盟国に金、人を任せて、戦略は自分たちだ、こういう面が見られるわけです。広く金、人、戦略といいますけれども、戦略はアメリカだ、同盟国はついてこい、金、人を出せ、こういうところが現実によく見える。
これについても私は何度も申し上げたけれども、本来外務省が、アメリカとの関係というのは、もっと大もとから握っておかなければいけない。それは新聞を読めば、官邸から丸投げされたからとか、真実はいろいろな表現の仕方があるんでしょう。しかし、もう少しこのことに関しては、外務省がきちっと、もっと表面に出て、最後に決着するのが額賀さんとラムズフェルドじゃなくて、やはり麻生さんがあそこに、最後の場面にいなければいけなかったと私は思うんです。そういうことを私は申し上げているわけです。
先ほど、現実に即してということも言われました。現実と原則と、この二つをいつもバランスをとりながらやっていくわけですね。それで、私は何度も言っていますね、原理原則がおろそかになっていると。このグアムの話についても、在日米軍じゃないんだから、在日米軍に関する思いやり予算の発想とか、在日米軍に対する特別協定とかという発想は本来成り立たない話なんです。吉田茂さんがいたら出さなかったと思いますよ。少なくとも三十億ドルの融資、外務省が考えたその原案で突っ張ったはずですよ。
そういう意味では、額賀さんが、最後は半額に値切った、ちょっと待ったと、私は正直言ってつらかったですよ。でも、それが今の日本の状態かもしれない。現実には即している、しかし、原則を大事にしなければいけない、ここが外務省の役割でもあるのですよ。麻生大臣もあと何カ月かもしれないけれども、ぜひその気構えを伝えていただきたいと思います。
冷戦というものが終わって、日本の安全保障戦略について大きく変わったという議論がなされたとは私は承知していません。実は、アメリカも迷っているんです。アメリカも、中国がぐっと出てきて、これにどう対応するかというのはまだ結論を出していない。ステークホルダーと言うゼーリックがいたり、いや、コンテインするべきじゃないかと言う人もいたり、あるいはコンテインすら成り立たないんじゃないかと言う論者もいたり、まだ決まっていないんです。
そんな中で、この米軍再編というのは中国を意識したものであることは間違いない。これはだれもがよく理解している。でも、我々は中国にどう対応するかということをまだ決め切っていないわけです。日本の中にも、あるいは麻生さんのおられる党の中にも、いろいろな議論がある。我々はもちろんいろいろな議論を持って、これから中国とどう対応するかというのは本気で考えなければいけないわけですね。
そのときに、大臣、きのうちょっと見ていただいた、このほかにもいろいろな記事が出ています、靖国について専門家たちが懸念している。さっき松原さんの方から下院のいろいろな話も出てきていましたけれども、ここに出てきているのは、ケント・カルダーとかマイク・モチヅキとか、ワシントンのインテリの人たちですよ。そういう人たちがいろいろ懸念している。
この底には、結局、極東国際軍事裁判をどうとらえるかというところに関してのアメリカの懸念というものが出てきているのだと思うんですね。中国とどうつき合うかと同時に、その根本がある。これは、私も、一番仲のいい松原さんで、非常に心合わせできているつもりですけれども、極東国際軍事裁判をどうとらえるかについては、ちょっとニュアンスが違うと私としては思うんです。
それはどういうことか。例えば、外務省の先輩の広田弘毅さんがいわゆるA級戦犯ということに入っている。彼にしてみたら、おれが一生懸命とめようと思ったときに軍人たちが勝手に動いていって、どうしようもなかったと。ちなみに、広田弘毅さんは、吉田茂さんの同期で外務省に入ったんですね。
この広田弘毅は、城山三郎さんの「落日燃ゆ」によれば、一切の言いわけをしなかった。これは大変なことだなと、自分がある意味で、人によったらおれの責任じゃないよと言ってしまいそうな状況のときに、あえて一言も言いわけせずに十三階段を上っていったその心というのはどういうことだろうか。それは、私が察するに、おれがもしもこれで全部ひっかぶって、ここで日本が新しいスタートを切れるのであれば、あえてひっかぶろうじゃないか、私は、その心意気は無にしちゃいけないと思うんですよ。
そういう意味では、極東国際軍事裁判というのは間違っている。間違っているけれども、それを正しいか間違いかということで議論するよりも、賢いか賢くないかという議論の仕方をした方が、我々新しいページを開いていけるというふうに思っているんです。
そういうことからいけば、この極東国際軍事裁判で間違っていることはいっぱいあります。広田弘毅が入っていることすら間違いだと私は思います。だけれども、賢い対応の仕方も考えなければいけない。
アメリカのこのおじさんたちが言っていることというのは、マイク・モチヅキは、「米国のエリートは概して靖国神社の歴史観には否定的だ。歴史問題が原因で、日本に対する批判的な見方が強まっている」、これは靖国の話。これは密接に関連していますから、結局、極東国際軍事裁判でA級戦犯とされた方々は、一九七八年以降、今合祀されているから、そのことに関係するわけです。
国務省の中では、日本がアメリカと協力して中国を国際社会のパートナーにしていこう、あるいは日米がそうしていこうという気持ちを持ってほしいと考えている。
でも、カルダーさんなんかは、「隣国と対話できない日本は、米国にとっても役に立たない。日米同盟が機能するのは、日本がアジアのなかで役割を果たしてこそだ」、これは本論ですよ。
今、麻生大臣は努力されていると、しかし、現実には首脳同士の会話というのが成り立っていない。まあ、これから新しい段階を迎えられて、それは修正していくことでしょうけれども、しかし、こういうことというのは、我々賢く対応しなきゃいけないと思うんですよ。
正しいか間違いかだけでこの議論をしていると、日本が昔のページにどうしても戻ってしまう。これは日本として、私は賢くないと思うんです。間違いは間違いで、我々の心の中でちゃんとそれは認識しておけばいい、アメリカ人の中にもそういう人はいっぱいいますから。だけれども、この靖国の問題に対して、麻生大臣、この記事を読まれてどういうふうに思っておられるか、感想をお聞かせください。