山本有二の発言 (行政改革に関する特別委員会)
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○山本(有)委員 二階経済産業大臣にこれからお伺いしたいと思います。
土光敏夫さん、土光臨調がございました。そのときは中曽根内閣でございます。行政改革が我々の目に極めて鮮明に映った時代でございました。その少し以前に、レーガノミクスだとかサッチャリズムだとか、欧米先進諸国でも大きな行革が断行されました。なぜ時を一にしてこんなことが起こるのかなと私は調べてみました。
そうしますと、一九七一年にJ・ロールズという学者が「正義論」という論文を書いておりまして、個人の自由、私有財産権、自由競争市場を最大限尊重することという論文を書いてあります。そしてまた、個人をできるだけ尊重すれば国家や政治は縮小すべきだというように説いているわけでございます。
実は、七〇年安保、日本では盛んなころ、直後でございます、冷戦構造の時代。つまり、この人は何が言いたかったかというと、冷戦構造を打破するには国が小さくなきゃならぬよ、平和をもたらし、個人の自由を謳歌するためには、できるだけ政治や政府を小さくすることで個人の自由が謳歌できるんだという、そういう思想が徹底したわけでございます。
そのことにおいては、次に、アメリカの民主党の政策がそれを思い切り取り上げて自分たちの政策に反映したわけですが、そのまた逆に共和党の政治家のノージックだとかブキャナンという人が共和党の政策にまで取り入れた。そうすると、与党、野党全部が行革になっちゃった。アメリカのそういう考え方がイギリスに、あるいはそのほかにと、どんどん世界を行革の渦に巻き込んだのが一九八〇年代であった。
このことを考えたときに、もう一方で我々が確かな位置づけをしていかなきゃならぬのがグローバル企業なんです。この人たちが、行革、小さい政府と言うその意味の反面には、グローバルな企業がもっと活躍することによって小さな国のGDPよりも大きな売り上げを上げる、そういう企業をつくることによって世界は平和を維持できるんだ、そういう考え方が反面にあったということでございます。この認識は今も続いているわけでございます。
グローバル企業というのは変容いたしました。今、グローバル企業を考えてみましても、随分その一九七〇年代とは違います。しかし、我々はこういう考え方が正しいと一方で思っておりましても、他方で、例えばグローバル企業についていえば、私の高知県須崎市というところに松下寿がありましたが、突如工場閉鎖して天津に工場を移しました。そうすると、三百人の雇用が失われました。日本、あるいは地方都市の現実というのは、平和を維持するためだ、グローバル企業は必要だといいましても、なかなかそれを素直に受け入れることはできません。こんなことを考えましたときに、こういう厳しい現実も直視させていただかなきゃならぬ。
そこで、日本企業が海外で生産している製造業の製造総額、あるいは現地雇用総人数。つまり、本来日本で雇ってくれて、そして生産してくれたその額が外に移転しているんだ。こんな数を知らせていただいてちょっと厳しい現実を把握してみたいと思います。二階大臣、お願いします。