小泉純一郎の発言 (行政改革に関する特別委員会)
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○小泉内閣総理大臣 率直な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
確かに、郵政解散前は、郵政改革は大したことない、ほかにもっとやるべきことがあるんじゃないかという意見も多く聞かれたわけであります。と同時に、郵政民営化を大きな争点にして国民は支持するかどうかという、与党内に疑問が出ていたのも承知しております。また、与党にも、また民主党を初め野党にも、郵政民営化反対論者が数多くいたわけでありますから、今、園田議員が言われるようなことを考えるのは当然だと思っております。
そういう中で、官から民へ、あるいは行政改革、できるだけ民間にできることは民間にということを考えるんだったら、どうして郵便局の仕事は公務員じゃなきゃできないんだろうかと。これも規制改革の一環であります、公務員だけで握っていた仕事を民間の人にも開放しようと。そういう一般の人にとっては、公務員でなくてはできない仕事ではないなと思っていたにもかかわらず、この仕事だけは公務員じゃなきゃいけないという点に疑問を感じたのではないでしょうか。
同時に、政党ですから支持団体を大事にします。この郵便局に勤める正規の常勤の公務員が約二十五、六万。これが、与党自由民主党、野党民主党、手分けして支持母体として選挙のときには一生懸命応援していた。だから、選挙の支援団体を大事にするというのはいわゆる政党人だったらば常識でありますから、その自分たちの選挙を一生懸命応援してくれる支持母体の郵政関係の職員の皆さんが嫌がることをやるなんというのは非常識だと。これは自由民主党にも民主党にもいたわけであります。自由民主党については、特に特定局長さんの皆さんが熱心に今まで自民党を応援してくれていた。郵政関係の労働組合は民主党を熱心に応援していた。だから、両方とも、与野党を手分けして選挙を応援するんだから、考えてみれば、自分たちの既得権を守ろうというこの郵政関係の職員というのは巧みですよね。与野党を応援しているのだ、だから、とんでもない、この改革はさせないぞと。
そういう中で、支持団体に関係なく、一部の特定団体の利益を守るというのが政権政党であってはならない、国民全体のことを考えるんだ、民営化できるのは民営化していこうと。これは与野党共通してそうだと言うわけです。役人じゃなくても民間にできる仕事は民間に開放していこう、これも総論賛成。しかし、これは郵政だけは別だぞと。ここに問題があった。私は、ここがおかしい、これができなくてどうして民間にできることは民間にと言うんだと。
そういうふうに、私は、政党の支持団体を大事にするのは結構だけれども、支持団体というのは一部なんだと。自民党にとっても民主党にとっても、特定局長さんにおいても郵政関係の労働組合の組合員にしても、考えてみれば、一選挙区で十万票以上の票を、支持を得ないと当選できないときに、与野党、特定局長さんの支持を受けても、野党が労働組合員の支持を受けても、まあせいぜい千票か二千票でしょう。その千票、二千票の動きによって全体の利益がおろそかにされちゃいかぬということで、国会で否決されましたけれども国民に聞いてみようと。これが多くの国民の共感を得て、郵政民営化賛成だということで、選挙が終わったら反対していた人も賛成に回った。
参議院で否決されたのに衆議院が解散されるなんというのはこれまたおかしい、非常識だと批判されましたけれども、参議院は選挙はないんだから、衆議院の議席が変わっても参議院の構成は変わらないんだから、衆議院で賛成しても参議院では何度でも否決してやると言っていた反対派の人たちも、民意を尊重して、参議院の選挙はなかったんですけれども、あの結果を見て、参議院で反対した人もくるくるくるくる賛成に回っちゃった。そして、成立した。やはり、これは民意を尊重しようという国会議員の良識が働いたんだと思います。
そういう中で、今回の行政改革、これはやはり国民の支持を得て、これからの行政改革、簡素で効率的な政府をつくろう、あるいは民間にできることは民間に任せようという方針を、国会の支持によってこれを続けていこうと。郵政民営化だけじゃない。ほかにも民間にできることはあるだろう。政府系金融機関の問題についても一例であります。また、公務員の市場化テスト、民間にできることは民間に任せていこうと。五年間で五%の公務員削減というのも、これは容易なことじゃありません。
現に、この質疑を聞いていますと、民主党の議員から、こんな大勢の人数を削減できるのか、民間にゆだねることができるのかと疑問が出てきたぐらいであります。それだけ、五年間五%というのは、一年間で大体六千八百人ぐらい公務員を削減するんですから、これは容易でないというのはわかりますけれども、こういうかなりきつい方針をとっていくというのも、国会の支持があった上での決定の方が今後削減しやすいであろうということでこの法案を出したわけでありますので、やはりあの郵政民営化を大きな争点にした選挙で国民の支持を得て自由民主党、公明党が勝利を得ることができなかったら、この法案は国会に提出して審議いただけなかったんじゃないかと思う点においては、園田議員と同じような認識をしております。