谷川弥一の発言 (行政改革に関する特別委員会)

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○谷川委員 二番目の質問は市場化テストについてですが、芸術等の分野が官民競争入札の対象になじむかどうかにつきまして、本委員会において聖域なしという表現が議論の対象となっている節もありますが、改めまして申し上げます。ここで、芸術文化、先端技術開発部門、医療技術は別だと明確にしていただきたい。
 以下、芸術分野に絞って述べますが、昨年、九州国立博物館に行ったときのことです。一瞬、東京ディズニーランドか上野動物園に来たのかと思いましたよ。おじいちゃん、おばあちゃんが何十台というバスからどんどんおりてくるのです。とまらないでください、もう少し速く歩いてください。国宝級の作品の前には、三列、四列並んでいるんです。私はぴょんぴょんと跳びはねて前の人の頭越しに見ていましたが、頭にきて十七、八分で出てきました。この状況で芸術の鑑賞ができますか。利益を追求する民間に任せることになると、こうなります。
 文化芸術はその民族の誇りであり、その民族の知性を代表する気品に満ちたものであります。ここに三つのぐい飲みを持ってきました。ちょっと見てください。一個が五百円、五千円、五万円です。仕込み等に違いはありますが、原料はほぼ同じ土です。芸が違うのです。こねるとき、焼くときの魂の入れ方が違うのです。この部屋にいらっしゃる方々、これは、わかりますか、どれが五百円、どれが五千円、どれが五万円と。
 もう一例を出させていただきますが、万葉集に「旅人の宿りせむ野に霜降らば吾が子はぐくめ天の鶴群」。次は西行ですが、「願わくば花の下にて春死なむその如月の望月の頃」。次は山頭火です、「焼き捨てて日記の灰のこれだけか」。この理解の上に夏目漱石の「吾輩は猫である」「明暗」の二冊を読んでみる。世界に誇る文学です。世界の文豪トルストイやドストエフスキーに比肩できる、すごい人だと思います。その値打ちがわからない人たちがちょっとだけ千円札に使いましたが、一万円札で使ってもいい人なんです。
 雪がはらはらとスイセンに落ちている、白と黄色の調和が心にしみる、これが日本の文化のそこはかとないものです。市場化テストの対象にと考える人の品性を疑います。万が一、夏目漱石のすばらしさを理解できない人々が監理委員会のメンバーとして選ばれたら、日本の文化の危機的状況だと思いますが、御所見を賜りたい。

発言情報

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発言者: 谷川弥一

speaker_id: 9912

日付: 2006-04-13

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会