石崎岳の発言 (本会議)
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○石崎岳君 自由民主党の石崎岳でございます。
私は、自由民主党を代表しまして、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案等について質問をさせていただきます。(拍手)
我が国は、国民皆保険制度のもと、世界に冠たる医療水準と世界一の平均寿命を実現してまいりました。今後、急速に高齢化が進展していく中で、安心の基盤である国民皆保険制度を堅持していくために、医療制度のさらなる改革は避けて通れない大きな課題であります。
最も大切なことは、人口構造の急激な変化に対応して、医療制度を将来にわたって持続可能なものに再構築していくこと、さらには、患者の視点に立って患者本位の医療を実現することではないかと思います。
今回の法案では、安心・信頼の医療、医療費適正化の推進、新たな医療保険制度という三つの大きな柱が掲げられておりますが、こうした改革にどのように取り組んでいかれるのか、小泉総理に基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
今回の医療制度改革におきましては、医療費の適正化が大きな焦点となっております。議論の過程において、経済財政諮問会議の民間議員から、経済成長率をもとにしたマクロ指標により医療給付費の伸びを抑制する、いわゆる伸び率管理の導入が提案されました。しかし、これでは必要な医療が確保されなくなるおそれがあるとの観点から、結局、昨年十二月の政府・与党の医療制度改革大綱におきましては、医療給付費の伸びを検証する際の目安となる指標を示すことになったところであります。いわば努力目標という形でありますが、現実的に医療費適正化の実効性をどのように確保していくのか、厚生労働大臣に伺います。
今回の制度改正では、新たな高齢者医療制度の創設が目玉となっております。特に、七十五歳以上の後期高齢者を対象とした独立した医療制度の創設がうたわれております。これまでの老人医療制度では、財政運営の責任主体が不明確で、保険者機能がなかなか発揮できないとの反省から、新たな制度設計がなされたものと思いますが、この後期高齢者の医療制度の財政運営は、都道府県単位で全市町村が加入する広域連合が担うこととされました。私が住む北海道は百八十の市町村があり、それぞれの地域性や財政力に大きな違いがあります。
そこでお伺いしますが、北海道に限らず全国の新たな広域連合が円滑な意思決定を行い、保険者機能をしっかり果たすために、どういう方針で臨まれるのか、厚生労働大臣の見解を伺います。
今回の法案には、平成二十四年に介護療養型医療施設を廃止することが盛り込まれております。療養病床の再編成は、医療と介護の役割分担を進め、病院が高齢者介護の受け皿となってきた、いわゆる老人病院問題という三十年来の懸案を解決しようというものでありますが、関係者からは、地域での十分な受け入れ体制が整わないまま再編成が行われるのではないかとの不安が寄せられ、自民党の中でも大変大きな議論となりました。
そこで、療養病床の再編成に今後どのように取り組んでいかれるのか、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
次に、今回の医療制度改革においては、都道府県単位を軸とする保険者の再編統合を進めることとされております。中でも、財政基盤が脆弱な市町村国保については、かねてより財政運営の安定化が求められてきたところであります。私が住む札幌市は、毎年恒常的に数十億円の国保の赤字が発生し、一般会計からの繰り入れと借り入れ合わせて毎年三百億円以上の予算を使って、赤字の穴埋めと保険料を抑える対策を行っています。
今回の法案においては、保険財政共同安定化事業の創設などが盛り込まれておりますが、市町村国保の安定的な運営に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか。
また、政管健保は、都道府県単位の財政運営となり、医療費の地域格差が保険料に反映される仕組みとなります。現時点での保険料の試算では、一番高い北海道が八七パーミル、一番低い長野県が七六パーミルとなり、その差一一パーミルの保険料の格差が生ずることとなります。
この点について、財政論だけではなく、なぜこのような格差が生じたのかという地域医療の観点からの議論が必要と思いますが、厚生労働大臣の率直な見解をお伺いいたします。
さて、今国民が求めているのは、医療の安心、信頼の確保であります。そこで、患者に対する医療情報の提供について伺います。
現在、患者が医療機関を選択する際に参考となる情報は、広告などに限られております。患者は、医療機関に関する十分な情報を得ることができず、自分がどの医療機関にかかればベストなのかわからない中で、名の知れた大病院を選択するか、もしくは地域の医療機関を選択しているというのが現状ではないでしょうか。
その一方で、政府は、今回の改革において、地域において医療の連携体制を構築するという柱を掲げておりますが、患者が十分な情報の提供を受け、適切な医療機関の選択をすることができなければ、結局、絵にかいたもちに終わってしまいます。
政府の掲げる、質が高く効率的な医療提供体制の構築という理念を具現化するためには、患者が安心して医療機関を選択し、適切な医療を受けられるよう支援することが不可欠な要素であると考えますが、今回の改革においてどのような対応が図られるのか、厚生労働大臣に伺います。
次に、医療計画制度の見直しについて伺います。
医療サービスは、良質であるだけでなく、効率的に提供される必要があることは言うまでもありません。その上で、医療機関を選択する患者の視点に立てば、がん、脳卒中、糖尿病といった疾病ごと、さらには、救急医療や小児医療、周産期医療といった分野ごとに、地域の医療機関の連携が目に見える形で示され、住民、患者が安心して地域で過ごせるようにしなければなりません。
このように考えれば、住民に身近な都道府県が責任を持って医療機関の連携体制のビジョンを描き、その状況を住民、患者にわかりやすく情報提供するように改革すること、そして、それを国がしっかり支援していくことが必要ではないでしょうか。
今後、どのような対策を実施していくおつもりなのか、これは総理の御決意をお伺いしたいと思います。
最後に、医師不足問題についての対応をお伺いいたします。
国民に良質な医療を提供するためには、医療の担い手である医師を確保していくことが不可欠ですが、現実には、地域ごとの医師の偏在や、小児科、産科などの特定の診療科における医師の不足が深刻化しており、その解決が今や喫緊の課題となっております。
昨年十二月の医療制度改革大綱におきましても、この医師不足問題について、都道府県ごとの医療対策協議会の設置や医学部入学定員の地域枠の拡大など、地域の実情に応じた医師確保対策を総合的に講じていくとしておりますが、例えばこの医療対策協議会も、関係者が協議する場であり、強制力はなく、その効果には限界があると指摘をされております。
そこで、政府においては、どのような対策を考え、今後具体的にどう取り組んでいかれるのか、厚生労働大臣にお伺いをいたします。
我が国の医療は、保険証一枚でいつでもどこでも医療が受けられるすばらしい体制が整備されてまいりました。しかし、厳しい財政状況と高齢化の進展を考えますと、医療の改革は国民の生命、健康を守る意味で政治の最優先課題でもあります。患者の視点に立った医療の質の向上と、効率的な医療提供体制の再構築に向けた政府の努力を強く期待して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕