岩國哲人の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)

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○岩國委員 まず最初に、辻元委員の日本は法治国家だろうかという疑問について、私も長年考えてきました。そして、私の論文にも書いておりますけれども、日本は立派な放置国家だと思います、六十年間この大切な問題を放置してきたという意味の放置国家なんです。世界のどこにこんな放置国家がありますか。国民に憲法に賛成するか反対するかという大切な、国民主権という言葉が先ほども委員からありましたけれども、一番大切な国民主権は自分たちの憲法を持つか持たないか、これにまさる国民主権はないと思います。その問題を避けて、すりかえて、放置してきた日本は、私は放置国家だと思います。議論ばかりして決断と行動に欠けている国会に何の意味があるのか。
 私は、政党が賛成する、政党ごとに反対するという議論がもともと間違っていると思います。これは、一人一人の議員が良心と、そして一人一人の議員が家族と国民への愛情を込めて判断すべき問題であって、私は、そういうことを放置してきたことを国会として謝罪する、五つの全国紙と北海道新聞に全政党の名前で謝罪状を出すべきだと思うんです。そして、私の提案ですけれども、その広告、謝罪状の費用は、国会議員がそれぞれの在籍年数に応じて負担することを提案いたします。
 葉梨委員から、改憲について、場合によっては一言一句変わらないものでもいいと。私は、それも有力な選択肢。あるいは、それを国民が選ぶかもしれません。しかし、それでもいいんです。この憲法に賛成するという思いをしっかりと一票に込めて、そして自分たちの憲法だという実感を持つということ、これこそ民主主義の根本ではないかと思います。それを与えないでいる国会は反省すべきです。
 先ほど申し上げました、今、三千四百万人が戦争の日本を知っています、戦後の日本を見ています、そして、平和な日本を味わってきました。この三つの日本を見てきた私を含めまして貴重な三千四百万人、この貴重な意見を捨てるのか、それとも日本の未来のために生かすのか。世界の平和のために、唯一の大量破壊兵器の犠牲となった日本らしい平和の理念をしっかりと取り込んだ新しい憲法、先進国の一つとして二十一世紀最初の憲法制定、誇りを持って、自信を持って私は今こそ制定すべきだと思います。制定のプロセスこそ国民投票ではありませんか。
 また、武器を持つことだけが国際貢献ではない。失礼かもしれませんけれども、自民党的な憲法改正だけが憲法改正ではないんだという選択肢もしっかりと国民に見せて、右へのハンドルだけじゃなくて左へのハンドルもある、それもしっかりと見ていただいて、平和のための改正もあれば世界貢献のための改正もある、そういう国民への啓蒙活動も一刻も早くやるべきだと思います。
 それをやらないで、民主主義といいながら、だれも賛成していない、だれも反対していない、これはある意味で、民主主義といいながら、最近はやりの言葉を使えば偽装国家ですよ、はっきり言って。自分たちのものをだれかがつくってくれた。私はいろいろ文献を調べました。国民主権は新憲法によって初めて法的な裏づけがなされた、しかし、その新憲法は国民主権が存在しないときに制定されているんです。それが、前文の中で「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」と書かれていますけれども、いわば、我々主権を持つ国民はだれかによって用意された憲法を追認させられているにすぎないんです。
 自分たちの一票で、これは私たちの時代につくったんだということに誇りに持って、私は国民投票を一日も早く、毎日毎日この世代の二千人の方が亡くなっているんですから、その人たちの声を無視しないことが大切ではないかと思います。
 終わります。

発言情報

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発言者: 岩國哲人

speaker_id: 12438

日付: 2006-04-06

院: 衆議院

会議名: 日本国憲法に関する調査特別委員会