谷川弥一の発言 (行政改革に関する特別委員会)

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○谷川委員 三番目に、この行政改革に関する特別委員会の最大の目的は、公の負債九百四十一兆円に対して資産は六百九十五・九兆円ありますが、その多くは諸般の事情で即換金できません。景気回復によってふえる税金と、景気回復による金利上昇による利払い増の問題もあります。つまり、景気がよくなっても悪くなっても負債がふえる状況も考えられるということです。それに、少子高齢化による人口減少等々があります。
 問題の本質は、国策を民主的に決めなければならない民主主義の本質の欠陥にあると考えるわけです。宗教、哲学、理念、信念、人生観、生きがい等々を軽視して、物の充足による幸せを国策に据える限り、アメリカの双子の赤字、日本の財政破綻の可能性が抜本的に解決するわけがありません。
 小泉政権発足以来五年間で、血のにじむような努力をして一般会計を三・六%、約三兆円削減しましたが、社会保障への財政資金の投入だけは一六・八%、約三兆円の増加となり、二〇〇六年度は一般歳出四十六兆円強の四五%近くに膨らみました。世論調査をしても、六割弱の人々が年金、医療、介護を最重要視すると答えております。借金を続けてもいいから今の福祉を優先せよという、自分が幸せならば子や孫はどうなってもいいんだということでしょう。第一次大戦後の大恐慌による生活苦を解決するために起こした満州事変を批判する人たちが、我が子孫の権利を侵しているんです。借金による福祉を要求し、縦の満州事変を、そのことに気づかずにやっているのです。
 なぜこうなるのか、理由は二つあります。一つは、政治、行政、評論家に理念とロマンがない。そして、マスコミが発行部数や視聴率を上げるために大衆迎合するから。
 それぞれリーダーたらんとする人たちは、自分独特の哲学、生き方を決めることだと思います。私の生き方について述べますが、大した才能もない私が一人前になれたのは、父親に以下のことを習ったからです。一つ、きょう何をやるべきかを決めろ。二つ、決めたらとことんやり抜け。三つ、おのれの影法師と相談せよ。
 このことに対する答えはその時々で変わりましたが、六十四歳の今の考えを述べてみます。
 一のイ、決めるためには、理想とする事柄や人を決め、自分のそれとの違いを一覧表にして差を出す。その差の中から直すべきものを列挙する。優先順位をつけて目標を決める。
 二のイ、人間には、食欲、睡眠欲、性欲のほかに、心の本能、苦を避け楽を求める保守本能と、結果として悪いことを人のせいにする美化本能があります。このことに一日も早く気づいて、おのれを鍛えるために努力する習慣をつけるのです。
 私は、次の禅話を心の支えにしております。
 「如何なるか是れ仏法的々の大意」、仏法の真髄とは何ですか。臨済禅師はその答えに喝と言いました。ごたごた言うな、自分が何をせんばいかぬかぐらい自分で考えればわかるだろうが、一生懸命生きていけよということだと僕は解釈しているんですが、これはそれぞれについて考えてください。
 同じように、「如何なるか是れ仏法的々の大意」、喫茶去と趙州禅師は言いました。肩に力を入れんで、目くじら立ててぎゃあぎゃあ言わんで、まあお茶を一杯飲んで帰らんね。そこから先は、また帰って自分で考えて、自分でやるべきことをやればいいんじゃないの。
 こういうことを日本全国の一億二千万の全家庭でやったら、随分考えは変わるんじゃないんでしょうか。この委員会でも、目くじら立てて責め立てる人がおりますが、責め立てる物差しで自分をはかってください。そういうことを言って、社会福祉というものを根本的に考えないと行政改革なんてしたって何にもならぬ、私はそういうふうに思っております。
 三つ目は、一日が終わったらお日さまやお月さんに照らされた自分の影を見て相談しろということですから、あなたが生きてきたことのきょうの一日には悔いは残っていないのかということをよくよく考えろということだと思うのです。
 自分の豊かな生活を維持し、また、子孫に迷惑をかけないために、自分自身を強くするという大運動を日本全国で起こさない限り、行政改革は絵にかいたもちになるんだということを内閣を代表する官房長官にぜひお答えいただいて、日本人の生き方を変えましょう、そういうことを僕は強く言いたいわけです。

発言情報

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発言者: 谷川弥一

speaker_id: 9912

日付: 2006-04-13

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会