大野功統の発言 (行政改革に関する特別委員会)

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○大野(功)委員 それではもう結構でございます。なかなか、訓示規定とかその背景にある法律とか、説明しないとわかりにくい条文だなという気がいたします。
 それで、私、最後に一番大事な問題を議論しようと思っていましたら、時間が少なくなりました。それは、行政改革の目的は何かということなんです。
 法案の表題を見てみますと、内閣提出法案は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革。わかりやすいですね、キーワードはたった二つですよ、簡素で効率的。ところが、民主党御提案の法案を読んでみますと、国民がゆとりと豊かさを実感しながら安心して暮らせる安全な社会を構築できる効率的で信頼される政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案。キーワードが六つあるんですよ。キーワードは、ゆとり、豊かさ、安心、安全、効率的、信頼。的がもう何かよくわからないですね。
 簡素で効率的に絞っている、わかりやすいですよ。簡素で効率的は、ちゃんと一条にも二条にも、例えば、安全保障とか外交、こういうものは配慮しましょう、規制緩和で出てくる国民生活の不安、あの耐震偽装問題なんか、これはきちっとやりましょう、こういう気持ちがちゃんと出ているんです。ところが、どうもこういうふうにいっぱい並べられていますと、何を言いたいのかなと。
 もう一度振り返って考えてください。行政改革というのは、無駄のない効率的な行政システムをつくろう、これは冷徹に考えていかなきゃいけない。今はやりの言葉で言うと、クールヘッドでやらなきゃいけないわけですよ。ところが、ゆとり、豊かさ、安心、安全、信頼となると、これは本来政治が取り組むべき問題です。これは政策として取り組むべき問題です。これはウオームハートの世界です。温かい心でこの格差問題に取り組んでいかなきゃいけない、あるいは弱者の問題に取り組んでいかなきゃいけない、セーフティーネットの構築に努めていかなきゃいけない、これは当然のことなんです。これは構造改革とか行政改革とは別にやっていかなきゃいけない問題だと思います。
 まず、そういう例えば温かい政策、格差是正とか社会保障問題、これをやるために、その仕事が効率的に、十使った税金が十生かされるような構造改革をやりましょう、行政改革をやりましょう、これが本来の行政改革のねらいであります。
 したがって、例えばイギリスのサッチャー元首相が、こんな新しい家をつくるために今住んでいる家は壊そう、こんなことを言っています。だけれども、日本は違うんですよ。その家を新しくつくる前に基盤整備をしなきゃいけない、基礎工事をやらなきゃいけない。電線で漏電しそうなところを直さなきゃいけない、水道管でも、さびがついたらさびを取って、水を流したらすうっと流れていくようにしなきゃいけない。どこかで官製談合があって、流れているのかと思ったらどこか別のところに流れていったりするようなことは絶対避けなきゃいけない。これが構造改革であり行政改革だと思うんです。
 だから、私は、もちろん提案者の皆さんがおっしゃっているように、外交とか安全保障とか、そういう問題は別です。国民の安全とか治安とか消防とか、あるいはBSEの問題とか、そういう問題は別であります。あるけれども、それを念頭に置きながら効率的な行政システムをつくっていく、これが一番じゃないでしょうか。
 行政改革というのは当然のことであります。当然のことに反対するというのは、抵抗勢力と言っても差し支えないと思います。そのきちっとした基盤をつくって、行政という効率的な基盤をつくった上で政策論争をやろうじゃありませんか。格差是正のためにどういう政策をとったらいいんだ、社会保障のために年金はどういうふうにしたらいいんだろうか、この基礎工事をやらない前に新しい家の問題を議論するというのは非常に難しい。基礎工事、構造改革、行政改革という意味では、日本というのは世界に比べて一周も二周もおくれています。だからこそ、この法案に書いているように、行政改革であり構造改革というのは喫緊の課題なんですよ。
 そういう意味で、私はよく眺めてみますと、例えば、ゆとりという言葉を使って、これは二条一項です、引用する時間がありませんので引用しません。二条の二項にも、格差の縮小と行政改革を絡ませているような表現がございますけれども、格差の縮小というのは政策マターです。
 行政改革というのは、要らなくなった仕事はやめていく、こういう問題ですよ。そして、その仕事を効率的にやっていこう。格差の縮小を考えながらという議論こそ、格差の縮小とかあるいは行政改革の推進に伴う弊害とか、こういうことも書いてありますけれども、行政改革の推進に伴う弊害というような議論こそ、私は、行政改革推進の弊害になっていくのではないかな、こんな気もしてならないわけであります。
 しかし、そういう面を除けば、私は、大筋、我々の考えていることは同じ方向なのかな、こういう気もいたします。
 ですから、行政改革というのを整理して、一部特定の人々に余り気兼ねしないで、きれいに見せるためにゆとりとか格差の是正とかそういう花をいっぱいつけないで、本当に冷徹な気持ちで効率的な社会をつくる、無駄のない世界をつくっていく。こういう行政改革をやった上に、格差を是正するために弱者をどうするんだ、勝者と敗者の問題をどうするんだ、こういう議論を政策論争としてやるべきではないか、こういうふうに思います。
 どうぞこの行政改革、政府案、私は、そこに一点に絞っている。もう一度申し上げますと、キーワードはわずか二つしかない、簡素で効率的。いっぱい花がついています、豊かさ、ゆとり、安心、ついていますが、そういう花はお取りいただいて、簡素で効率的な法案に御賛成くださいますようお願いいたします。

発言情報

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発言者: 大野功統

speaker_id: 14396

日付: 2006-04-18

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会