保岡興治の発言 (日本国憲法に関する調査特別委員会)
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○保岡議員 提出者を代表しまして発言をさせていただきます。
各党からそれぞれ憲法改正国民投票法案、憲法改正手続法についてのいろいろな考え方が述べられました。
私は、ここに国会がこの法案を審議できる状況ができたということは極めて歴史的な大きな意義があると。この点についてはそれぞれ愛知先生や仙谷先生、滝先生等からの御発言にもあったとおりでありまして、私としても、趣旨説明の際に申し上げましたが、憲法制定権力の担い手である国民がその権利を行使する制度を早急に整備することは立法府の最大の責任であった、戦後六十年この法案がなかったということは国会の怠慢だと申し上げましたが、これが今国会で審議が始まることは、まことにこのような立法の怠慢に終止符を打つという歴史的な意義を持つものだと、私は本当に強く今国会における審議の重要性を認識しておるところでございます。
また、この法案をそれぞれ与党、民主党から提案することになりましたが、そのプロセスで既に五十時間以上にわたる審議や論点整理をやってきた。しかも、海外の視察、昨年十一月のヨーロッパの各国の国民投票法制の調査を含めると五十時間は優に上回る、今まで国会で審議している重要法案と比較して極めて多くの時間を割いて既に論議をしてきているということが言えるのではないかと思います。しかも、その論議を踏まえて論点整理を行いました理事懇談会においては、立場の違いはあっても、共産党の笠井先生、社民党の辻元先生がこれに真摯に対応していただいて議論に参加していただいたことは、これまた憲法の取り扱いを国会がどのように対応していったらいいかということをつくっていくプロセスとして非常に重要なことだったと思っております。
今後も立場の違いを超えて議論されて、いろいろ整理された論点整理を通じての共通点、相違点、こういったものをもとに、確かに共同提案で民主党と一緒に提案できればよかったのかもしれませんが、先ほどお話にもありましたとおり、違いを国民の前に明確にしてさらに議論を深めて、本質をしっかりとらえて、手続法を公正中立な、歴史に残る、国民に本当に信頼してもらえるルールとして確立するということができることもまた大きな意義を持っていると思います。
したがって、これは社民、共産の先生からお話のあった、国民投票法制は必要ないという前提に立つ意見もありましたけれども、論点整理の場と同じように、今後も、例えば公正、厳格な取り扱いを発議の手続でも国民投票実施の手続でも工夫していかなきゃいけない。またさらに、なぜ規制を最小限度にしたのかとか、それから発議における反対派への配慮というものをもっと工夫して組み込むべきではないかという趣旨でいろいろなお話もあったかと思うんです。そういう点も含めて、この審議を通じて、社民、共産の先生方にもぜひ積極的に御議論に参加していただいて、できるだけ幅広い議論のもとに合意形成を図っていければと心からそう思う次第でございます。
それは、中山委員長が調査会長時代、それで委員長になられてからも、そして、今日ですと野党筆頭の枝野理事初め、歴代の会長代理であられた民主党の野党筆頭の幹事の方などの長い努力と、信頼関係の醸成の成果がそこにあらわれている。
先ほど国会における議員の憲法改正手続に対しての関心の低さの御指摘も、本会議場の様子を指摘された言及がありました。あるいはやじについての言及もございました。私は、意見の違いがあっても、むしろ意見が違うからこそ、徹底的に論議をすればこそ、問題の本質が明確になってよりよい案ができていく。これは滝先生もおっしゃったように、論議を尽くしてこそ、最終的には民主主義のルールで多数決で決めていくべきであるということの御指摘にもつながるわけでありますが、今後、この特別委員会における両法案の審議が、いわゆる対決法案ではなくて、与党案、民主党案ともに、国民投票法制の具体的な制度設計に関する本委員会における議論のたたき台というか素材というふうにとらえて、これは幅広い論議をして成案を得ていく必要がある、そのように思います。
また、先ほど来、特定の護憲、改憲と結びつけることに関し御議論もありましたけれども、各党の先生が言われましたとおり、やはりそれとは切り離された公正中立なルールは何かという観点で議論していくということは当然のことですから、そのことについては皆さん一致しているんです。一致しているので、もしそれに不足する点があったら、どうぞいろいろな角度から指摘いただいて、さらに充実したものにしていく、先ほどから申し上げているとおりでございますので、ぜひ、公正中立なルールを確立するために、これだけ時代が大きく変わって、憲法制定当時と今日とでは別世界、もう甚だしい内外の状況の変化がありますから、制定憲法で完成されているものはない、必ず時代の変化とともにその改変は余儀なくされるというのは、アメリカの第三代大統領のジェファーソンだったと思いますが、そういうことを言っておられまして、これは本当に成文憲法、基本法の持つ運命だと思うんです。
したがって、今日戦後六十年、憲法改正論議もこれだけ出てくるのは当然。そしてまた、それを守りたいところがあるという御主張も出てくるのは当然。そういった未来の日本を考えて、二十一世紀のあるべき日本の姿を、これから我々が新しい時代にふさわしいものにつくっていかなきゃならない。その国政、国家権力の行使の基本法をしっかり議論するためにも、手続法は、まだ国会に憲法改正案が出されていない今、やる以外にはない。そういった意味で、私は、この機会、この今国会に両案が提出されたことは、大変日本の将来にとって大きな意味がある一歩を踏み出した、そのように思っております。
いろいろ個別の問題についてはこの議論のプロセスで、本当に私は自分でも驚くぐらいですが、よくぞ意見の一致を見たと思える。例えば民主党の意見の中に広報協議会の提案があった、あるいはマスコミ規制については自由を御主張する議論が参考人からも委員の間からも出た、こういったことで両党の法案に広報協議会が共通の制度として出ていることとか、マスコミの規制の全廃が出たとか、その他いろいろありますけれども、相違点が八つもあったものが見事に一致した形になったというのは、これは非常に見事なプロセスであったと私は思っております。
したがって、これをこの国会ないし次の国会における両法案の審議において広く委員間で議論する中で同様な成果を得ていくということを強く願いまして、みんなで真摯な議論ができることを心から期待しまして、私の発言とさせていただきます。